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インターネットがなかった時代から、情報を自分で取りにいく時代へ

 医療機関の広告の歴史について少し触れておきたいと思います。かつて医療機関は、積極的に広告を出すということをしていませんでした。しかし一昔前であれば、それでも通用していました。まだインターネットが普及していない時代のことです。
 では、医療機関において広告はどのように変遷しているのでしょうか。私が会社を立ち上げた2006年頃では、医療機関の広告は、タウンページや電柱広告、折り込みチラシ、駅広告、中づり広告、バス広告などでした。またインターネットの広告はⅰタウンページや医療機関のポータルサイトが主流であり、それで十分でした。
 当時は「Webサイトを作りませんか?」と医療機関に持ちかけても、「タウンページがあるからいい」と断られ続けました。ただ、タウンページに医療機関が情報を載せるといってもその内容は簡素なもので、名前や住所、電話番号や営業時間などの必要な情報だけを羅列するように掲載するだけです。今でいうWebサイトとは少しイメージが異なるかもしれません。
 インターネットが普及し始めてはいましたが、それでもガラケーでⅰタウンページを検索するような時代でした。医療機関では、Webサイトを作って病院の認知度を高めることの意義がまだ確立されていなかったのです。
 

 しかし2020年現在では、インターネットがなければ仕事もプライベートも成り立たないほど当たり前のものになりました。特に2008年頃からのスマートフォンの登場はインターネットの普及に拍車をかけ、2013年頃からホームページの制作技術として、PC、タブレット、スマートフォンに対応できるレスポンシブ技術が一般的になっていきます。それにより、医療機関を取り巻く環境は激変していきます。

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 かつてインターネットが普及していない時代には、「医療機関を探す」という認識はあまり日常的ではありませんでした。「風邪を引いたらあそこの角を曲がったところの内科、怪我をしたらこっちの外科」というふうに、家族や親戚、近所の友人たちからの口コミで通う病院がすでに決まっていたのではないでしょうか。今のようにセカンドオピニオンを受けることも普通ではない時代ですし、「自分にとってよりよい治療をしてくれる病院を探す」という発想も当たり前ではありませんでした。
 ところがインターネットが普及し始めてからは、患者さんに「検索」という行動が加わりました。医療機関に限らず、人は何か知りたいことがあればインターネットで検索して調べるようになっていきます。

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 美味しい料理が食べたければ、地域で評判のよいお店を探します。面白そうな本が読みたければ、インターネットで人気の本が見つかります。かつては家族や友人、取引先の人など、実際に会うことができる人からの口コミによってそういったお店や商品を見つけていたものが、インターネットの普及によって大きく動きが変わっていったのです。
 ガラケーの時代は画面が見にくかったり通信料が高額だったりして使い勝手が悪かったため、まだまだインターネットを使うのはパソコンが主流でした。ところがスマートフォンが広まってからは、人はどこにいてもインターネットを使えるようになりました。そうすると、どこにいても何をしていても、「これが知りたい」と思った情報にすぐにアクセスできるようになったのです。
 インターネットの普及により、「検索」という行動が加わったことで、情報がダイレクトに個人に繋がるようになりました。このことで医療機関にも変化が起こります。人々が自分に合った治療を受けられる病院を自主的に探すようになったことにより、診療圏が拡大したのです。

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