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愛読書は『ジャポニカ 大日本百科事典 全18巻』(改)

 今でこそ、小説や実用書、学術書まで幅広く多くの本を読みますが、小中学校の頃は、教科書以外の本はほとんど読みませんでした。例外的に、百科事典は大好きで、調べたいことがあると良く利用していました。しかし、百科事典は内容が大人用に書いてあるため、小学生の頃は難しい漢字が読めないので、難しい漢字を飛ばして、内容を想像しながら読んでいました。

 昭和の高度経済成長の時代、大きな百科事典をリビングに並べて飾るのが、ステータスな時代がありました。私の実家も、その例に漏れず、月賦(げっぷ)、今で言うとローンで購入した百科事典を飾っていました。一冊一冊が重たく、小学生には文字通り、荷が重い本でした。しかし、内容は良くわからなくても、写真や図がきれいなので、何か気になることがあれば、この本を読んで知識を増やしていきました。”飾り目的で購入した”この本を利用したのは、家族の中で私だけだと思います。

 麻雀が気になった時には、ジャポニカで麻雀のルールを調べ、麻雀パイを画用紙で自作しました。しかし、牌の種類の多さに途中で挫折しました。中学校の自由研究でも、このジャポニカに助けられました。中1の夏休みが終わろうとしている8月後半でした。自由研究のテーマが見つからず、時間もないので、どうしようかとジャポニカを見ながら思案していると、自由研究にぴったりの項目を発見しました。

 その項目とは、ずばり『爬虫類』でした。爬虫類の分類は、大雑把に言うとヘビ、カメ、トカゲ、ワニの4種類なので、とてもまとめやすいのです。ジャポニカの内容を抜粋して、丁寧に絵を模写して、『爬虫類の研究』と題した5ページ程度の研究レポートを、何とか締め切りに間に合わせました。

 私としては、課題提出だけが目標でしたが、担任の先生が勝手に学内の自由研究コンテストに応募していました。しかも、その学内のコンテストで金賞を取ってしまいました。その時の金賞は、全校で2名で、もう一人の受賞作は手間暇かけて製作したであろう『手作りの城』とその歴史的な解説でした。やっつけ仕事で、しかもジャポニカのパクリで金賞を頂いてしまい、もう一人の受賞者に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

 大人の世界でも、盗作やパクリは横行しています。でも、「パクリはダメ。絶対!」。

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