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『カールじいさんの空飛ぶ家』で号泣

 子供とはちょくちょく一緒に映画に行きました。最初の頃は、ポケモン映画ばっかりでしたが、大画面で見る映画がだんだん好きになってからは、普通の映画も一緒に見るようになりました。『カールじいさんの空飛ぶ家』はCGアニメですが、暇つぶしに子供と見に行きました。

 若い頃は、テレビドラマや映画を見て泣くことは全くありませんでした。どんな感動シーンでも、「どうせお芝居でしょ」と冷めた目で見ていました。しかし、加齢とともに涙腺が緩くなり、些細なことでも気づけば目頭が熱くなっています。

 ”カールじいさん”はピクサーの長編映画で、テレビでしきりと宣伝されているし、面白そうなので”ストレス発散”するつもりで見に行きました。冒頭は静かな始まり方で、カールじいさんの亡き妻エリーとの思い出が、回想シーンとして出てきます。この回想シーンに、やられました

 回想シーンでは、子供時代のエリーとの出会い、エリーの夢だった南米奥地の秘境への冒険、結婚、そしてエリーの死が淡々と描かれています。これは、本編に入るための前振りですが、ここで号泣してしまいました。

 私の妻はまだ生きているし、カールじいさんの人生と重なる部分は全くありません。でも、涙があふれて止まりせんでした。隣に子供がいるので、泣いていることがばれないか、ヒヤヒヤでした。映画の冒頭5分で、大号泣でした。

 たぶん世代が違えば、まったく感動しないシーンだったかもしれません。実際、子供はつまらなそうにポカーンと見ているだけでした。どうして自分は号泣したんだろうと、自問自答しました。はっきりした理由は、自分でもよくわかりません。ひょっとすると、いずれ来るであろう自分の死や妻の死、またはこれまでの人生を意識したのかもしれません。

 映像もきれいで、カールとエリーの人生をコンパクトに追体験させてくれました。この導入部に続く本編もエンタメとしては面白いし、感動シーンも出てきます。この映画を見た後で、宮崎駿監督が「この監督はこの冒頭シーンが作りたくて、この映画を作ったんじゃないか?」と言っていたのを思い出しました。年配の方なら、冒頭部分は必見です。ハンカチをご用意ください。

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