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占いを信じますか? 私の体験談

 スピリチュアルな話ではありません。これは、私の体験談です。

 大学院生の時でした。研究室に新しい4年生数名が配属されました。そのうちの一人と雑談していた時でした。「先輩、占いに興味ありますか?」と後輩が私に聞いてきました。「占いには興味ないけど、どうしてそんなこと聞くの?」と言うと、「実は僕、結構占いに詳しいんですよ」と胡散臭いことを言ってきました。その後輩の話を聞くと、次のような数奇な運命で占いの方法を伝授されたとのことでした。

 とても大人しそうに見えるその後輩は、中学の時に超が付く不良で、自転車のチェーンを振り回して校舎のガラスを割っていたそうです。たぶん、補導されたりもしたのかなぁ。そんなわけで、中学卒業後は自動車整備工場で働き始めたそうです。その時の社長が占い好きの人だったそうで、断り切れずに仕方なく占ってもらったそうです。すると、その社長が占いの結果を後輩にこう言ったそうです。「お前は、こんな場所に居るような奴じゃない。もっと活躍できる場所があるはずだ」。その言葉を信じて一念発起した後輩は、1年遅れて地元の進学高に進み、その後、私が通う大学に入学してきました。この話の後になりますが、その後輩は大学卒業後は、某有名企業に就職しました。

 その後輩によると、この占いは三国志にでてくる諸葛孔明が考案した占いで、どこかの必殺拳法のように一子相伝だそうです。どうして中国の由緒正しい占いが、日本の田舎の社長に伝わったのか、経緯はいっさい不明です。これまでの話を聞いて、後輩の更生した話は真実としても、諸葛孔明あたりから胡散臭さがプンプンしてきました。後輩があまりにもしつこいので、占いに必要な生年月日(時間までわかると占い精度が上がるらしい)と、生まれた場所を渋々教えました。

 次の日に、後輩が占いの結果を持ってきましたが、なにやら浮かない顔をしています。「なるほど、あまりいい結果じゃなかったんだな」と覚悟しました。占いを信じていないとは言いながら、結果は気になります。勇気を出して、後輩に占いの結果を聞きました。すると後輩が申し訳なさそうに言いました。「僕の占いによると、先輩はすでに死んでいます」。”お前はもう、死んでいる!”という有名なセリフはありますが、自分がそうだったとは・・・。

 詳しく聞くと、こんな占い結果でした。占いによると、幼少期に最悪な運勢で、その頃に亡くなっていてもおかしくないそうです。その話を聞いて、幼少期に起こった3つの水難事件を思い出しました。1つ目は防火用水へ落ちて溺れそうになった事件、2つ目は井戸に落ちた事件、3つ目は海水浴で離岸流に流されそうになった事件です。もちろん、このブログを書いているのでまだ生きていますが、その時は死にかけました。この話をすると、後輩が納得したように言いました。「先輩、安心して下さい。その災難を乗り越えたのであれば、80歳辺りまで長生きするでしょう」。今のところ、大きな病気や怪我も無く、ノホホーンと生きています。

 この話は多少脚色していますが、ほとんど実際に起こった事です。あなたは、占いを信じますか?


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