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四国瀬戸内サイクリング旅 2023年春 (香川県を代表する観光スポット編;金刀比羅宮と丸亀城)

 高松さぬき空港が、高松市街からかなり離れた南部にあることが分かり、昨年のサイクリング旅の途中で立ち寄った高松市内へ向かうことをやめて、空港からほぼ西の方向にあたる金毘羅宮へ向かった。時間に余裕があれば、やはり昨年望みを達せられなかった、源平合戦の歴史的古戦場である「屋島」へ登りたかったのであるが、これは諦めた。

 金刀比羅宮といえば、映画「二十四の瞳」(木下恵介監督1954年)の一場面を思い出す。高峰秀子演じる大石先生が修学旅行の6年生の生徒たちと一緒に向かう最後の場所が金刀比羅宮。大石先生はこのとき、体調を崩してしまうのだが、小豆島への帰りの船を待つ間、同僚の付き添いの先生と、茶店の一つに入る。すると、かつての教え子の松江(まっちゃん)の姿を認める。松江は、他の生徒の大半と同様、貧しい家庭の境遇で、母親が亡くなったあと、嫌々ながら養子に出されていた。その養子先がこの茶店を営む家庭だった。松江を店の働き手として厳しく扱う店のお上である養母(日本映画史上の名脇役女優の一人、浪花千栄子が演じる)を前に、何も口にすることもできず店を出る。何度観ても涙なしには観られない。

 金刀比羅宮の階段は、聞きしに勝る長く急な階段だった。この日は、すでに夏の暑さを感じる天気だったので、なおさら階段の多さを実感した。後日の調べで、本宮まで785段、奥社まで1368段とわかった。おそらく日本で最も長い階段だ。観光客の姿も多く見かけるが、高齢な人の姿もある。まさに老若男女が参詣する霊場である。本宮の見晴台からは、讃岐平野の西部が見渡せて、高く登ってきた実感が湧く。この本宮から奥社までは上り標準30分あり、躊躇するところだが、結構多くの人々が、奥社に向かうのはちょっと意外だった。往復してかなりの運動量になった。

金比羅本宮への登り階段

 なお、階段の登り口の手前に、町が設置したロードバイク の駐輪バーがあった。5−6台しかかけられない短いものであったが、他に自転車を停めておけるような場所が見当たらず、どうしようか迷っていた際に目に入ったので、大変助かった。さりげない気遣いに感謝。

登り口横のサイクルスタンド

 金刀比羅宮から丸亀市内へ向かう。丸亀の見所は2つ。一つは丸亀城。日本で一番高い石垣の上に立つ天守閣だという。周囲に高い建物がないため、見上げると高さを実感する。また、現存する12の天守閣のうち、最も小さい天守閣だという。そのことも、高度感を感じさせる一因になっているだろう。残念ながら、到着したときには夕方5時近くだったのと、翌日も早朝に出発するので、見学はできなかった。

丸亀城を仰ぐ

 しかし、この日宿泊したスーパーホテルの最上階の部屋から、真正面に丸亀城の姿を、何も遮るものがなく見ることができた(どうやら、昨年の山陰サイクリング旅で、島根県松江市でやはり「スーパーホテル」に泊まったことがチェックイン時にわかり、”良い”部屋を割り当ててもらったようだ)。夜、ライトアップされた天守閣の姿は、とりわけ美しかった。

ホテルの窓から望む丸亀城(スケッチ)

 なお、ある観光Web siteによると、香川県の観光地ランキング1位が金刀比羅宮、2位が丸亀城、そして3位が小豆島となっている。昨年のサイクリング旅で小豆島を訪れているので、これでトップ3の場所すべてを訪れたことになった。

 丸亀のもう一つの見所である丸亀市猪熊玄一郎現代美術館については、別記事にて紹介する。

おわり

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