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【精神】精神疾患への理解を他者に求めるのは難しいなと実感した話〈追記あり〉

*ナチュラルなメンタル強者にうつ等の精神疾患の理解はむずかしいのではないか/それを求めても徒労に終わることが多いのではないか?、とはいえ我々にも何かできることはないか?、という話です。先日のTwitterでのやり取りをもとに話をしています。

**記事を読んでくださる方には、できるだけネガティブな感情を伝播させたくないとは思いつつも(できるだけ楽しい記事、おもしろい記事をお届けしたいと思いつつも)、私自身、今回生じたネガティブな感情に折り合いをつけるために、すなわち、ある種のストレスコーピングのために、この記事を書きました。そう思って、読んでいただけると幸いです。

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つい先日、ムカついたことがあったため、ムカついた感情を書き留めておく。ムカついたことなので、内容は当然、ネガティブなモノになるから、そういった文章が苦手な人は遠慮なくブラウザバックしてほしい。ムカついた感情をムカついたときにそのまま怒りに任せて書くと、おもしろい文章になる人もいるが、私の場合、おもしろくはならないだろうというのと、題材が少々センシティブなモノだったので、敢えてしばらく間を空けて感情が落ち着いた今、筆を取ることにした。負の感情ではあるが、その方が読者の皆さまを不愉快な気分にさせるリスクは低いだろうと思って。

Twitterをやっていると、アカウントをオープンにしている限りは誰でも、そのアカウント主のツイートを見ることができる。私のアカウントは現在鍵をかけておらずオープンにしているが、フォロワー100人ちょっとの泡沫アカウントのため、普段はなにを言ってもそんなに反響はない。数名のフォロワーさんがいいねしてくれたり、RTしてくれたりする程度だ。だが、先日、私のとあるツイートがめずらしくフォロワー外からRTされた。そのツイートはこちらのツイートに対する私のリアクションに対してであった。

このツイートの指す「弱者男性」の正確な定義がイマイチ掴めなかったが、ネットの文脈を追うと、いわゆる「金もない、気持ち悪い、結婚できないおじさん」みたいなニュアンスで使われているようだった。私もこの「弱者男性」に該当すると感じたので、以下のようなツイートをした。

このツイートがフォロワー外の人からリツイートされ、「何事か!?」と思って見に行った先に、私のツイートへのアンサー(エアリプ)と思われる、以下のツイートがあった。

死にたいと思わずに済む仕事
死にたいと思ってしまう性格が原因ならどこに行っても見つからないので、やっぱりメンタルケアした方が良いんだよな、となる

メンタルケアというか、感情のコントロールをできないままに大人になる人間が多すぎる
死にたいと思うのは感情コントロールがうまくいってない証拠
つまりはメンヘラ

メンタルに関わる病を患う者として、「メンタルケアが大切だ」という趣旨には同意しつつも、「そもそもメンタルが自分のコントロール下における人間はうつになったりしねえよ(できたら苦労しねえよ)」というのと、「アンコントローラブルだから病気っていうじゃねえの?」ということ、あとは「当事者たちが深刻に悩んでいる(ケアしようと努力している)メンタルの不調を"メンヘラ"という蔑称で片づけられる」ことにかなりの苛立ちを覚えた。このツイートに対し、私は以下のようにアンサーした。

死にたいと思う性格というか、そういう病気に罹患していますし、メンタルケアを実際にやっています。

トレーニング云々だけでよくなるなら、こんなに長期に渡って薬服用してないよ。アレは脳の異常なのだから、トレーニングだけでどうこうなるもんでもない。

メンタルケアが大切だというのは、その通りだと思いますが。

遺伝的要因とか環境的要因とかいろいろあるのに、医者でもない人間が「トレーニングでどうにかしよう(どうにかなる)」などと簡単に口にしないでほしいですね。

だいたい医者でもない人間が精神疾患に対して、「こう治療すべきだ」とか、軽々しく述べるのも控えた方がいい(外れている確率が高いので)し、私は何年も専門家のもとで治療を受けていて、それでもなかなか治らないのに、素人の思いつきの一言で治ると思ってるのか本当に?と思ってしまった。しばらくして、私の上記ツイートに対するアンサーがまた返ってきた。以下、エアリプの応酬となる。

うつ病は病気だけど、うつ病になった原因は暴力を受けたとかブラック企業で働いてたとかじゃない限りメンタルコントロールができないからでしかないと思うんじゃが
できないのが悪いんじゃなくてできないことは自覚した方が良いってだけで

??
いちばん気になったのは、太字の部分。

うつ病になった原因は暴力を受けたとかブラック企業で働いてたとかじゃない限りメンタルコントロールができないからでしかないと思う

どれくらいの刺激(ストレス)の強さが原因でうつ病を発症しているなら、メンタルコントロール(の不足)が原因ではなくて、どれくらいなら、メンタルコントロール(の不足)が原因といえるのかの判断(ここでは、暴力を受けたとか、ブラック企業で働いていたとかで線引きされている)は、あなたの恣意的な線引きに過ぎないし、医者でもない人間がその線引きを正確にできる自信はどこから来るんですか?

率直にこういう感想を抱いた。そもそも、初歩的な誤解として、うつ病というのは、単一の原因をもとに発症する病気ではない。原因は複合的であることが多いし、そもそも何が原因かハッキリわからないことも多い。患者本人が原因だと思っていた事象が、単にトリガーのひとつだったということもある。この人は周りにうつ病の人とかいないのかな?と思わざるを得ないほど、精神疾患に対して薄い理解で言葉を発しているなと思った。

このツイートに対して、私は次のようにアンサーした。

私の場合は、暴力(身体的・言語的)を受けたことが主な原因でうつ病を発症していますね。病気は病気でしかないし、メンタルコントロールができていたら、現状が回避できていたかといえば疑問符が付きますね。先天的にそういう性格ということもあるしね。メンタルコントロールの重要性じたいは否定しませんが。

ここから、「話のわからん人」との不毛なやり取りが続く。上記ツイートに対する先方のアンサー。

自分は落ち込みやすい性格だって自覚して落ち込みやすさをコントロールできるようにしないと、どんなところで働いても些細なことで落ち込んでまた抑うつやら鬱病やらになる

阿呆か。メンタルコントロールできたら、最初からうつ病になんか悩まされんわ。独力でのメンタルコントロールが難しいから(アンコントローラブルだから)うつ病になるんやで。それに、うつ病を脱するためのメンタルコントロールのトレーニングは、すでに医師やカウンセラーのもとで開始している。私は次のようにアンサーした。

だから、今医師の指導やカウンセリングを受けるなどして、対応しているのです。もっと早くにこういうことがわかっていればよかったのかもしれないという思いはありますが、私の場合、先天的な気質と遺伝と環境等が複雑に絡み合った話ですので、そう単純な話でもない。

ここから、先方の勝手な決めつけから論が展開されるのだが、一応それに乗っかってアンサーを返してみる。まずは先方からのツイート。

自分はどうせダメな奴だって思う習慣があると、どれだけ医者に通ってもカウンセラーと話しても、その最中からずーっと「自分はこんなところにいてダメな奴だ」って思っちゃうので一生繰り返すことになる、

太字部分は勝手な決めつけだが、仮にそうだとして、それに対する私のアンサー。

「自分はどうせダメなやつだと思う習慣」を矯正するために医師やカウンセラーの指導を受けているのですが、自分でなんとかメンタルコントロールを身につける手段を学びに言ってるわけで。医者やカウンセラーの介入なしに治療が進むのだったら、そもそも病気とはいわんと思うのだが。

さらに先方。

病院に行って家帰って飯食って、その間ずーっと「俺はダメな奴だ」って考えてるのって「お前はダメな奴なんだ」ってずっと言われ続けてるようなもんで、それじゃ病気になって当然なんだよね
かつて他人に言われた言葉だとしても繰り返してるのは自分なわけで

「うつ病は、メンタルのセルフコントロールをうまく機能させれば治る」というのは、「ウイルス感染しなければ、インフルエンザにならない」というのと同種の論理だと思うが、この人の場合、どうやってそれを達成するか?に対する具体案がまるでない。また、予防的にうつ病にならないようにメンタルのセルフコントロール術を学ぶという話なら理解できるが、すでにうつ病になってしまった人に向ける言葉ではない。それこそ、「なんで俺は/私はメンタルをセルフコントロールできなかったんだろう」と自責の念に苛まれて、症状を悪化させてしまうような言葉だ。うつ病から抜け出すためにメンタルのセルフコントロールが大切だとしても、物事には順序(段階)というモノがあって、今うつ病の渦中にいる人に大していきなり最終到達点である「メンタルをセルフコントロールできている状態」にしろというのは、ちゃんちゃらおかしな話であって、まずは、医師やカウンセラーの指導・助力を得て、メンタルコントロールの術を身につけるというのが順序としては先であろう。「素人の生兵法は大怪我のもと」である。

さらに先方からのツイート。

その状態になると他人ができることはものすごく限られてきちゃうから、本当はそうなる前に他人に頼ってガス抜きできた方が良い
愚痴を言うとかそれだけでも良いし、最近つらいとか話すだけでも良い

うん。。これもそもそも論として、相談できる/愚痴を吐ける人間が周囲にいる人は、うつにならない(とまではいわないが、なりにくい)と思うんだ。そういうわけで私のアンサー。

そもそも精神疾患を発病するような人は周りに頼れるような人がいないことが問題なんだよね。もうここらへんにしときますが。

もうこのあたりで私も「この人は私がなにを言っても最初から『自分の結論』が確定している人で、話をしても通じないんだろうな」と確信した。以下、先方のツイート。

他人がしてあげられるのは薬を出してあげて、話をしたい時は聞いて、見守ることまで
でもそれで治るかどうかは最終的には本人に委ねられてるし、治ったように見えても根本的に解決してないなら繰り返す
家族も友人も専門家じゃないからいつまでも構ってはくれないし

根本解決を目指すのは間違ってないが、最初からそこを目指すのは、いったい階段を何段飛ばしで行くつもりなんだ?それが、精神的に磨耗したうつ病含む精神疾患の患者に可能なのか?あなたのおっしゃることは果たして実効性のあるアドバイスなのか?以下、私のアンサー。

うん。だから、そのトレーニングを専門家に介入してもらってやってるんですよという話。もちろん、将来的にはメンタルを自己コントロールできるようになることを目指してる。

以下、さらに先方のツイート。精神疾患に対して、ここまで無知な人がよく今までのコメントができたものだ。

心療内科ってとにかく薬を出しますねってなるとこしかない印象だけど話を聞いてくれるとこなんてあるんかね

そんなことも知らないのか……と思いながら、私は以下のとおり、ツイートした。

精神科/心療内科でも薬を出すだけではなくて、話を聞いてくれるところは数は少ないですが、ありますね。私の通っている病院には専属のカウンセラーがいますし。

まあ、この人と話した結論としては、話の通じんヤツだなということと、

自分でメンタルコントロールできたら病気にならない←それができたら苦労しねえ!

ということである。

先方、この後も持論を展開。

死にたいと思うのはメンタルコントロールが出来てないからで、カウンセリング受けてトレーニングするにしても最終的に自身を変えられるのは自分だけって話をしてるけど、まあ渦中にいる人に届かないのはわかる

というかセルフコントロールが出来てないからですよねって話に同意ができない段階ってつまり治ってない段階なので

治った後はセルフコントロールが出来ていなかったってわかる
それが良いの悪いのではなくそういうところがあったな、というのも含めて

もっと言うとセルフコントロールが出来た方が良いって言われた時に「セルフコントロールが出来ないのが悪い」って言われてるように感じるのが病気ではある

だから、何度も言うけれど、私は病気がまだ治っていない人間です。病気というのはメンタルがアンコントローラブルになる現象です。その段階では、薬や医師やカウンセラーの介入が必要です。最終的には、メンタルのセルフコントロールができるように今、医師とカウンセラーの指導のもと、トレーニングを行っています。というだけの話なのに理解できない困った人間もいるものだなと思った。あと、最後のツイートの「セルフコントロールができないのが悪いと言われた」なんて、私は一言も言ってないのに勝手に想像するな。

さすがに疲れたし、話していてイライラしてきたので、私は以下のツイートをして締めた。

思い込みが激しい人間と話をするのはしんどい。

私が言ってないことまで言ったことにするのやめてくれません?

もうめんどくせえから関わらないけど。

私はセルフコントロールの重要性自体は決して否定していないし、物事には段階があるという話をしている。それと、原因は単一ではない。あと、病気が治ってないっていうのは私自身わかってることです。

詳しい事情も知らんヤツがよく訳知り顔で人の病について、自信満々で語れますね。

先方からしたら、「私の(正しい)説を素直に受け入れられないかわいそうな人なんだな。まあ、病気で頭おかしくなってるから仕方ないか」って認識してそうで恐い。

セルフコントロールの重要性がわかってるからこそ、今医師やカウンセラーの助力を得て、トレーニングしているんでしょう。今は他者の助力を得なければならない段階。最終的に1人でセルフコントロールできるようになればいいというのは私も思ってることだし、そこは否定してない。

結局はセルフコントロールができないのが単一の原因でそこさえ直せば、精神疾患は解決するみたいな言い種が気に食わんだけで。それを医師やカウンセラーによる治療という段階をすっ飛ばして語るのもおかしい。貴方の言うほど、単純な話ではないわけですよ。

相手「うつ病の原因はセルフコントロールができていないことだから、そこを直さないと同じことを繰り返す」
ぼく「うん、そんなことわかってる(他にも原因あるけど)。だから、今は精神科医とカウンセラーに介入してもらって、セルフコントロールできるように練習してる」
これだけの話なんですよ。

病気の治ってない人間に、うつの原因は結局はセルフコントロールができていないことだから、そこを直そうっていうことにどれだけの実効性があるのでしょうか?セルフコントロールできていないから苦労しているのに。そして、それを直さにゃならんことは理解している。

世の中の物事って、精神疾患に限らず、単一の原因で成り立っているほど、単純ではないと思う。現実は、様々な原因・要素が複雑に絡み合って成り立っているモノなのに、この人はそれをごく単純化したモデルで捉え、単一の原因さえ排除してしまえば解決すると認識している(と少なくともツイートからは窺える)。しかも、解決に至るまでの踏むべき手順というものをまったく考慮しておらず、いきなり根本原因の排除が可能だと思っているようだ。自分が精神疾患を患ったことがない/周囲に精神疾患を患っている者がいない人にとっては、精神疾患を理解することは難しいだろうし、また、精神疾患の患者側が一方的に周囲に理解を求めるのもわがままな話だと思うが、この人に関してはちょっと想像力がなさすぎる。思慮も浅い。この件は、精神疾患の理解はなかなか進まないんだなということを実感させられたできごとだったし、精神疾患のイチ患者としては、世の中、こういう人ばかりでないことを願いたい。

と同時にどういう言葉選びをすれば、精神疾患に対する理解が得られるのだろうかと考える契機にもなった。どれだけ言葉を尽くしても伝わらない人には伝わらないだろうという諦念もあるにはあるが、そこはわかってもらう側(我々)も工夫しなければならない。理解を得て、助力してもらうためにこちら側がやるべきこともたくさんある。

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