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数学で頭の体操 数学小話

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スキマ時間の頭の体操に、数学小話はいかがですか? 簡単なゲームや数学にまつわる短いお話を紹介します。「2進数」や「背理法」のように「なんとなく聞いたことはあるけれど、どういうもの… もっと読む
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”長さ”とは何か?地球の周長とエラトステネスの伝承

現在私たちは長さの単位としてメートルを使用しています。「 1メートル 」と言えば日本だけでなく外国に行っても同じ長さを表すことができるので、「メートルという単位は絶対的なものである」という感覚があるかもしれません。当たり前すぎて「長さとは何か?」と改めて考えることもないと思います。今回は、昔の人達は長さをどのように扱っていたのかを調べてみました。 古代の単位系とメートル法古代では多くの地域で体の部分を基準とした身体尺が使われていました。例えば古代エジプトの長さは、腕尺(キュ

アルキメデスと円周率〜古代ギリシアの数学者はどのようにして22/7を導き出したのか〜

今回は数学史において最も有名な人物の一人、古代ギリシアのアルキメデスのお話です。「アルキメデスの原理」や映画のタイトルなどで一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。アルキメデスは、浮力の研究や兵器の開発など、科学の様々な分野においてたくさんの業績を残しました。数学の分野でも、球の表面積や球の体積、放物線の面積など数多くの成果を残しています。その中でも円周率に関する研究は広く知られています。 円周率、覚えていますか?まずは円周率について簡単に復習しましょう。円周の長さと

仮定のお話 〜 3人の賢者はなぜ自分の帽子の色がわかったのか? 〜

 「もし明日の天気が晴れだったら…」「もし3時間目の数学のテストがなくなったら…」私たちは普段の生活の中で「もし…だったら」と考えることがありますね。「もし…だったら」と仮定することは将棋や囲碁などのゲームや、探偵小説などでもよく行われていることです。今回は、“背理法”とか“帰謬法(きびゅうほう)”と呼ばれる、数学で最も基本的な推論方法についてご紹介します。ここでは「3人の賢者」のお話をしましょう。  ある国に賢者の誉れの高い哲学者が3人いました。王様はどのくらい賢いのか試

10進数と2進数…数をどのように表現するか?2進小数について考える

はじめに 私たちは10進法で表記された数に囲まれて生活しているので、「2進数」と聞くとなんだか難しいな…と感じる方も多いのではないでしょうか。『2進数は神の数?』では、自然数の2進数について勉強しましたので、今回は小数について見てみましょう。実は古代エジプトでは、すでに2進小数に対応する概念を持っていたようです。もちろん現在の2進小数とまったく同じとまでは言えませんけれど。 「箱」でイメージしてみる 数という概念は簡単なようでとても難しいものです。まず10進数や2進数などの

コンピュータにも解けない問題がある?

 「クレタ人はウソつきか」のお話で、「コンピュータにも解けない問題がある」というお話をしました。現在は身のまわりにコンピュータがあふれているので、このようなことを言われても「そりゃあそうでしょう」くらいにしか思わないかもしれません。ここでは、もう少し具体的な問題で、コンピュータでも解けない問題にどのようなものがあるかを見てみましょう。 ジグソーパズルで遊んでみよう 皆さんはジグソーパズルをご存知だと思います。現在ではジグソーパズルを解くコンピュータが作られていますが、そこで

石取りゲーム必勝法 -PART3- 三山崩しにチャレンジ

石取りゲームは、最初に用意した石を決められたルールにしたがって取っていき、 勝ち負けを決めるゲームです。最初に用意する石の数や石の取り方を変えることで、いろいろな遊び方を楽しむことができます。今回は三山崩しというゲームにチャレンジしてみましょう。  三山崩しは昔からある有名なゲームです。石の山を3つ用意します。石は1つの山からしか取れません。取ることのできる石の数は1個以上無制限です。このゲームも、石を最後に取った方を勝ちとする「最後が勝ちゲーム」と最後に取った方を負けとする

石取りゲーム必勝法 -PART2- ルールを変えて遊んでみよう

「石取りゲーム」のルールを少し変えて遊んでみましょう。基本的なゲームの進め方は前回と同じです。今回は取ることのできる石の数を変えてみます。 取ることができる石は、1個以上、全体の石の数の半分以下とします。例えば石の数が7個の場合、取ることができる石は1個から3個までです。最後に石を取った人が勝ちとする「最後が勝ちゲーム」としましょう。 石が2個になった状態で自分の番がまわってきたら、石を1個取って勝ちとなります(最後に石を1個残した状態でゲーム終了です)。 今回は15個の

石取りゲーム必勝法!絶対に勝てる戦略を考よう

 石やコインを使って簡単にできるゲームをやってみましょう。石をいくつか用意します。プレーヤー2人で交互に石をとっていき、最後に石をとった方が負けです。とることのできる石は1個以上5個以下とします。 ラッセル博士と助手のレオ君の対戦の様子を見てみましょう。今回は20個の石を用意しました。先手はラッセル博士です。 ラッセル博士は石を1個とりました。みなさんが後手ならいくつ石をとりますか?レオ君は3個とったようです。 プレーヤーは交互に石をとっていきます。最後に石をとった方が