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2023年はどんな年であったか(自分の備忘録のために)

(大晦日に書き始めたものの、除夜の鐘が鳴ってしまい、ほぼ完成した状態で中断したままだったものに書き継いだものなので、2024年1月1日起草の体裁にて)

 新型コロナはつかの間収束の様相。国内は、表面的には平穏な日常の光景が戻ってきたように見える。しかし、世界の様相は混迷を極めている。2年近く続くロシアのウクライナ領土侵略戦争がこう着状態で、日々、ロシアによるウクライナの都市への攻撃で人命が失われ続けている。その最中、大国の政治的横暴とイスラエルの軍事力により、土地を奪われて56年に及ぶ占領下で人権が蹂躙されてきたパレスチナ人の地で、10月7日にハマスの大規模テロ攻撃が発生し、その後、イスラエルによる、凄惨な報復攻撃が、国際法も人道も無視して続いている。これを、アメリカが、恥も外聞もなく支援している。もっとも、先の大戦で、日本の一般市民を核兵器の威力を確認するための実験動物にして大量虐殺(ジェノサイド)した国であり、ベトナムで、大量の枯葉剤を使って無差別に人民の命と健康を奪った国であるから、イスラエルの無差別虐殺を非難できる立場にない国ではある。

 一方国内では、日本政府が臆面もなく、福島原発事故で溜まりに溜まった放射能汚染水を、漁業関係者との約束も反故にして、国民的、国際的合意もないまま海洋放出し、挙げ句の果てに、原発の稼働年限も60年超に延長、新規原発建設も基本方針に盛り込んで、なし崩し的に、深刻な原発事故はなかったことにしつつある。

 年も押し迫った12月20日には、沖縄の辺野古の海の埋め立て「代執行」訴訟で、沖縄県が敗訴(福岡高裁)した。沖縄県民の総意を無視し、地方自治の原則も無視し、沖縄と沖縄人を差別し続ける日本の政治。それを見て見ぬ振りをし続ける大多数の大手報道機関とと大多数の国民。

 さらに年が押し迫った11月末に発覚した、自民党安倍派を中心とした組織ぐるみの政治資金パーティー裏金問題。懐を肥やすためには犯罪も辞さない政治。政治家が犯罪を犯しても国葬にする政治。裁判所は政治権力の番犬に成り下がっているが、さて、検察庁特捜部はどこまで本気で頑張れるか。

 身近な生活にも不安が増大。有機フッ素化合物PFAS汚染が深刻さを増している。普通に暮らしている住民に、突然深刻な健康被害の恐れが顕になる。
 東京都多摩地区、とりわけ国分寺市での血液検査の結果、市民のPFAS血中濃度が圧倒的に高く、米国アカデミーが示している健康に有害な可能性がある指標20ng/mLを94%近くの人たちが越えていた。国分寺は、筆者が長年暮らしてきた街で、今は二人の幼児がいる娘家族が住んでいる街である。ここにも、沖縄米軍基地と同じ構造が横たわっている。不平等条約である日米地位協定で治外法権となっていて、疑いが持たれている米軍基地を調査できない。いや、政治問題になることを恐れて、調査しようともしない。米軍基地の75%が押し付けられている沖縄では、以前からもっと大規模で深刻なPFASの水道水汚染が発生している。

 地球環境問題は、世界中の科学者や知識人から待ったなしとの警告が上がっているのに、実効的な対応ができない人類。12月にドバイで開かれたCOP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議)で、会期を1日延長して協議が行われたが、結局「化石燃料の段階的廃止」を合意文書に入れることができなかった。2015年のパリ協定で、地球の気温上昇を1.5度以内にする目標を掲げたものの、その実現のための行動が達成されていない。今のままでは、世界の気温は3度上昇し、人類社会に甚大な負荷を生み出すだろうとわかっていても。

 もう一つ、日本が抱える重大な社会問題であるジェンダー・ギャップ(男女不平等)に関連して、女性の知人からいただいた意見:

「戦争はほとんどの場合、男が起こすもので、男が、権力や領土とそれを我が物にするためのゲーム性を伴った争いが好きであることが戦争の原因、、、と思っています。私の所属する組織(高等教育機関)の中でも全体を見ずに事態をおかしくしているのは男。女性が世界を動かせばいいのに。男性は男性ホルモン減らして女性化した方がいい、などと思ってしまう。そうしたら、戦争は減ります。」

「そのうち地球からの反応で、人類は、かつての恐竜のように絶滅してしまうのでしようか。日本は人口減といわれますが、地球全体で見れば、人口過多です。負荷がかかりすぎています。産むのではなく、困っている地域の子どもを育てた方が地球にはいいけど、なかなかそうならないですね。」

最後に私ごとを;
 今年は、前半3分の2までは主要な活動目標を順調に達成してきていたが、9月に入って、新型コロナに感染。ジョギング、水泳、サイクリングと、日々体を鍛えていて、健康には自信があった自分がまさか感染するなどと思ってもみていなかった。39度5分まで達する熱が出て、人の体はこんなに熱くなるものなのかと、驚きを伴う未知の世界を体験した。コロナから回復した直後に、実母が90歳で亡くなった。
 母親の死亡後の、葬儀から四十九日法要までの一連の行事、遺言確認などを終えてひと段落したところで、再び体調を崩した。今度は、気管支系の症状の回復が長引き、最終的には、新型コロナ感染の後遺症の可能性が高いことが判明した。それでも年の瀬が押し迫ったところで、回復が確信できるようになった。

 以上のように、9月以降の不慮の出来事で、予定していたロードバイク旅が実現できなくなってしまった。来年(2024年)挑戦するつもり。今回の記事では、世界や自分に関する、あまり良くないことをたくさん書いたが、楽しかったことは、また別の記事に書こうと思う。

 最後の最後に、年の瀬に学んだこと。信州安曇野で有機無農薬を目指して林檎農園を経営されているMさんからりんごを送っていただいているが、そのMさんから最新の「林檎亭通信」が送られてきた。いつもなんらかの気づきを与えられることが多いが、今回は、農本主義の社会改革者であり哲学者でもあった(らしい)安藤昌益のことを教えていただいた。ちょっと調べてみると、江戸中期にあって、秋田の地にとんでもなく時代の先を行っていた人がいたのだった。さらに、藤原定家が庭木をこよなく愛し、植樹に素人離れした技術を持っていたこと。明月記の中で言及されている庭木の中に「りんご」があるということ。Mさんによれば、これは「和りんご」で、歴史的経路はわからないが、信濃に伝わり、今の長野県飯綱町高坂地区にも古くから伝わっていて、「高坂りんご」として知られているという。農薬などない時代から生きてきた逞しい野生味たっぷりの品種だという。しかし明治以降、西洋りんごの普及で絶滅に瀕した。ところが、これを救った人がいた。Mさんもこの品種に注目していて、やはり病気に強いグラニースミスとの交配などで、和りんごの伝統を発展させていこうとされているようだ。
 愛媛には福岡正信がいた。青森には木村秋則氏がいて、信州安曇野にはMさんがいる。

 大晦日のうちになんとか投稿しようとしたが、推敲も不十分なまま、除夜の鐘が鳴ってしまった。

 今年2024年令和6年辰年には、世界がより良くなりますように、皆さんにも良い年でありますように、自分にもちょっと進歩がありますように、祈念いたします。

おわり

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