【精神】双極性障害の薬を変えてから意欲が減退した
*決しておもしろい話ではないが、同じ病を患っている人の参考になればと思って書いた。
現在、私は双極性障害を患っている。2018年の3月に今の診断になったから、そのときから3年あまり、この病気と付き合ってきた。世の中の大半のカップルより長い付き合いなんじゃないだろうか?笑。その間いろいろな薬を処方されてきた。薬の詳細な変遷についても、今後記事にするかもしれない。
そもそも、もとは「うつ病」だった
そもそも、2018年の3月まで、私の診断は「うつ病」だった。そのため、抗うつ薬を処方されていたのだが、これが全然効かない。というわけで、より強い抗うつ薬に変えてもらったところ、効かないどころか症状が劇的に悪化して、自殺未遂をしてしまった。
ちょうど、このタイミングで私のメインドクターが出勤していない日に治療を受けることになり、そこで処方された「双極性障害」用の薬が著効を示したこと、そして血縁者のエピソードを話したところ、どうもその血縁者も「双極性障害」であったようで、遺伝的要因も踏まえて、「双極性障害」という診断がついた。
これまで抗うつ薬を飲んで症状が悪化してきたのは、抗うつ薬というのは、基本的に気分の波を底からブチ上げる効果のあるものが多く、それにより気分が上がりすぎて「双極性障害」の躁状態が悪化、上がりすぎたところから鬱に転じたときに、ものすごい落差から落下し、ひどいうつ状態になる。それが少し回復して身体は動かせるが、心は深いうつ状態となったときに自殺未遂を起こす人がいるらしい。私はその典型例だと言われた。
「双極性障害」になってから
2018年3月に処方された薬(オランザピン)は特に希死念慮に著効を示し、長らく(2年ほど)、その薬を飲み続けてきたが、その薬は希死念慮に効く反面、代謝異常・食欲増進・体重増進の強烈な副作用があり、最も危惧すべき副作用として「糖尿病」があった。そういう薬を2年以上も飲み続けていたものだから、私の体重は2年間の間に60 kg台から90 kg近くまで増進した。たぶん、一歩間違えたら「糖尿病」になって、人生が終わっていただろう。
私の場合、「糖尿病」になる前に胃に病変が出た。モノが食えなくなったのである。少量の食事で嘔吐してしまう。これが昨年の6月ごろの状態であった。総合病院での胃カメラの検査と腹部CTの検査を経て、私は「食道裂孔ヘルニア」だと診断された。
不幸中の幸い、「胃潰瘍」や「胃ガン」などの重病ではなかった。「食道裂孔ヘルニア」というのは、本来、横隔膜の下に位置すべき胃袋が内臓脂肪等によって持ち上げられ、横隔膜に空いた食道が通過する用の小さな孔に入って締めつけられてしまうことで胃に圧力がかかり、内容物を嘔吐してしまうという病気である。つまり、痩せれば胃袋を持ち上げている内臓脂肪がなくなるため、治る(といわれた)。そのあとの「食道裂孔ヘルニア」の治療経過は下記の記事に詳しく書いた。
で、この「食道裂孔ヘルニア」が判明した時点で精神科の主治医は、これまで処方していた薬をやめ、炭酸リチウムと新薬(ラツーダ)の導入で躁鬱の波の安定を図る治療方針へと変えてきた。
新薬(ラツーダ)の導入と躁状態の悪化
炭酸リチウムは「双極性障害」の人なら、ほぼ全員が飲んだことあるんじゃないかな?というくらい有名な薬で昔から「双極性障害」の治療に使われている。感情の波を穏やかにしてくれる効果のある薬だ。一方、このとき導入された新薬(ラツーダ)はというと、臨床的には「双極性障害」の鬱→躁にもっていくのに効果がある薬らしい。要は、気分をブチ上げる薬だ。しばらくは、この薬の効果もあって、躁鬱のうつ状態は緩和された。このため、薬の服用を続けていたのだが、一時期、この薬の導入がよくない方向に働いたらしく、躁がひどくなった。
具体的には、多動(過活動)・多弁・易怒性・浪費等の亢進である。特に悩まされたのが、易怒性と浪費で、易怒性では周囲にいる人にいきなりブチキレて掴みかかりそうになったことがあったり、ネットで不愉快なことを言われたときにブチキレて罵詈雑言を浴びせかけるなど、中にはトラブルに発展しかねないモノもあった。
私の場合、双極性障害Ⅱ型のため、躁の出方はまだ穏やかなはずだが、それでもそのとき同じ場にいた人たちには大変迷惑をかけた。この場を借りて謝罪したい。易怒性の問題は家族間でも発生し、特に父とは何度か掴み合いの喧嘩になりかけた。これも申し訳ない。易怒性については今回タイトルにした、また別の新薬(レキサルティ)の処方によってある程度改善される。
浪費は主にAmazonで、大量の書籍を読みもしないのに携帯決済で購入するという形で出た。翌月の携帯料金がとんでもない額になったことが数回。その後は親に買うものをその都度報告するという約束事にした。家計簿もつけはじめた。なんだか小学生の子どもみたいで自分で話していて情けないが、こうでもして自分を縛りつけておかないと、自分をコントロールすることがかなり難しい病なのだ。
新薬(レキサルティ)の導入とそれに伴う意欲の減退に悩まされる
このエピソードを主治医に話したところ、新たに新薬(レキサルティ)が追加された。今回のタイトルにある新薬だ。今年(昨年?)からやっと日本での双極性障害に対する使用に認可が下りた薬らしい。
*追記
精神科の医師の方からの情報によると、2021年現在、レキサルティは統合失調症にのみ適応が認められている薬で、臨床的には双極性障害の躁を抑える効果があるため、「適応外処方」されることがある薬であるそうだ。
上記のとおり、この新薬が処方されてから、易怒性はかなり改善された。どうやらこの新薬は、先に投与されていた新薬とは逆に躁→鬱に落ち着ける薬であるらしい。
この落ち着ける作用が一長一短で先述した躁状態のときに現れる症状はかなり落ち着いたのだが、一向に意欲が湧いてこない。これは創作意欲のようなモノも含めてで、文章を書き出したら1日中止まらないみたいな感覚は一切なくなってしまった。頭の中が静かになった感じがする。文章を書くアイデアも湧いてこない。書くネタがないから、今日もこうやって自分の飲んでいる薬のことをネタにしている。この新薬は精神科医的には躁が落ち着いたのでOK、よく効いているという判断なのだが、私としてはかなり困る。
私には、いずれ文章を収入源のひとつとしたいという思いがあるし、他にもさまざまなことを勉強して家庭教師をやったり、翻訳や通信添削の仕事、果ては士業や講師業をやることまで考えているのに、学習意欲・創作意欲が完全に消し飛んでしまうのは非常にマズい。今の新薬(レキサルティ)は2月から処方されはじめたので、3月の通院時に意欲の低下について、医師に相談したら、「もう1ヶ月、様子をみよう」ということらしく、1ヶ月様子をみたが、意欲の低下は戻らなかった。翌月4月の通院時にも意欲の低下が戻らないという話を医師にしたが、医師がいうには、「双極性障害という病気は、テンションがやや低い状態で安定しているのがベストな状態なんです」とのことで、意欲の低下と症状の安定を天秤にかけたときに症状の安定をとった方が良いだろうとアドバイスをされて、結局処方は変わらなかった。このときは、意欲の低下が、私の今後の生活にとって、いかにクリティカルな問題であるかという訴えが医師にうまく伝わっていなかったような気がする。次回は、もっと切実な問題なんだよということを医師に伝えたい。
私にとって文章を書くという創作行為は、1日の生活にハリをもたらすモノであり、これをしないと1日の中でなにかを成し遂げたという達成感や充実感が得られない。薬によってそれが阻害されることにより、精神衛生が明白に悪化した。
また、文章以外にも、エネルギー(バイタリティ)の低下によって1日中なにもする気が起こらないということが頻発し、自分で設定した課題をきちんとこなせないことに対する罪悪感に苛まれる等して、今度はうつ状態が悪化した(激しい落ち込みも経験した)。
今月(5月)の通院で医師に相談し、躁状態が悪化したときのみ服用という頓服的な使い方はできないか、それが無理なら処方を変えてもらうようお願いするつもりである。とりあえず、処方が変わるかどうか、処方が変わったとしてなにか様子が変わるかどうかをみてみることにする。
〈追記〉
このたびの通院にて、主治医に「意欲の低下にかなり悩まされており、そのことで精神状態にも悪影響が出ている」という旨を再度訴えたところ、レキサルティは処方から外されることになった。レキサルティという薬は効きはじめるのに時間がかかる(医師曰く、1ヶ月ほどかかる)薬らしく、頓服的な使い方はできないとのことだった。レキサルティと逆の効能を期待して現在服用中であるラツーダは即効性があり、効きはじめるのに1~2日しかかからないらしい。今回の処方ではラツーダを増量して適宜量を調節できるようにしてもらい、レキサルティは今後、躁が悪化したときに処方するという話で一端は落ち着いた。この処方でどうなるのか、しばらく様子をみようと思う。
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