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cos DERTAオンラインハンドブックについて【制作の経緯・過程・制作後の感想】

こんにちは!DERTAの齋藤華(オハナ)です🌼
DERTAが運営する新潟ゆかりのクリエイターコミュニティ「cos DERTA(コサインデルタ)」のコミュニティマネージャーとして、メンバーと交流したり、コミュニティ内の交流が盛んになるようなイベントや企画を考えたりしています。

コミュニティの現場に立つものとして、これから美智子さんとともに、実践編のnoteを書いていきたいと思います。

実践編第一弾のnoteはこちら。DERTAがコミュニティの定義を始めた経緯や、定義を進めるにあたって参考にした「コミュニティ・キャンバス」という手法について、美智子さんが説明してくださっています。

今回の記事では、「コミュニティ・キャンバス」を参考にコミュニティのビジョンや楽しみ方などをまとめた「cos DERTA オンライン・ハンドブック」について解説していきたいと思います。


オンライン・ハンドブックが作られる以前のcos DERTAコミュニティについて

「cos DERTA オンライン・ハンドブック」は私と美智子さんを中心に作成し、2023年1月にリリースしました。しかし実は、cos DERTAコミュニティの活動基盤であるSlackコミュニティができたのは2022年6月ごろ。オンライン・ハンドブック作成の背景には、コミュニティの変容が大きく関わっています。記録のためにも「オンライン・ハンドブックが作られる以前のcos DERTAコミュニティ」について、少し説明します。


一度関わったクリエイターとの繋がりを絶やさない。Slackコミュニティを作成。

実践編第一弾のnoteにもありましたが、株式会社DERTAはもともと、新潟のデザイナーやディレクターの勉強会コミュニティから派生してできた会社です。当時からのメンバーは、活動の中で「コミュニティ」に大きな可能性を感じ、クリエイター同士を繋げるコミュニティを作ることでさまざまなアイデアが形になれば、新潟をもっと盛り上げることができるのではないかと考えました。そこで、会社を創るにあたり「新潟のクリエイターのコミュニティ運営」を事業の核とすることを定めました。

そのため、一度繋がったクリエイターさんとは、その場限りの関係ではなく、一緒に新潟を盛り上げる仲間として末長くつながっていたいと考えていました。そこで、勉強会コミュニティのときから関わっている方々や創業してからのお仕事で関わった方々、イベントにご参加いただいた方々などには、DERTAが管理するcos DERTA Slackのワークスペースへの参加をお願いし、cos DERTAコミュニティのメンバーとさせていただきました。これが、cos DERTAコミュニティの原点です。

当時のSlackには、自己紹介チャンネルやクリエイターが興味のありそうなテーマのオープンチャンネルを数種類作成し、チャンネルのテーマに沿った情報があれば自由に投稿していただく決まりに。また、DERTAとプロジェクトを進めている方々とはプロジェクトごとにプライベートチャンネルを作成し、その中でも随時コミュニケーションを取っていました。

Slack開設の前にどんなチャンネルを作るかも美智子さんと話し合って決めました

当時のcos DERTAコミュニティにおいて、メンバーとの交流の中で「こんなことやりたい!」というお声をいただいたり、ご相談から実際にプロジェクトが生まれた例もあります。改めてコミュニティの力を実感し、cos DERTAを活性化させたいと熱が高まる出来事となりました。

大成功をおさめたこちらのクラファンも、cos DERTAから生まれたプロジェクトです
参考:【新潟豪雨復興支援】新潟村上の天然山菜をもう一度届けたい!(いろむすび山菜屋)

ただ、メンバーの皆さんも日々の仕事がある中で、オフラインで交流ができる時間は限られます。そこで私たちは、オンラインでの交流をより盛んにしたいと考えました。そのような流れから、イベントやプロジェクトを通してDERTAと関わった方々は、どんどんSlackにご参加いただくよう、一度繋がったクリエイターさんにはなるべくご案内をお送りしておりました。


メンバーが活動しやすいコミュニティにするために。

さまざまなクリエイターにSlackにご参加いただいたことで「Slackでの活動がアクティブなメンバー」が一定数生まれたcos DERTAコミュニティ。一方で、ご参加いただいたものの、「Slackでの活動がアクティブでないメンバー」も増えていきました。

その理由はさまざまで、このSlackコミュニティが何を望んでいるか分からないため動けない、投稿内容に自信がないため投稿ができない、そもそもSlackをあまり見ない...などがありました。また、アクティブなメンバーも、「やりたいことはあるけれど、cos DERTA内でどのように活動をすればいいのか」「自分の立ち位置は?」などの疑問も生まれ始めていました。

その意見を受けDERTAは、今いるメンバーが活動しやすく、より交流が生まれるコミュニティにするために、今一度コミュニティの設計を定義しメンバーにお伝えする必要があると気づきます。

そこで出てきたのが、美智子さんが探し出してくださった「コミュニティ・キャンバス」です。

そこに記載のある「コミュニティ形成において考えるべき項目」を、美智子さんとともにすぐに実行した方が良いこと、まだ考えられていないこと、更に深堀りが必要なこと、とアクションプランに落とし込んでいきました。その中で、すぐに実行した方が良いこととして一番に声が上がったのが「オンボーディング」。

交流を求めSlackに入ってくれるクリエイターさんが日々増加する中で、「コミュニティの概要が分からないため活動できない」というメンバーはもう増やしたくない。今後も定義を進める中で内容は変わるかもしれないけれど、まずはオンボーディングに使用できる「コミュニティの概要」をまとめた資料を作成する必要があると感じました。

ということで、コミュニティ・キャンバスを使っての最初のアクションプランは、今いるメンバーや新しく参加するメンバーに現在のコミュニティの概要をお伝えするための「cos DERTA オンライン・ハンドブック」の作成に決定しました!


cos DERTA オンライン・ハンドブックについて


コミュニティ・キャンバス「オンボーディング」の内容を元に作成

「cos DERTA オンライン・ハンドブック」を作成するにあたって参考にした、コミュニティ・キャンバス「オンボーディング」の項目にある説明は下記です。

参考:コミュニティ・キャンバス

【訳】
オンボーディング: 成功しているコミュニティは、単に選択するだけでなく、新しいメンバーを慎重にオンボーディングする方法について意図的であることがわかりました。 強力なオンボーディング プロセスには、次の要素が含まれます。
→ この新しい環境で新しい人を歓迎し、安心させる。
→ コミュニティの核となる信念、目的、規則、ガイドラインを積極的に理解させる。
→彼らに期待されるコミットメントを明確にする。
→ コミュニティを最大限に活用する方法を彼らに示す。
→ 正しい道を歩むための明確な最初の数ステップに彼らを導きます。
→グループ内で最初のつながりを作るのを助ける。

オンボーディングは、可能な限り個人的なものである場合に最も効果的であることがわかっています。標準化された電子メールよりも、新しいメンバーとの電話または直接会う方が望ましいです。

成長:
驚くほど多くのコミュニティが、成長と会員基盤の継続的な更新について意識的な計画を持っていません。 コミュニティが成長が重要であると考えている場合、それを達成するためにどのような手段を講じていますか?

潜在的なメンバーの特定
→ インバウンド識別: 潜在的なメンバーは自己識別し、コミュニティとそのメンバーシップを積極的に探します。
→ アウトバウンド識別: コミュニティまたはその管理機関は、潜在的なメンバーを識別します。 これは、中央で (例: 研究を通じて) 行うことも、分散的に (既存のメンバーまたはその一部に招待状を配布したり、紹介をさせたりすることによって) 行うこともできます。

ここに記載のある内容を明確にすることを目的に、「cos DERTA オンライン・ハンドブック」に掲載すべき項目を定めました。(コミュニティの特性に合わせて、それ以外に掲載したいと思った項目も追記しました。)

その項目が下記です。

🤔 cos DERTA概要
・cos DERTAコミュニティとは
・cos DERTAのビジョン
・cos DERTAの組織体制
・cos DERTAメンバーに求めること
・cos DERTAコミュニティマネージャー
・cos DERTAプライバシーポリシー

🚪 cos DERTAへの入会について
・cos DERTAへの参加条件、参加方法
・cos DERTA のルール
・cos DERTAの楽しみ方
・cos DERTAで使うツール
・cos DERTAの退会方法

🙋‍♀️ cos DERTAで困ったときは
・Q&A
・お問い合わせ

項目ごとの内容については、美智子さんとともに認識をすり合わせながら決めていきました。

完成した「cos DERTA オンライン・ハンドブック」はこちらです。

コミュニティの活動において、何か困ったことがあったらこちらのハンドブックを見れば大抵のことは解決できるよう、提示すべき事柄は網羅しているつもりです。ただ、少し精査が必要な内容や、そもそも記載した活動自体の充実も求められると思っています。こちらはあくまで第1版と思っておりますので、活動の中でメンバーから疑問や提案をいただいたら反映し、より良いハンドブックにアップデートしていく予定です。


作成の際に意識したこと

具体的に文章を作成する際、意識したことは下記です。

  • 画像や絵文字を多く使ったり、文字の色を変えたりして、ハンドブックからもコミュニティの楽しそうな雰囲気が伝わるようにした

  • Notionの機能はなるべく使って、見やすい画面になるよう工夫した

  • 堅苦しい説明書・ルールブックのようにしたくなかったため、親しみやすい言葉づかいを意識した

今回は、cos DERTAコミュニティが「クリエイターが交流するためのコミュニティ」であるため、SaaSツールであるNotionを使用し、コミュニティのカラーが伝わるように親しみやすい内容を意識しました。ですが、コミュニティの特性やターゲット、目指す規模感によってオンボーディングのために使うツールや内容は変わるのかなと思います。あくまで一例として参考にしていただけたら幸いです。


cos DERTA オンライン・ハンドブックを作成してみて

このオンライン・ハンドブックを作成してみて、運営者の私も、「作ってよかったなあ〜」と強く感じていますので、その感想を少しお話しします。

ハンドブックを作成して一番良かったことは、コミュニティの定義を定めたことで、コミュニティマネージャーとしての自分の活動が明確化し、活動自体に自信を持てるようになったことです。コミュニティの定義が曖昧だったときは活動内容が不明瞭でタスクをうまく把握できず、思うように動けない自分に自信をなくしていました。しかし、「オンライン・ハンドブック」を作ったことで、コミュニティとしての活動内容も明確に、また不完全な部分も認識でき、アクションも起こしやすくなりました。加えて、コミュニティのに関する情報が1箇所にまとまっているので、メンバーからの質問にもすぐ答えられる安心感があります。「オンライン・ハンドブック」があることで、コミュニティマネージャーとして活動するにあたって、気持ちの面で変化があるとは少し驚きでした。まだ内容は不十分だと思いますが、作成できて本当に良かったなと思っています。

以上、cos DERTA オンライン・ハンドブックについての解説でした。次回のnoteについても、コミュニティ運営の現場で起こっていることについて記載できればと思っております。楽しみにしていてください!以上、オハナでした🌼

本記事の執筆者

齋藤華/ @hana_withup
新潟県立大学を卒業後、地元印刷会社に3年間勤務。同社にて新潟をもっと楽しむライフスタイルメディア「セナポン」を立ち上げ、運営リーダーとして約2年間サイト運営、記事の執筆・編集業務に従事。退社した現在も外部編集者として携わる。2022年5月、株式会社DERTAにジョイン。