建築の会社やってるけど、他の建築会社を成長させるサービスをはじめました。ー競合ではなくて、協働を生み出したい
みなさん、はじめまして!
田中デンデンと申します。
僕は、NoMaDoSという会社で働いています。(NoMaDoS以外でも活動しているのですが、今回は省略・・!)
NoMaDoSは、建築を中心にさまざまな事業やプロジェクトを手掛けるクリエイティブスタジオです。
僕はそこで、CSOという会社全体の事業戦略や成長を考える人をやりつつ、いろんなプロジェクトのプロデュースやブランディングをやったりしています。
そんな建築の会社をやっている僕たちですが。
この度、「競合ではなく、協働を生み出す」をテーマにした建築・建設業界特化ブランディングスタジオを設立いたしました。
「ん?建築の会社なのに、他の建築・建設会社=競合を支援するようなサービスを始めるの?」
そんなふうに思われた方もいらっしゃるかと思います。
このnoteでは、なんでNoMaDoSそして僕が競合他社を支援するようなサービスをはじめたのかという理由と、それに対する想いを共有させていただければと思います。
■建築を全く知らない、文学部を卒業した僕が建築業界に入った
僕はそもそも、NoMaDoSに入るまで建築に全く触れてこなかった人間でした。
僕は早稲田大学の文学部を卒業していまして、そこでは”日本史”を専攻する学生をやっていました。
自分の身の回りには、建築のケの字も存在しないような環境で学生生活を過ごしていましたが、転機になったのはイタリア・ヴェネチアへ1年間の交換留学を行ったとき。
その時に、ヴェネチア・ビエンナーレというアート・建築の祭典へ足を運んだことで、アートやデザイン、そして建築というものの魅力や可能性を感じ取ったことを覚えています。
しかし、日本史を専攻している学生がいきなり建築に関わるようなイメージができるはずもなく、僕は粛々と歴史に関する卒論を書き、たまたまお声がけいただけた広告・メディア関係の会社に就職することになりました。
■建築・建設業界で感じた違和感
広告業界に入ってからは、いわゆるコンテンツ企画やクライアントのブランディングに携わっていたのですが、そのほかにも地方自治体のリブランディングというプロジェクトや台湾に学生を連れて行って海外インターンシップを実施するなど、広い領域に関わる活動をやらせてもらっていました。
1年ほど働いた後、独立して自分の力を試してみたいという想いが募った結果、会社を卒業させてもらいました。
そのタイミングで、もともと知り合いだったNoMaDoSの代表である伊勢崎から声をかけてもらって、創業して半年ぐらいだったNoMaDoSにCSOとして参加することになったんです。
NoMaDoSに入ってからは、毎日のように「建築・建設業界の”当たり前”とはなんなのか?」ということを知るために、色々とリサーチをしたり、業界の方とお会いする時間を使って学ぶということをやっていました。
そんな中で、一つの疑問というか、違和感のようなものが僕の中に芽生えてきたんです。
「なんで建築・建設業界の人たちは、お互いを敵のような感じで話すのだろう?」
このnoteを読んでくださっている皆様の中にも、建築・建設業界で働かれている方がいらっしゃると思います。
こんなことを言ってしまって、気を悪くされたかもしれません。すみません。
ただ、同じように感じられている方も確かにいらっしゃるのではないでしょうか?
もちろん、建築・建設業界だけじゃなく、他の業界でも同じことは言えると思います。
ただ、業界の”当たり前”を全く知らない僕は、お互いのことを業界を成長させていく相手ではなく、競り勝つための対象として語られてしまっているのではないかという違和感を、客観的な立場として感じ取ってしまったんです。
■違和感を払拭するために動いた結果、NoMaDoSはたくさんの愛と勇気と可能性をもらえた
そんな違和感を持ったことから、僕が最初にNoMaDoSで取り組んだことは、「NoMaDoSの建築や業界に対するスタンスをしっかり決めましょう!」ということでした。
NoMaDoSメンバーの持っていた建築や業界に対する想い、それぞれの考えや問いをワークショップなどを繰り返して掘り出していきました。
そこで辿りつたのが、「建築の中と外の課題を解決できる、そして建築を拡張できる人たちでありたい」という想いでした。
これは、建築という領域やアウトプットに囚われずに、自由で社会にとって価値のある結果を生み出していこうという部分と、それを実行するために”業界の中・外を問わずにどんどんと繋がりを持って、協働による創造を生んでいこう”という部分をあわせ持った想いでした。
そんな想いを込めて、”終わらない自由研究”というブランドコンセプトも作って、いつでもチャレンジングで実験精神を持った動きをしていこうと、メンバー全員で決めました。
そこからは、いろんな事業を作ったり、SNSなどでメディアコンテンツ発信を行ったり、建築だけじゃなくさまざまなプロジェクトをやらせていただく機会に恵まれていきました。
そんな中、僕たちの動きを見てくれたり知ってくれた同じ業界の方達からも、こんなポジティブなコメントをいただけるようになってきたんです。
こんなコメントをいただくようになったことで、「やはり建築・建設業界の方達も、業界を拡張していくような動きや協働していくことへの共感を持たれているんだ!」と僕は確信しました。
また、コメントをいただく中で、「私たちの会社もブランドや事業を再定義して、新しい社会にあわせた展開をしていきたい」というお声を建築・建設系の会社さんからいただくようになったのです。
■世の中が大きく変化した2020年、建築・建設業界も変化が求められている
同じ業界の会社さんからお声がけいただくようになった背景には、世の中の大きな変化による影響というのがあると思っています。
2020年になって、コロナによる様々な業界への被害・影響がありました。
というより、現在進行形でいろんな業界にダメージを与え続けています。
それは、建築・建設業界においても同様にみられている状況です。
コロナによるオリンピックの延期と中止の可能性、観光業や外食の低迷による設計・施工案件の低下、全国的な建築に対する投資の減少などなど。
これ以外にも、コロナ以前から存在した「自社の強みを活かした事業やブランドの構築」や「モノ消費からコト消費への変化に対するアプローチ」といった課題も、コロナによる社会変化によって急速に対応を求められるようになってしまいました。
そのような中、NoMaDoSが行ってきたブランディングや事業の構築、そして業界内の企業や人々を「競合じゃなくて、協働」するための相手としてとらえる考え方に可能性を感じてくださるようになったのではないかと、僕は思っています。
このような状況の中で重要になってくるのは、同業界のなかで競合意識を強めていくことではなく、業界を支えていく主体として手を結んで、危機や困難を乗り越えていくことで、日本の建築・建設業界を再び活性化させていくことではないでしょうか?
■「競合ではなく、協働を生み出す」という業界の未来
コメントをいただいた建築・建設計の企業さんとは、すでに事業戦略やブランドコンセプトなどの見直し、WEBサイトの設計などのお話を進めさせていただいており、すでにいくつかのアウトプットを出しているものもあります。
●都内の某構造デザインスタジオさんの事例
●愛知県の某工務店さんの事例
進行中のものも含めて、皆様からはこのようなことを言ってもらえています。
「ブランドコンセプトや戦略を整理・定義してもらえたことで、自分たちの強みが明確になった」
「強みやこれからの事業の方向性が明確になったことで、業界内でもいろいろな企業さんとのコラボレーションや共同プロジェクト・事業もできそうだと思っている」
「競合じゃなく、協働を生み出していくことの可能性をすごく感じている」
このようなお声をいただけたことで、僕たちはブランディングという部分で同業他社の方達と手を繋ぎ、建築・建設業界自体が新しい価値に溢れるものにできると確信しました。
その確信にしたがって、この度、正式なサービスとしてノマドスブランディングスタジオを設立するにいたりました。
これから、ノマドスブランディングスタジオでは同業他社さんへのブランディング支援を行いながら、企業同士のコラボレーションや共同プロジェクトの開発などにもチャレンジしていこうと思っています。
また、同じ業界の人たちが「競合ではなく、協働」できるきっかけとして、業界特化のマッチングサービスの企画も進めています。
まずは、Slackなどを用いた小さなコミュニティからプロトタイピングを始めたいと思っているので、もしご興味のある方は、以下のリンクから応募いただけますと幸いです。
このような動きを行っていくことで、世界からみたときに、日本の建築・建設業界が多様性と自由に満ちた活気のある産業になっていく未来を、みなさんと手を繋ぎながら目指していければと思っています。
■おわりに
長々と一人語りを続けてしまってすみません!
ですが、ノマドスブランディングスタジオが掲げる課題感や想い、設立に至った背景のことは、少なくとも伝えることができたのかなと思っています。
ノマドスブランディングスタジオに、自社のブランディングや事業戦略のご相談などがございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ!
また、NoMaDoSではそのほかにも様々なソリューションの提供やプロジェクト開発を行っておりますので、NoMaDoSにご興味を持っていただけました方も、カジュアルな気持ちでご連絡いただければと思います。
それでは、お読みいただきありがとうございました!