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映画批評

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映画の批評。脚本家視点なので映像的にどうとか役者の芝居がとかはあまり書けません。
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2015年12月の記事一覧

FOUJITA

 エコール・ド・パリの代表的な画家として知られる藤田嗣治(ふじたつぐはる)を描いた作品。小栗康平監督の10年振りの新作だ。映像がとても静謐で美しく、それ自体、芸術作品を見る思いがした。

 ただ、上映中、観客の一人がやたらとあくびの声を上げていて興ざめだったのだが、でも「あくびが出るのは分かるわ~……」と思った。

 この映画における藤田は、どこか達観したようなキャラクターで、怒り狂ったり泣きわめ

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閉店時間

 3人のデパートガールの恋模様を描いた作品。当時のデパートの様子が見られたりするのは興味深かったが、ごくごく普通の恋愛コメディ。小品という印象。

 それでも、3人の恋愛や社会、仕事に対する考え方の違いやキャラクターをしっかりと描き分けられていて、時折、素敵なシーンもあったりするので退屈することもなく、きっちり作られているなぁと思った。

 とくに印象深かったのは、おにぎり屋?で節子と竹井がおにぎ

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