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思いつきの効用

思いつきで行動して降ってくるラッキーって、なんだかすごく嬉しい。
棚ぼた的な、思いもよらない幸運。

長年の友人とごはんを食べに行った後、「これからどこ行こうか?」となってゆっくりお茶できそうな場所をスマホで調べる。
「かき氷食べたいよね」
「ここは?」
「うーん、そのかき氷なんかやだなぁ……」
みたいな会話をだらだらしつつ、見つけたのは山の中にひっそり建っていそうな雰囲気のカフェ。
それいいね!となって車を走らせて向かった。

田んぼの間を通り、軽トラとすれ違って、多少がたついた道を進む。
お店を見つけられず、「この先山しかないよね……?」というところまで行って、え?それらしいの無かったよね?と言い合いながら引き返し、かろうじて小さな看板を見つける。

中に入るときれいに整えられたお庭と、山小屋のような大きなおうちがひっそりと緑に隠れるように建っていた。
入口を見て、ふたりともすっかり気に入ってしまった。
芝生がきれいに刈り揃えられ、人の手で植えられたと分かる、楓の木ともみじの木と。
石垣の隙間からは湧き水が流れていた。
その辺りだけ、アスファルトに囲まれた普段の生活圏とは2・3度気温が違うような。

お店の中はなんとこの暑い中、冷房が入っていなくて扇風機だけだったのだけれど、普段とは違う、自然の風がうっすら入ってくる。
もちろん冷房あるよりは暑いのだけれど、いつもと違う感じが不思議と少し心地よく感じられて。

おうちのまわりには池があって、小さい魚が泳いで、池の周りには赤とんぼがたくさん飛んでいた。
「もう少し涼しくなったら、また来ようね」
と言い合って、アイスとプリンと飲み物をそれぞれ食べて、お店を後にした。

結局、当初の目的であったかき氷にはありつけなかったのだけれど、それは帰る頃にはどうでも良くなっていて。
というか、そのお店に行こう!となった時点でどうでも良くなっていたのかもしれない。

「これが良い!」のこだわりを持つことももちろん大切だけれど、それを手放して、感覚で動いてみるのも良い。
その方が、思いがけないラッキーがあったりして。
そして、その偶発性を一緒に楽しんでくれる人がいるからこそ、さらにその時間が楽しくなる。

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