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英語学習におすすめの洋書:The Twelfth Angel(12番目の天使)

電車の中で読んではいけない本。特に涙腺ゆるめの方はご注意。今、心がすさんでいる人、疲れている人におすすめのBeautiful Storyです。
アメリカの自己啓発系の作家、オグ・マンディーノのベストセラー小説です。なので、自己啓発されまくります。

あらすじ

愛する家族に囲まれ、仕事でも成功をおさめ、順風満帆の人生を謳歌していた主人公ジョンは、突然事故でその家族を失い、奈落の底へ落されてしまいます。

人生に希望を見出せなくなり、自殺まで考えていたジョンは、知人から少年野球チームの監督を頼まれます。あまり気が進まないものの野球場へ出かけ監督を始めてみるジョン。チームにはティモシーというとっても運動オンチの少年がいて、チームの足を引っ張るばかり。

彼を指導しながら交流するうちに、ジョンは少しずつ生きる目的を見つけていきます。しかし、ティモシー少年には誰にも内緒にしていることが一つありました。


読みどころ

率直いうと、ストーリー展開は特に目新しいものではありません。こういった起承転結は小説にはありがちなのですが、そこがこの本の読みやすさです。また、ストーリーテラーとしてのマンディーノ氏の手腕がすごいのか、あっという間に惹き込まれ、読み続けてしまう魅力があります。

そして、悪者が一人も出てきません。これは小説としては逆に珍しいと思います。冷血な事件のニュースなどでストレスを感じている人、コロナ対応で心がすさんでいる人、人間関係に疲れている人、「心が洗われるようないいお話を読みたいな……」と思っている人が安心した読める心のお洗濯本です。

英語で読む醍醐味

一言、英語も読みやすいです。文体にリズムがあり、単語のレベルもやさしめですので、非英語ネイティブにも非常に入り込みやすいです。本もそれほど分厚くなく、あっという間に読めてしまいはずです。洋書入門者や、早く読める本を探している人に特におすすめです。
前述のとおり、ストーリーはありがちな流れで先を予測できそうになりますが、そこが、かえって洋書初心者には特に読みやすさにつながっていると思います。

amazonの洋書のページは、中身が少し見れる「試し読み」がついていますので、さわりを読んでみて自分と合うか感触を観てみるとよいでしょう。
ちなみに冒頭部分から少し抜粋してみました。

The past seventeen years. How special they had been. Filled with hard work, rewards, love, joy, success, achievement, laughter and even some tears. There had been so many precious moments, such a long run of proud and unforgettable experiences, and now, even before my fortieth birthday, life was suddenly no longer worth living.

いかがでしょうか?単語のチョイスもそれほど難しくないと思います。
ぜひ、心のお洗濯と涙腺のお掃除に読んでみてください。

おまけ

リトルリーグの監督と野球少年とを軸にしたお話なので、野球好きにはさらに楽しいと思います。野球監督をする主人公が、野球のルールを必死て学ぼうとする描写などもリアルで興味深く感じます。

筆者は、結構スポーツ好き(昔はスポコン薄目でしたが、今は観戦一方)です。普段TVはほとんど見ませんが、野球、サッカー、ラグビー、陸上、水泳…などスポーツの大会が放映されるとTVくぎ付けです。

中でも、野球はスポーツとして大好きです。それは、ルールの面白さ。他のスポーツと比較しても、最もルールが複雑なスポーツだと思います。野球の審判って本当にすごいと思っているのです。

この物語に描かれる、野球のルールにまつわるお話の部分も興味深くて、スポーツ好きはもちろん、野球少年の親御さんたち、はたまた野球を全く知らない人も目からウロコが落ちると思います。

まとめ

人の弱さ、もろさ、そしてそれを克服してゆく強さと勇気の物語です。文句なしによいストーリーなので、洋書初心者から上級者まで、おすすめ度高めの作品です。

作品データ

著者:オグ・マンディーノ Og Mandino
1993年出版 176ページ
英語:アメリカ英語
難易度★★★☆☆
R言語★☆☆☆☆



英語を習得したい、上手くなりたいというのは多くの人の普遍的な希望ですよね。こうすればいいよと言葉で表現することのむつかしさをかみしめています。楽しくて自然に英語が身に付いていくような、そんなコンテンツの発信を目指しています。