見出し画像

歯学部と受験方法の選択

これは都内の私立大学歯学部に現役で進学し、修学年限(6年)で卒業した個人の経験に基づく回想である。
※最新の情報(入試情報など)は自身で調べていただくことを勧める。

27大学29学部の歯学部

全国には歯学部をもつ大学は27ある。しかし歯学部は全国に29ある。
これは同一の大学に2つ歯学部をもつケースが存在するためである。私立大学のうち、日本大学と日本歯科大学がそれぞれ2つの歯学部をもつ。

画像1

急激に増加した歯学部

以前の記事で「歯科医は過剰」と昨今言われいていることに触れたが、1965〜1975年においては、現在とは逆の歯科医師不足が叫ばれていた。そういった社会情勢から、歯学部の新設が急激に増加し、1960年に7大学7学部の歯学部は1979年には現在の27大学29学部へと実に4倍に増加したのであった。

画像2

大学入学試験の多様性

大学入学試験には一般、推薦、大学独自の方法が存在する。
一般入試として、一般選抜大学入学共通テスト利用が、推薦入試として、学校推薦型選抜(公募・指定校)が、大学独自の方法として、同窓生の子女を対象とした入試などがある。
例えば日本大学歯学部の入学試験(令和4年度)は以下の図のような種類があり、

画像3

一般入試では、一般選抜(上図:A個別方式)や大学入学共通テスト利用(上図:C共通テスト利用方式)のほかに全学部統一入試を行う(上図:N全学統一方式)がある。
推薦入試は特筆するべきことはないが、日本大学は附属高校が全国にあり、附属特別選抜や基礎学力選抜という枠で内部進学することが可能である。
その他に同窓生を対象とした校友子女選抜や他学部からの転部試験、編入学試験などがある。

大学を選ぶ基準

一般的に大学の選択基準には様々な要素(偏差値や立地、キャンパスの綺麗さ、研究室、就職率、就職先など)があるだろう。
歯学部の特殊性として歯科医師は国家資格であるという点が挙げられる。そこで、選択基準として【歯科医師国家試験合格率】を付け足してほしい。
歯科医師国家試験合格率は、歯科医師国家試験の合格発表と同時に厚生労働省が出すプレスリリースで確認することができる。
この合格率をどのように解釈するか、分析するのかについては、今後の note で紹介したい。

以下に示すのは、第105回〜第114回歯科医師国家試験の合格率推移と国公立大学の新卒合格率、私立大学の新卒合格率である。

第105回〜第114回歯科医師国家試験の合格率推移

画像4

第114回歯科医師国家試験における国公立大学の新卒合格率

画像5

第114回歯科医師国家試験における私立大学の新卒合格率

画像6

補足:合格率、新卒という言葉の定義

合格率とは
歯科医師国家試験を受験者に対する合格した者の割合である。
新卒とは
歯科医師国家試験を受ける年に大学を卒業した者である。
※留年や浪人の経験者であっても新卒という扱いになる。

進級や留年・浪人については、今後の note でその実態について紹介したい。

次回:歯学教育と学生生活

次の note では歯学部での教育と学生生活という、その環境に身を置かなければ想像することが難しいやや踏み込んだ内容を書いていこう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?