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【浮雲のあんちょこ】コンセプト/キャッチコピー/セールスポイントをかき分けるコツ
どうも、浮雲です。
昨日からはじめた【浮雲のあんちょこ】ですが、twitterで呟いたけど書ききれてないことがチラホラあるので、しばらくは「あんちょこ祭り」になる予感です。
そして、【浮雲のあんちょこ】やろうと思った大きなキッカケとしては、以下のtweetのようなことを考えていたのもありました。
「プロジェクトのコンセプト」に限らず、コンセプト周りの話はnoteにまとめたいのがある
— 浮雲☁ゲームデザイナー (@detamakasan) September 8, 2021
手を付けれてないけど🙄
特に企画書チェックする機会が増えて、
コンセプト
キャッチコピー
セールスポイント
がごっちゃになりがちな人が多いので、できればわかりやすく整理しておきたい🤔#プラなろ https://t.co/wTimt54L4m
このあたりの話は、すでにいろんな方が素晴らしい記事を書かれていたりするので、その中で「どうすれば新しい価値を持たせつつ記事化できるだろうか?」なんてことを考えていたら全然進まなかったのですが。
例によって、あまり肩ひじ張らずにtweetの延長くらいのつもりでサクサク書いてみようと思います。
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1.なんでこんな話をしようと思ったか
これまでも何度か話題にしていますが、5月から「プラなろ会」という業界志望者向けのコミュニティで活動しています。
そこで、プランナーを目指す学生さんや社会人の方々の企画書を100本以上レビューした中で、企画書に書くべき内容の1つとされている【コンセプト】に苦しんでいる方が多いなと感じていたのが、この話をしようと思った大きな理由です。
また、私自身新卒でゲームプランナーとしてキャリアをスタートした中で、【コンセプト】を描いたつもりが【セールスポイント】や【キャッチフレーズ】になっていることが多々あり、いろいろと試行錯誤した経験があるため、その苦しみがよくわかるというのもあります。
2.【コンセプト】は企画書を書くときの鬼門
これまで、仕事で数えきれないくらいの企画書を書いてきました。
加えて、企画部門のマネージャーや研修担当として、若手や新卒の企画者に企画書の書き方をレクチャーしたり、彼らが書いたものをレビュー、赤ペン入れたりもしてきました。
それを踏まえても、ダントツで悩んだり、赤を入れた経験が多いのが【コンセプト】です。
そもそも
【コンセプト】ってなんじゃらほい?
というところから始まって、当然それを理解しようと、或いは説明しようと努めてきたわけですが、なかなか簡潔に説明できるほどの理解度には至りませんでした。
「どういうゲームかを簡潔に表す一文」みたいな説明をされることが多いと思いますが、ぶっちゃけこれで書けるようになるなら苦労はしません。
それはつまり、「自分でよく分かってないものを書こう」としているわけで、ピントがズレたり、他のものとごっちゃになったりしがちなのはある意味当然のことです。まさに鬼門。
その中でも特に多いのが、
・コンセプトではなく【キャッチコピー】になっている
・コンセプトではなく【セールスポイント】になっている
の2つかなと思います。
というわけで、以下に「仮の企画」を例に取りながら、簡単に解説してみたいと思います。
「仮の企画」は、こんな感じで。みんな大好きゾンビゲー!
「ゾンビアポカリプスもので、家族を守りたい兵士がゾンビになりながらも家族を守り抜こうとするゲーム」
3.コンセプトではなく【キャッチコピー】
このパターンは、例えばこんなコンセプトが出てきます。
『守り抜け。その命が、尽きても』
カッコいい!
でも、どんなゲームなのかさっぱりわからないですね?
とりあえず「守るんだ」ということはわかりますが、
・主人公が誰なのか?
・誰をなんのために守るのか?
・命が尽きても守れって、どういうこと?
みたいなところは謎に包まれています。
こういうものは、「どんなゲームなんだろう?」とユーザーの興味を引く【キャッチコピー】として、パッケージ裏や公式サイトのトップに置かれるのには適したフレーズかなと思います。
4.コンセプトではなく【セールスポイント】
一方このパターンは、例えばこんなコンセプトが出てきます。
『人間とゾンビ、異なる2つの戦闘スタイルを使い分ける戦略性』
うん、なるほど。戦闘パートの魅力はなんとなくわかった。
でも、結局それで何をするゲームなのかはやっぱり謎のままです。
こういうものは、「このゲームはここが面白い!(だから売れる)」という【セールスポイント】として、開発時の注力ポイントとして伝えたり、プロモーション時の売り文句に活用するのに適したフレーズかと思います。
5.コンセプト/キャッチコピー/セールスポイントを書き分けるコツ
「ほなどうすんねん」という話なんですが。
私のオススメは、「どんな内容を書くか」ではなく「誰に何を伝えるべく書くか」を考えてみる、というものです。
伝えたい相手が変われば、伝えるべき内容や表現方法も自然と変わるものなので、アプローチを変えてみるというシンプルなやり方です。
というわけで、以下にそれぞれ「誰に向けて、何を伝えるのか」の簡単なまとめと、あわせて【コンセプト】の例を乗っけておきます。
なお、太字にしているのがそれぞれのメインターゲットとその内容です。
■コンセプト
『半分ゾンビとなった兵士が、家族を守るためにゾンビで溢れた街を抜けウイルス研究施設を目指すサバイバルFPS』
1.誰に伝えるか
・社内の決裁者、クライアント(企画にGOサインをだせるひと)
・開発プロジェクトのメンバー
2.何を伝えるか
・時間のない人でもひと目で理解できるように、簡潔に「何をするゲームなのか」を伝える
・「どういうゲームを作るのか」のアウトラインを、ゲームのコアな要素を用いて伝える=何作ってるかわかんなくなったらこれを思い出してね!
■キャッチコピー
『守り抜け。その命が、尽きても』
1.誰に伝えるか
・エンドユーザー
・プロモーション担当者
2.何を伝えるか
・ゲームの持つテーマ性や魅力を凝縮して伝える=面白いから買ってね!
・ゲーム自体のコンセプトとは別に、プロモーション戦略でのキーワードとして伝える
■セールスポイント
『人間とゾンビ、異なる2つの戦闘スタイルを使い分ける戦略性』
1.誰に伝えるか
・社内の決裁者、クライアント(企画にGOサインをだせるひと)
・開発プロジェクトのメンバー
2.何を伝えるか
・「こういう理由で売れます(だからGOしてOKですよね)」という要素を伝える=売れるのでお金出してね!
・開発上の注力ポイントになる要素を明確化して伝える
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今回は、企画書を作成するうえで苦労するポイントである【コンセプト】について、【キャッチコピー】や【セールスポイント】とごっちゃにならずに書くためのコツについて書きました。
コツがわかったからといってバチっとはまるものが書けるかというとまた別の問題ですが、コツを知ったうえで何度も書いてみるほうがより理解が進むのは間違いないと思うので、このnoteが助けになれば幸いです。
それでは、また。
※何か質問や聞いてみたいテーマがあれば、以下の質問箱からどうぞ!
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