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【海外登山3】@カザフスタン 「天山山脈の4座」 フルマノフ・ピークの登り方


ソビエト連合の黎明期に活躍した
ディミトリ・フルマノフの
名前を冠すフルマノフ・ピーク。
カザフスタンとキルギスタンの間の
天山山脈北路に聳える3053Mの山である。
アルマティを見下ろし、
天山北路の山々を眺める山頂は、
多くの登山家を魅了する。

著者は、2023年7月6日、
フルマノフ・ピーク(Furmanov Peak 3053M)と
それに連結する峰々の
パノラマ・ピーク(Panorama Peak 3260M)
バシュータ(Bashuta 3355M)
シュンブラック・ピーク(Syumbulak Peak 3450M)
を登ってきました。
稜線からの眺めの荘厳さはさることながら、
公共交通機関で足をのばせる点で、
アクセス面でもおすすめの山です。
また、下山時はリフトで帰ることができるので、
帰路は非常に快適です。

本記事では、登山の参考になるように、
登山行程や装備、アクセス、登山時の注意点など
を書いていきます。


1.1 登山行程

歩行距離: 11.6km
日数: 1 日
歩行時間: 7時間
標高差: 1764M
開始地点: メデオ・スケートリンクバス停 (1686M)
終点: メデオ・スケートリンクバス停

8:00:メデオ・スケートリンクバス停
↓0.6KM
8:15:入園場
↓4.2KM
11:00:ブランコ
↓1.7KM
12:30:フルマノフ・ピーク(3053M)
↓1KM
13:10:パノラマ・ピーク(3260M)
↓1.2KM
14:20:バシュータ(3355M)
↓1.2KM
15:40:シュンブラック・ピーク(3450M)
↓1.5KM
16:10:ケーブルカー乗り場


1.2 難易度


体力※1  :★★★☆☆
技術※1  :★★★☆☆
アクスセス:★☆☆☆☆
(★が多ければ多いほど難易度が高くなると考えてください。)

・体力面
標高差1764Mということを踏まえると、
安易な登山は避けたほうがいいです。
また、帰りのケーブルカーが
午後4時ごろに止まるので、
スピードにも気をつける必要あります。
帰りのケーブルカーに乗れれば、
非常に楽ですよ!

・技術面
バシュータ登頂時以外は
登山道は分かりやすいです。
バシュータを登っている最中に、
滑落の恐れがある急勾配ながれ場が続きます。

加えて、オフライン・マップもあてにならないくらい、
道がわかりづらいです。
そのため、自身で安全に登るルートを
見定めながら進む必要があります。
自信がない場合は、
パノラマピークで引き返すことをお勧めします

(実際に多くの方々が、パノラマピークで引き返していました)。
また、登山期間は7月〜9月中旬です。
秋に入ると積雪の恐れが出てきます。

・アクセス
行き、帰りともに、
アルマティから、
かなりの頻度でバスが出ています。

・楽しさ
パノラマピークから望む景色は絶景です。
その先に壁のように鎮座するバシュータも
一見の価値があります。
もしも登山経験が少なかったり、
「恐いな~、この急勾配」と思った場合は、
バシュータを見たら、引き返すといいです。

※1 体力、技術はYAMA HACKの基準を参考にしました。
リンク:https://yamahack.com/grading-scale


1.3 写真で眺める実際の行程

ここからは筆者の登山行程です。
重要な箇所には、※印と一緒にGoogle Mapの
リンクを貼っておきます。
加えて、Maps Meで検索できるように
(  )内に実際の表記も記載しておきます。
気になる方は、マップを辿りながら、読み進めてもいいかもしれません。

現地で知り合った台湾ルーツでアメリカ育ちの友人を含め、
3人での登山でした。
朝8時にメデオ・スケートリンクバス停(Medeu Stadium)※2に到着。

バスを降りたら最初に見える風景。


これがバスから降りて最初に見る風景です。
これを正面にして、左に向かいます。

まずは、入園場を目指します。
Google MapのHealthy Trekking Way Almaty※3
Maps MeのStart hike to Furminov Peak
という場所に向かってください。
そうすると木作りの家が見えてきます。
そこで、入園料を払います。


ここで入園料金を払います。

フルマノフ・ピークへ向かう道は
大きく分けて2つあります。
1つめは、最初に急勾配な森を抜けるパターン。
2つめは、緩やかな谷間を歩っていくパターン。
筆者は、早めに登りを終えたかったので、
1つめのコースを選びました。
入園場の道を左に逸れると1つめ
道なりに進むと2つめのコースに
合流します。

森をぬけて一気に標高を稼げます。
途中でランドマークのブランコ(Swing)が
見えてきます。
この先を進むといよいよ最初の山頂である
フルマノフ・ピーク(Furmanov Peak)のお目見えです。

稜線に入ります。

途中で馬たちも合流。

こんな高所でも放牧されているなんて。

フルマノフ・ピークの目前では、
岩が立ち並びます。
一歩一歩足場を確かめながら進みましょう。

ようやく登り終えると、
頂上です。
これより先には、さらに山の峰々が
這うように続いています。
ここでランチ休憩をとりました。

フルマノフ・ピークより続く稜線。
この先が、パノラマ・ピークです。

この先のなだらかな稜線を登れば、
パノラマ・ピーク(Panorama Peak)です。
30~40分で登頂が可能です。
天気、体力、装備を吟味し、
難しいと判断すれば、
ここで引き返すのも選択肢の一つです。

パノラマピーク。

可愛い雲が飾られた快晴だったので、
みんなで瞑想することになりました。

パノラマピークにて、瞑想。

ここからはいよいよ難所のバシュータ(Bashuta)です。
くれぐれも無理をなさらないように!!
壁のようにそりたつ山を登ります。

バシィータを下から見た写真。目の前にすると、より壁のように反り立っています。

登り始める前までは壁のように見えますが、
山肌を沿って登ることができます。
自信がない方は、
誰かに先導してもらいましょう。
誤って足場の石を転がしてしまった場合は、
下の人に大きい声で、「ラーック」と叫びましょう。

バシュータ登り中の山肌。

バシュータ到着時点で、14時20分。
これ以上の急な登りありません。
荘厳な山を楽しみつつも、
急いで最高峰のシュンブラック(Shymbulak Peak)へ
向かいましょう!!
切り立った岩岩の横を縫うように歩いて行きます。
必ず、マップから大きく外れないように歩きましょう。
滑落の恐れがあるので、慎重に!!
このような突起した岩岩を抜けて行きます。

遠くから眺めるシュンブラック・ピーク。

直接稜線上の岩岩を歩かず、
必ず迂回して歩いていく道があります。
「危ない道だ」と思ったら、
迂回できない道がないか?
マップから外れていないか?
を必ず確認してください。

突起した岩を歩かず、迂回してましょう!!

そうすると、いよいよシュンブラック・ピークです。
背中から戦ぐ風が行き着く雪に覆われた山々。
その圧巻さを5感を通じて体感してください。

シュンブラック・ピーク。

ここからは、急な下山になります。
下の写真のケーブルカー(Combi-2 Station)※4に向かいます。
これに乗る時点では、チケットの照会やお金の請求はありません。

下りで、ケーブルカー乗り場が見えてきます。
ひとつめのケーブルカー乗り場。

最初のリフトを降りたら、
再びリフト乗り場が見えてきます。
それを正面に右に曲がると、
Kacca (チケット売り場)が見えてきます。

2500Tengeでチケットが買えます。
購入後、チケットを改札にかざしてから、
リフトで下山します。
帰りのバス停でバス※5を待つか、
タクシー、ヒッチハイクでアルマティ市内まで
帰りましょう!!

※2 :メデウ・スケートリンク(Medeu Stadium)

※3 :入園場付近

※4:ケーブルカー(Combi-2 Station)

※5:帰りのバス亭


1.4登山口までのアクセス

[アルマティ空港→アルマティ市内のホテル]
・手段:バス No.86 / タクシー
・価格:バス 150Tenge  / タクシー  2000Tenge
・所要時間:バス 1時間10分 / タクシー 30分
・出発時間:バス  夜10時まで定期的に運行 /  タクシー いつでもあります

空港に到着したら、一階に黄色と緑のATMがあります。
念の為現金を持っておきましょう。

・宿泊先
アルマティ市内の宿泊を選ぶ際には、
メデオ (Medeu / Медеу)地区※6がおすすめです。
登山口行きのバスNo12は、メデオ地区(アルマティの南東)
から出発するからです。
また、アルマティ市内であれば、
バス網が発達しているので、
メデオ地区以外でも大丈夫です。

・バスの場合
メデオ地区へ向かうバスは、No.86です。
No.86のバス停※7のリンクを下記に貼ってあるので
ご確認ください。
アルマティの市内バスは、すべて150Tengeです。
乗車の際に、
運転手に直接現金で渡してください。

・タクシーの場合
タクシーはYandexGoの調べだと、
2000~2500Tengeです。
あまりにも高い料金をふっかけられたら、
最高でも2500Tenge前後に落ち着くように交渉しましょう。
もしも、タクシーの交渉に不安な場合は、
YandexGoをダウンロードしておきましょう。
これは、タクシーを呼ぶアプリです。
事前に決まった価格で、指定した場所まで
送り届けてくるので、価格的にも
精神的にも安心です。

[アルマティ市内のホテル→メデオバス停]
・手段:バス No.12 / タクシー
・価格:バス 150Tenge  / タクシー  2000Tenge
・所要時間:バス 1時間前後 / タクシー 30分
・出発時間:バス  夜10時まで定期的に運行 /  タクシー いつでもあります

・バスの場合
一番分かりやすいバス停の場所は、
ドストゥク・プラザ(Dostyk Plaza)付近のバス停※8です。
朝の7時から運行しています。
終点で降ります。
終点で、大きいスケートリンクと周辺施設が見えてきます。
みんな降りるので、降りるタイミングは
わかりやすいです。

・タクシーの場合
YandexGoの価格だと、
2000〜2500Tengeが相場のようです。
価格や安全性を考慮すると、
YandexGoでタクシーを呼ぶのが
一番安全です。

[メデオバス停→登山口]
下記のGoogle Mapのリンクの方面※3へ向かうか、
MapsMeでStart hike to Furminov Peakと入力して、
その方向へ向かってください。

※6 :メデオ地区

※7:No.86バス停(空港から最寄りのバス停)

※8:ドストゥク・プラザ(Dostyk Plaza)付近のバス停


1.5 出発前の装備の準備

ここでは、最低でも持っていったほうがいいものを紹介します。
また、現地や登山中で便利なアプリも紹介します。

・レインコート
(地上よりも天候が変わりやすいです。)
・上着
(山頂は非常に冷えます。)
・トレッキングポール
(後半の下山時が急勾配です。)
・水
(筆者が通ったコースだと、給水場所がありませんでした。
 念の為4Lほど持って行きました。)
・現金
入園料:545Tenge
ケーブルカー代:2500Tenge
帰りのバス代:150Tenge
+アルファ(緊急のタクシー代/食事など)

・Off-Line Map
Maps Meがおすすめです。無料かつ比較的正確に案内してくれます。
・Maps
(中央アジアで使われている地図アプリ。
 公共交通機関の経路や位置情報をライブ配信してくれます。)
・Yandex Go
(近くのタクシーを呼び寄せてくれます。
 到着地点の距離に応じて定価でタクシーに乗ることができます。)
・Windy
(無料で一週間先までの天気が確認できます。
 マップ場の具体的な位置を選ぶことができます。)


1.6 カザフスタンのおみやげ

カザフスタンで特別目についた
おみやげに使えそうな品を1つ紹介します。
しかも、そこまで高くないので、
大人数に配るのにちょうど良いと思います。

<カザフブルーのチョコレート>
Steppe Spiritが主催するツアーに参加した際に、
カザフ人のおばあ様から紹介していただきました。
カザフスタンの国境とそれを象徴する
水色が特徴的なチョコレートです。
このデザインに特別感があります。

甘さは控えめなので、
子供以外の層にも喜んでもらえます。
ほとんどのスーパーマーケットやマガジンで
売っています!!

深い水色ですね。

いかがでしたでしょうか。
どうか無事に帰ってきてください。
また、細かい質問があれば、
インスタ(detourkz)からDMを送ってくださいね。

引き続き山の記事を書いて行きます。
次回はカザフスタンかキルギスについて書こうと思います。
кейінірек кездесеміз !!!!

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カザフスタンの他の登山やハイキングについても書いています!!
全てアルマティからのアクセスが可能なので、
チェックしてみてください。


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