ラッセル博士の数のお話

数と歴史に関するお話を中心に、広く楽しんでもらえる数学の記事を発信しています。古代エジプトの数学、古代の天文学、数学小話など。監修:電気通信大学名誉教授 笠井琢美。数学Webマガジン・マテマティカ https://mathematica.site/

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    マガジン

    • 古代ギリシアの数学を学ぶ

      古代ギリシアの人々は数にいろいろな概念を導入し、数を分類しました。偶数や奇数、平方数や立方数、素数や完全数、などです。これらの数の間にはいろいろな不思議な関係が見つかりました。また一つ一つの数には固有の意味があり、神秘的な魔力があると考えていました。 このマガジンではピタゴラス学派が大切にしていた「完全数」や、「プラトンの立体」と呼ばれる正多面体など『古代ギリシアの数学』に関するお話を紹介します。

    • 数学で頭の体操 数学小話

      スキマ時間の頭の体操に、数学小話はいかがですか? 簡単なゲームや数学にまつわる短いお話を紹介します。「2進数」や「背理法」のように「なんとなく聞いたことはあるけれど、どういうものだったかな?」と思われがちな数学の用語や概念についても取り上げていきます。

    • 古代エジプトの数学を学ぶ

      古代エジプトにはピラミッドをはじめ多くの巨石建造物や彫像が残されています。また世界最古の文字の一つである神聖文字(ヒエログリフ)があり、高い文明を誇っていたことがわかります。最近になって、エジプト数学が見直されるようになり、ギリシアやローマの数学、ひいてはヨーロッパの数学に少なからぬ影響を及ぼしているのではないかと思われるようになりました。古代エジプトの人々は数をどのように扱っていたのでしょうか。このマガジンを読んで古代エジプトの数学の秘密を探ってみませんか?

    • 古代の天文学

      古代の人々は天体を観察し、太陽の運行がいろいろな自然現象と因果関係があることに気づいていました。これこそが天文学の始まりであり、科学の始まりでもあります。また、古代においては天空に輝く星々や月は暦であり時計でした。曜日の順序や星座など、現在私たちの身近にあるものも、その源流は古代バビロニアの天文学にあるのかもしれません。

    最近の記事

    リンド・パピルスの問題がマザー・グースに隠れている!? 〜エジプト算法〜 

    〔 古代エジプトの数学書「リンド・パピルス」の問題を解く〕では、古代エジプトの数学書リンド・パピルスに書かれた表を使って、古代エジプトの人々がどのような方法で計算をしていたのかを考えました。リンド・パピルスに書かれていた問題は、次のような表でした。 上の表は次のように解釈することができます。 この問題にとてもよく似た問題が、中世ヨーロッパの文書にも書かれているのです。  古代エジプトでリンド・パピルスが書かれた時代から2千5百年以上後の中世のヨーロッパに時代を移しましょ

      • ”長さ”とは何か?地球の周長とエラトステネスの伝承

        現在私たちは長さの単位としてメートルを使用しています。「 1メートル 」と言えば日本だけでなく外国に行っても同じ長さを表すことができるので、「メートルという単位は絶対的なものである」という感覚があるかもしれません。当たり前すぎて「長さとは何か?」と改めて考えることもないと思います。今回は、昔の人達は長さをどのように扱っていたのかを調べてみました。 古代の単位系とメートル法古代では多くの地域で体の部分を基準とした身体尺が使われていました。例えば古代エジプトの長さは、腕尺(キュ

        • アルキメデスと円周率〜古代ギリシアの数学者はどのようにして22/7を導き出したのか〜

          今回は数学史において最も有名な人物の一人、古代ギリシアのアルキメデスのお話です。「アルキメデスの原理」や映画のタイトルなどで一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。アルキメデスは、浮力の研究や兵器の開発など、科学の様々な分野においてたくさんの業績を残しました。数学の分野でも、球の表面積や球の体積、放物線の面積など数多くの成果を残しています。その中でも円周率に関する研究は広く知られています。 円周率、覚えていますか?まずは円周率について簡単に復習しましょう。円周の長さと

          • 1ヶ月の定義 : 恒星月とは? 月の公転、地球の公転を考えよう

            朔望月と恒星月 日ごとに姿を変える月は、日時の経過を知らせてくれる暦として古代から親しまれてきました。地球は太陽のまわりを公転し、月は地球のまわりを公転しています。今回のお話では月と地球の動きについて、もう少し詳しく見てみましょう。  1ヵ月の定義としては、〔月〕のお話で、1朔望月を「満月から次の満月までの時間」と定義しました。これまで使ってきた概念を使うと、1朔望月は「1太陽月」と呼ぶことができます。正確な値として現在では次が分かっています。 “恒星年”、“恒星日”と同様

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            歳差運動:動かない星、北極星は古代では別の星だった!?

            1太陽年と1恒星年の差を調べてみよう 〔 1日の定義と1年の定義 〕では、地球が太陽のまわりを360°回る時間(1恒星年)と、夏至点から次の夏至点までの時間(1太陽年)とには少し差があるというお話をしました。どうしてこの差が出てくるのでしょう。今回は地球の動きをもう少し詳しく見てみましょう。 図1 を見てください。 地軸は公転面に対して τ= 23.4 度傾いています。A の夏至の日から出発し、次の夏至の日はB です。一周までは少し足りません。∠ASB を計算してみましょう

            1日の定義と1年の定義

             暦(カレンダー)は私たちが生活する上でなくてはならないものです。皆さんは1年の定義や1日の定義について考えたことがありますか?「1年は365日、1日は24時間に決まっているでしょう?」と思われるかもしれません。「地球が約365日かけて太陽の周りを一周するから1年は約365日」と答えられる方も多いと思います。私たちは時計やカレンダーのある生活が当たり前になっているので「時間の定義とは?」などと考えること機会はあまりないと思います。今回は1日や1年はどのように定義されているのか

            月 〜古代人の暦、月の満ち欠けの不思議を探る〜

            月が形を変えるのはなぜか? 月は古代から太陽と共に人びとに親しまれてきました。世界中いたるところで神話の中に月の神が現れます。灼熱の太陽はたびたび日照りを起こし荒々しい男神であることが多いのに対し、夜の闇をやさしく照らす月は女神のことが多いようです。また月は日ごとにその姿を変え、日時の経過を知らせてくれます。古代人にとって月はかっこうの暦だったのです。 新月を朔(さく)といい満月を望(ぼう)といいます。1朔望月とは朔から朔までの時間のことで、1朔望月 = 29.53 日です

            星の座標:赤緯と赤経 〜天球上の星と地球の関係〜

            占星術にも使われる黄道十二宮 古代バビロニアの人々にとって、夜空にまたたく星々は時計であり暦(こよみ)でした。しかし、天球には星以外になんの目印もありません。そこで星々をグループに分け、グループの形状から星座というものを考え出しました。さらに黄道を12に分けてそれぞれに星座を割り当てました。これを黄道十二宮といいます。この12の星座のうち8つまでが動物の名前がついているので、黄道の沿った南北に8度~9度の部分を獣帯(じゅうたい)といいます。日の出前に東の空に輝いていた星座は、

            緯度による違い 〜夏はなぜ暑いのか?〜

            傾斜角、観測点の緯度を図で確認しよう 太古の昔から、人びとは気候が太陽に大きく関係していることを知っていました。北へ行けば行くほど、太陽の高度は低く気候は寒くなります。古代エジプトのファラオは、南へ行けば太陽が真上に来ることを、さらに南へ行くと太陽は北の空を通ることを知っていました。ここでは、緯度の違いによって、太陽の高度と動きがどのように変化するのかを見てみましょう。  図1-1 は〔太陽の日周運動〕で述べた日周運動の図を子午線で切断したものです。D は夏至のときの太陽、

            仮定のお話 〜 3人の賢者はなぜ自分の帽子の色がわかったのか? 〜

             「もし明日の天気が晴れだったら…」「もし3時間目の数学のテストがなくなったら…」私たちは普段の生活の中で「もし…だったら」と考えることがありますね。「もし…だったら」と仮定することは将棋や囲碁などのゲームや、探偵小説などでもよく行われていることです。今回は、“背理法”とか“帰謬法(きびゅうほう)”と呼ばれる、数学で最も基本的な推論方法についてご紹介します。ここでは「3人の賢者」のお話をしましょう。  ある国に賢者の誉れの高い哲学者が3人いました。王様はどのくらい賢いのか試

            【古代の天文学】太陽の日周運動〜太陽の一日の動きを考える〜

            前回までのお話  [ 太陽の通り道:黄道 ] のお話では、天球の動きを止めて太陽の1年の軌跡、黄道をたどりました。  この天文学シリーズでは、実際には目に見えない「球体」や「通り道」がたくさんでてきます。慣れないうちは直感的に理解しづらい部分があるかもしれませんが、頭の中に天球や黄道のイメージを作りながら読んでみてください。また、天文のお話ではいろいろな図を使って天体の説明をしています。目的に応じて視点や角度を変えて天体の位置関係などを表現していますので、少し復習しておきま

            【古代の天文学】太陽の通り道:黄道

            地球を固定して太陽の動きを考える 皆さんは夜空を見上げて星の動きを観察したことはありますか?夜空に輝くたくさんの星々は、プラネタリウムの天井に映しだされた星々のように見えます。古代の人々は、星々は天球に貼りつけられていると考えていました。では太陽についてはどのように考えていたのでしょうか。毎日太陽は天球と共に地球を一周します。これを日周運動といいます。さらに太陽は、1年をかけて天球の星々の間を旅すると考えてられていました。これを年周運動といいます。ここでは年周運動について見て

            【古代の天文学】天球モデル:天体の位置や動きを表す仮想的な球を考える

            「天球の外から天球を見る」とどのように見える?? 今回は前回のお話で述べた天球モデルをもう少し詳しく見てみましょう。図1 はこの天球を飛び出して、天球の外から天球を眺めていると考えてください。もちろん、現実には宇宙の外に飛び出すことなどできません。真ん中の小さな球が地球です。  天球にも地球と同じように、北極、南極、赤道、… などがあります。それぞれに“天の”という形容詞がつきます。地軸の延長と天球との交点が天の北極と天の南極です。この軸に垂直な、地球の中心を通る大円を天の

            【古代の天文学】地球と日周運動〜腕時計で方位を知る方法〜

            球を平面で切断すると? 古代の人々にとって、天体は暦でありまた正確な時計でもありました。1日は日の出とともに始まり、日の入りによって終わります。夜空の星々の動きを見れば、時が一刻一刻と正確に刻まれていると認識されるようになります。月の形の変化を見れば、1ヵ月の経過が分かります。月日の経過とともに季節が移り替わっていき、ふたたび同じ季節がおとずれます。古代の人々も天体を観察し、太陽の運行がいろいろな自然現象と因果関係があることに気づいていました。これこそ天文学の始まりであり、科

            【古代の天文学】 1週間はなぜ7日になったのか?

            週の起源を探る 週の起源はヨーロッパであるとか、キリスト教の『聖書』にあるとか、古代イスラエルにあるという意見をよく聞きます。また、週は純粋に文化的なもので、天文とは関係がないという意見もあります。ここではこれについて考えてみましょう。  前回のお話で、古代においては天空に輝く星が暦であり時計だったと言いましたが、古代の人にとって月も暦の一つでした。新月から次の新月までを1ヵ月とすると、1年は約12ヵ月となります。月は、新月、上弦、満月、下弦とその形を変えます。 新月から次

            【古代の天文学】 科学のはじまり〜天文学の源流!?バビロニア文明を探る〜

            自然科学のはじまり 天文学も数学と同様、ギリシアが源流とされています。しかし、どんな文明もそれ以前の文明の影響を受けて発展するものです。最近では、ギリシアの天文学も多くをバビロニアの天文学に負っていることが分かってきました。もちろん、現代の数学はギリシア数学に多くを負っていますが、エジプトやバビロニアの影響も多いようです。ここでは古代のメソポタニアやエジプトで発達した天文学について見てみましょう。  古代メソポタミアの文明はバビロンという都市を中心に栄えたので、そこで行われ