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石取りゲーム必勝法 -PART2- ルールを変えて遊んでみよう

「石取りゲーム」のルールを少し変えて遊んでみましょう。基本的なゲームの進め方は前回と同じです。今回は取ることのできる石の数を変えてみます。

010-2_図-1

取ることができる石は、1個以上、全体の石の数の半分以下とします。例えば石の数が7個の場合、取ることができる石は1個から3個までです。最後に石を取った人が勝ちとする「最後が勝ちゲーム」としましょう。
石が2個になった状態で自分の番がまわってきたら、石を1個取って勝ちとなります(最後に石を1個残した状態でゲーム終了です)。

今回は15個の石を用意して、レオ君が先手、ラッセル博士が後手でゲームが始まりました。

010-2_図-2

石の数は15個なのでレオ君は1個から7個までの石を取ることができます。先手のレオ君は石を6個取りました。後手のラッセル博士は2個取ったようです。

010-2_図-3

石の山は7個になりました。レオ君は1個から3個までの石を取ることができます。レオ君は1個、ラッセル博士は3個の石を取りました。

010-2_図-4

残りの石は3つです。レオ君が取れる石の数は1個だけなので、ラッセル博士には2個の石が残りました。ラッセル博士は最後に1個の石を取って、このゲームに勝ちました。

ラッセル博士はどのような戦略でゲームを進めていたのでしょうか?

010-2_図-5

後手は先手がとった数と合わせて 2, 4, 8, 16…個、つまり2ⁿ個になるように石をとっていけば、このゲームに勝つことができます。最初に15個の石を用意した今回のゲームは先手必敗(後手必勝)の形でした。
では石の数を変えた場合はどうなるのか、調べてみましょう。石が1個なら、これ以上石をとることはできません。したがって先手が負けです。石が2個なら、先手は1個の石を取ってゲームは終了しますから、先手が勝ちです。石が3個なら、先手は1個の石しか取れません。後手が石をとってゲーム終了となるので先手は負けです。

数列 a₁, a₂, … を次のように定義します。

010-2_図-6

これは『完全数のお話』に出てきた数列です。
15個の石をこの数列を使って表すと以下のようになります。

010-2_図-7

「aₙ₊₁個の石でゲームを始めると、先手が必敗」となることがわかります。なぜなら、aₙ₊₁ 個の半分は 2ⁿ – 1 個ですから、先手がこれ以下のどんな b個をとっても、後手は 2ⁿ – b 個取って、石の山を aₙ個とすることができるからです。

石取りゲームの必勝法、いかがでしたでしょうか。数列や文字式が出てくると少し難しく感じるかもしれませんが、数学の考え方を取り入れると、ゲームの戦略を立てやすくなることがあります。また別のお話でも少しずつ紹介していきたいと思います。

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