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豆田町黄昏散歩


 大分県日田市に、江戸時代の面影が残る城下町「豆田町」がある。江戸時代以降に建てられた商家や蔵屋敷などが多数現存し、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定され、また「近世日本の教育遺産群-学ぶ心・礼節の本源-」の構成文化財としても日本遺産に認定されている。

「みゆき通り」には家の壁に鏝絵こてえと呼ばれている左官アートが施されている商家も残る。これは左官職人が漆喰壁にコテを巧みに操り、絵や動物などを立体的に施した装飾。この絵や動物には、その家柄を表現したものや願いが込められているものもあるとのこと。
(note:「豆田みゆき通り商店街」さん参照)

また、写真にも写っているが、町内の道路にはクランク状になった部分がある。これは、旧城下町によく見られる枡形ますがたと呼ばれる造りで、わざと見通しを悪くして侵入者(敵)を待ち伏せするためとも、距離感を狂わせるためともいわれている。(コトバンク参照)

九州の小京都とも呼ばれるだけあって、情緒あふれる街並みの中をただ歩いているだけで心地よい。この日は夕暮れ近くにたまたま通りかかったのだが、街並みの美しさに目を奪われ、すぐに車を停め、小一時間ほど歩きながら町内を回った。ここには眼に眩しすぎる色彩や看板、照明はどこにもなく、ほとんどが自然素材の「和色」によって彩られている物ばかりだ。

ちょうど一周した辺りですっかり日は暮れ、街路灯に明かりが静かに灯った。
練り歩く見物客の姿もいつの間にか消えていない。
人通りの途絶えた街は、再び江戸時代の静寂の記憶へと立ち戻ってゆく。















































































































RYUICHI SAKAMOTO
KoKo

  

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