見出し画像

恋にも似たなにか

藤くんの結婚に関する気持ちの整理をしよう。

天体観測から20年弱。
応援していた、というよりも、ひそかにそっとずっとそばにいてくれたBUMP OF CHICKEN。

4人が奏でる音楽であるが、もはや藤くんからのメッセージとして受け取っていた私には、今回の藤くんの結婚報告は大変喜ばしいことと同時に、どこかさみしく、失恋に似た喪失感を抱いた。

BUMPが4人組であることを知らないうちから、BUMPの音楽を好きでいたのは、彼らが愛だの恋だの明日に向かって頑張ろうだの、特定のメッセージ性のある音楽を届けてこなかったからだと思う。(もちろんメッセージ性のある音楽も大好きである)

BUMPの音楽は、聴く人の立場によって歌詞の意味は変化するし、へこんだ時に頑張れ!というよりも一緒にへこむねえと寄り添ってくれる音楽だと思っている。

だからこそ、藤くんの結婚によりこれまでの音楽が、藤くん目線の日常に勝手に解釈されて、押し付けられているような感じになることがとても悲しかったのではないだろうか。藤くんが今まで、何10回・何100回とライブで言い続けていた「ふとした瞬間に、ああこういう音楽あったなあって思いだしてくれればいい。あなたの人生のほんのひとかけらになるといいな」という言葉が覆されるような、そんな気がしてしまった。

ただのエゴだけれど、私が辛いときやうれしいときにそばにいてくれた音楽の捉え方が変わってしまうことが、怖くて悲しかったのではないだろうか。

多分私は藤くんの、BUMPの作る音楽に恋をしていた。

最近の藤くんは昔に比べたら丸くなって、慈愛に満ちた表情で音楽を届けてくれるようになった気がする。
RAYから明るい前向きな曲が増えた。

なによりどんなに大きな会場でやろうとも、花道を作らなかった彼らが、「みんなの近くに行きたい」という理由で花道を作った。

ハンドマイクをしない藤くんが、みんなの近くへという理由でギターを背負ってハンドマイクで歌いながら歩いた。

メディアへの露出を嫌がった彼らが、紅白歌合戦に出場した。

今回の結婚発表も藤くんの変化の一つなんだろうと思うが、なんだか失恋した気分になるのは、きっとそれだけBUMPの歌が大好きだったからだと思う。

藤くんの音楽が、4人が作り出す音楽が大好きだ。

改めて、藤くん結婚おめでとう。

#BUMP  




この記事が参加している募集

#note感想文

10,582件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?