大人の鬼滅~第1巻~国語の先生!勝手な深読み!!えっ?こんな風にも読めるの?

時代にマッチした設定

まぁ~よく世相を表していることっ!!
冒頭から家族愛!でございます。
みんなのためにひとり、戦う炭次郎。そして、大義だけでなく、妹への愛。
そう、おっきい愛から小っちゃい愛まで、まさにオールフォーワン・ワンフォーオールの精神でございます。その証拠に、彼がなにかをしようとしたら、誰かが助けてくれるでしょう?
炭次郎も自らの妹を救うためと言いながら、誰かのために戦うわけでございます。
ちょっと前にはラグビーが世間を盛り上げてくれましたでしょう?
2019年には「ワンチーム」なんていうのが流行語にも選ばれて。
初版の発行が2016年だから意図しての事ではないのですが、時流がのってますね~。

そこで、街へ行く最中に、「人生には空模様がある。移ろって動いていく。」と思う炭次郎。
現在の世の中も、まさに移ろっていく最中で、今までの生活が当たり前にできなくなって、ぐう~っと我慢をしている最中でございます。
その移ろいを状況を打破するために、頑張る物語なのであります!!

鬼が出る時間

鬼が出る時間は「夜」
日差しがなくなって、明かりがなくなって、あたりは闇に包まれる…。
見えないことは恐怖そのもの…。闇自体が恐怖の存在であるわけです。
では、その昼と夜の境はいつなのでしょう?

そう、夕方、「逢魔が時」なんていうふうにも言われます。

 夕方、昼でも夜でもない時間。世界の輪郭がぼやけて人ならざるものに出会うかもしれない時間。
 もっと古くは彼誰そ時とか彼は誰時とか言ったそうです。

なんて、セリフどこかで聞いたことありません?なぁ~んか、タイムスリップしたいような、手や顔にマジックで悪口描きたいような気持に…(笑)
そう、『君の名は』のワンシーン。瀧くんと三葉が再会を果たすのもこの「逢魔が時」だったのです!そして、日が沈むと、あの世とこの世をつなぐ境界が失われて、交信ができなくなってしまうのであります。
このラインを越えてしまったから、鬼が出てきて、家族があの世に行ってしまった。逆に炭次郎はとどまったから人間でいられたわけで。ねずこはその狭間にいる存在とも取れるわけです。
なぜ鬼になった?

血のケガレ

では、なぜ、ねずこは鬼になってしまったのか…
「傷口に鬼の血を浴びたから鬼になった…」と言っているがなんで、血を浴びるとダメなのさ?

血にはケガレが存在するという意識がむかぁ~しからあるそうな。
特に死に関するケガレ、血のケガレは強いものとして扱われてきた歴史がある。
今ではそんなことは絶対にないけども、古来の女性軽視の思想には、血のケガレに近い存在であったからという説もある。男にはない血のケガレに接する機会が多いためである。

女性のことは置いておいて、そのほかにも血のケガレの意識が読み取れる有名作品があるが…お気づきであろうか??

♪はりつめた~弓の~ふるえる弦よ~♪
そう、もののけ姫!!冒頭のシーンの覚えていますか?
森からタタリ神が出てきて、アシタカの村に向かって一直線。
3人の娘たちが必死に逃げるも、転ぶ一人…そのピンチにヤックルにまたがり弓矢で応戦するアシタカ。
タタリ神の目を射抜くと彼の血がうねうねと伸びて、アシタカに絡みつく…
じゅうーと音を立て、アシタカの腕に跡を残します。これこそが血のケガレ。
ケガレは伝染してしまうから、アシタカは村を出るよりほかなかったのです…。
その後、ケガレに伝染したアシタカは自分の意思とは裏腹に矢を射って、他人を殺したりしてしまうわけですね…。

この血のケガレを払う方法はいくつかあるのですが…その話はまた後ほど…。


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