感慨の日
3月末の今日、朝からキョロキョロ見渡す人と別れの挨拶がそこらじゅうから聞こえる。
どうやら、転居を伴う人の多くが異動前の最終出勤日のようだ。
自分のことじゃないと何とも呑気な3月末を迎えられる。僕の上司の課長も異動のため、昼過ぎには段ボールを組み立てて、身辺整理をしていた。
その顔は清々しくもあり、業務をキレイに片付けたんだろう。
その課長とは丸3年間、上司部下の関係でやってきたのだが、思い返せばそんな余裕のある時間は珍しい。段ボールに物を詰めるあいだ、他愛もない会話をして、十分に取れなかったコミュニケーションを駆け込んでいるようである。
場所が変わっても同じ会社内なので特に思い馳せるモードではなかったのだが、そんな課長と最後の会話。
「勉強させてもらいました」と課長からの一言。
予想してなく急に感慨深くなった。
お世話になったことや、放置されていたようで寂しさがあったことも任せてもらっていたこと。
同じ時間を過ごすことでその人と僕の中に意味が生まれていた。またどこかで一緒に仕事したい人がまた一人増えた。
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