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最近読んだ本 | もじもじもじ鉄

タイポグラフィの再理解のため読んだ「もじもじもじ鉄」で
学んだことをアウトプットすることにしました。

「もじ鉄」とは、駅の看板(駅名標)や車両の標記など、鉄道にまつわる書体やデザインを考察、愛でる趣味。
「もじ鉄」の提唱者である著者が、駅のサインができるまでを鉄道会社さんやデザイナーさんといった“中の人"に聞いてみました。
普段見ているサインは、なぜこの書体で、なぜこのデザインなのか? 目からウロコの話が盛りだくさん!
貴重な駅名標設計図面、路線図制作資料に全国の駅名標も多数掲載しています。

https://amzn.to/3oPPQEn

このnoteでは、自分の中でふわっと理解しているタイポグラフィ知識を深めるため、本書の頻出語句や書体について改めて意味を調べるなどして、まとめています。

タイポグラフィ 用語

写植書体

DTPが普及する以前の写植が行われていた時代に提供されていた、写植機用の書体のこと。

写植:「写真植字」の略。写真の原理を用いて印字する方法のこと

DTP:「Desktop Publishing(デスクトップ パブリッシング)」の略。
パソコン上で印刷物のデータを制作すること

以前は駅看板でも写植書体が多く見られていたようだが、DTP化の背景もありリニューアルされる駅看板ではDTP対応の新ゴなどに置き換わっている模様。


コンデンスド書体

通常形のフォントファミリーよりも横幅を狭くデザインした書体のこと。
長体をかけた書体とは違い、横幅が狭くても視認性/可読性が損なわれないように作られている

長い駅名の標識など、文字エリアのスペースが限られる場合に活用される


正体と長体

正体…縦横の比率を変えていない、デフォルトの比率の文字のこと
長体…横幅を狭く変形した縦長の文字のこと

漢字の正体
形に凹凸があるため、大きさのばらつきが目立つ
→平体にすることで、縦のエレメントは太く、横は細く均一なバランスに近づける

欧文
平体にするとプロポーションが崩れるため、正体のまま使用するのがベター


看板によく使用される書体

Frutiger

・空港の案内標識のために作られた書体
・遠くからの視認性に長ける
・空港や駅の案内標識や印刷でも多く使用されている

DIN

・ドイツ発祥の工業用に作られた書体
・ドイツ工業規格(Deutsches Institut für Normung)」の略称
・ドイツの道路標識や、ユニクロロゴのベースになっている書体

Lucida Sans

低解像度や小さなサイズでも視認性の高さと見やすさを目的としている書体
'lucid' (明瞭な、わかりやすい)

https://ja.wikipedia.org/wiki/Lucida

Myriad(ミリアド)

Apple(2002-2017)、Adobeのコーポレートフォントとしても使用されている
Frutigerの模倣フォントの1つとされ、視認性と可読性に優れている

ヒラギノ

・大日本スクリーン製造が販売開始した書体
・カタログやビジュアル雑誌向けに適した本文書体を目的として作成されている
・書体名「ヒラギノ」は、京都の地名柊野に由来

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%A9%E3%82%AE%E3%83%8E


書体選び

駅の案内標識は公共的なものなので、UD書体や新ゴといった可読性/視認性の高い書体が採用されている。
英文書体も同じく、上記を意識した書体選びがなされている
地方の鉄道など、地域のイメージに沿ってデザイン性のある書体が選ばれていることもある。筑紫系やフォークetc.
また柔らかい印象にしたい場合は丸ゴが使われていた
和文フォント、英文フォントの相性を考え、同じデザイナー作の書体を採用する考え方もあった


字詰め と ウェイト

黒字の白抜き文字は膨張して見えるため、ウェイトが大きく見える
また自分の推測だけど、漢字は字面が大きいので漢字が多いテキストだとよけい膨張してみえてしまいそうな気がした
(文章の長さや情報量によって)字間を広くとると、情報が中心に集まりすぎず、可読性が向上する

料金表など、細かな数字も見栄えよくカーニング されている

文字詰めの手法

●3文字字詰めルール
3文字ずつ見ながら調整を行う手法

●声に出しリズムで整える
声に出したときの間など、読ませたいリズムで整える



参考サイト

情報を深掘りするためにお世話になったサイト。


おまけ
私は全く鉄道に関する知識はないのだけど、「相模鉄道」がすごくかっこよかったので…
注意喚起ステッカーまでデザインが美しい…


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