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ゴミにならないポイントカード

お店でお買い物をするとき、スタンプカードを作りますか?ポイントを貯めますか?

カードを持ち歩くことが嫌な人もいると思いますが、ポイントを集めるのが好きな人も多いですし、最近ではカードを持ち歩かなくても、スマホでポイントを貯めることができるものもあり、ポイントは暮らしの中に身近にあるものになりました。

ぼくらは、兵庫県豊岡市で日用品と雑貨を販売する店「伝所鳩」を営んでいるのですが、お店をオープンしてしばらくはポイントカードを設けていませんでした。理由としては、遠方のお客さまをターゲットに当初は考えており、そういった遠くの方はリピートがしにくいため、ポイントは必要ないだろうと考えていました。

でも、何度もお買い物をしに訪れてくれる地元のお客さまが意外にも多く、地元のよく来てくださるリピーターの方へ感謝の気持ちを込めて、なにかしらの特典が付けられないかと考え、スタンプカードを作ることにしました。

最終的にはゴミになってしまう

しかし、新たに物を作ればどうしてもゴミが生み出されてしまいます。スタンプカードもポイントを貯め終わった後のカードは、役目を終えてゴミになってしまうことがほとんどだと思います。

一枚は大したゴミにはならないのかもしれませんが、何十枚、何百枚ともなればそれなりのゴミになってしまうかもしれないですし、そもそもゴミを生み出す意識を変えたい。ポイントを集めている間は財布やカバンに入れておいてもらったのに、集め終えてしまうとゴミとして捨てられてしまうことにも、どこか寂しさのようなものを感じ、それならば捨てられる可能性が限りなく低くなるようなポイントカードを作ることにしました。

有料のポイントカード

まず、伝所鳩のポイントカードは、無料でお作りするのではなく、100円で販売をしています。つまり、ポイントを貯めていただくには、まずは100円をお支払いいただき、カードを買っていただく必要があります。これによって、とりあえず作っておくという意識は減り、大切にして保管してもらえるんじゃないかと考えました。

ただ、ポイントを集めるためにお金を払ってもらうというシステムは、どのくらいの方に理解をしてもらえ、そして買ってもらえるかには、正直不安もありました。しかし、2021年4月から始まったこのシステムは約半年間のうちに200人以上の方にご購入いただきました。ありがとうございます。

集め終わった後も役割を持つポイントカード

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伝所鳩のポイントカード最大特徴は、町の写真屋さんでプリントしてもらう写真(写真印画紙)の裏面をポイントカードにしているという点です。

写真の裏面がポイントカードになっていて、一枚の写真を半分に切った片方を一枚目としてお渡しさせていただき、まずは一枚目を貯めていただきます。半分に切ってあるので、この時点ではなにが写った写真か分からない状態です。

一枚目(片方)のポイントカードがいっぱいになると、一枚目のカードと引き換えにノベルティと交換、もしくは600円引きの特典を受けていただき、カードを一旦お店に預けていただきます。

代わりに、二枚目(もう片方)のポイントカードをお渡しさせていただくので、引き続きポイントを貯めていただき、こちらもいっぱいになると同様の特典を受けていただけます。

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そして、最初に集めていただいた1枚目と、2枚目の写真を合わせていただくと、ようやく1枚の写真になるので、伝所鳩の特製フォトフレームに写真をセットしてお渡しさせていただきます。

完成した写真は、伝所鳩のある豊岡市の風景をフォトグラファーである妻が撮影した写真になっています。カードとしての役割が終わった後は、お部屋や玄関に飾っていただけたら、新たな役割をポイントカードに与えてもらえるんじゃないかと考えています。

町の写真屋さんの写真を知ってもらいたい

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写真印画紙は、耐久性があり、破れやにじみも少ないので、普段から財布などに入れて持ち歩くポイントカードにも最適な素材だと考えました。

そして、写真印画紙を使ったのには、こんな理由もあります。フォトグラファーである妻は、写真に関わる仕事をしているので、伝所鳩にとって写真というのは大きな存在です。しかし、時代とともにデジタルがどんどん進み、写真を印刷するという機会はどんどん失われ、ぼくらでも以前ほど印刷をしなくなってしまいました。

伝所鳩のある町でも、町の写真屋さんが少なくなってしまっていますが、ポイントカードに写真印画紙を使うことで、町の写真屋さんに印刷をお願いすることができます。ポイントカードが売れれば、その分だけ町の写真屋さんに印刷を依頼でき、町の写真屋さんに貢献ができるようになっています。

また、写真を印刷しなくなったということは、写真を見るのはスマートフォンやパソコンだけになり、印刷された写真を手にする機会も減ってしまいました。写真の質感を感じたり、写真を飾るということもなくなってしまったので、デジタルに慣れている世代も、デジタル世代ではなかった方にも、改めて印刷された写真に触れていただき、もう一度写真の良さを再確認する機会になればと期待を込めています。

地元の仕事も知ってもらいたい

ポイントカードを二枚コンプリートしていただいた方にお渡しする、フォトフレームは、豊岡市内の額縁屋さんにオリジナルで作っていただきました。特注品ということもあり決して安いフレームではないので、ポイントカードをコンプリートしていただいた方が増えれば増えるほど、実は伝所鳩は赤字になってしまうのですが、これも地元の仕事を知っていただける機会になればと思い、大量生産の安価なものではなく、地元で作られたものを採用しました。

それでも、これまで200人以上の方にポイントカードを買っていただいたこと、少しずつコンプリートした方が現れはじめたこと、そしてお渡ししたみなさんにとても喜んでいただけていることで、赤字だとしてもやってよかったなと思います。

伝所鳩で何度もお買い物に来ていただけるようでしたら、ぜひポイントカード買っていただければ嬉しいです。

<日用品と雑貨の店 伝所鳩>
WEB:https://denshobato.tokyo/
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