見出し画像

【散策記】烏丸通りを歩いてきた

2020/11/03、文化の日、天候もよく、時間も有り余っていたため、せっかくなので外に出て陽光でも浴びて散歩しようということになった。場所は最初は、自然の多いところ(森なんかがあればbest)にしようと思って、丸太町にある御所近辺や桃山御陵を散歩する予定でいたが、父との会話で「『GRACE(グレース)』っていう良い紅茶専門店があるよ」と言われて、そこに惹かれるものがあったので、その紅茶専門店がある烏丸通り沿いを歩くことに決めたのである。

今回のコースは京都駅から烏丸通りを北上して四条烏丸まで至るコースで、歩数にすると片道約8000歩、往復で約16000歩。1歩を約50 cmとして概算すれば、約8 km。散歩としては丁度良い距離だ。運動量の目安としては1日1万歩がよく言われる距離であるが、それを悠々と超える。いいじゃないか。おいしい紅茶を飲んで、秋の澄んだ空気を感じつつ、運動もできる。最高の休日(無職にも一応休日という概念は存在する)の時間の使い方だと思い、早速出かけることにした。

JR京都駅を京都タワー側(北側)に出てヨドバシカメラがあるところをそのまま北上すると、東本願寺が見えてくる。ここを散歩していたときにこんなものが目に入った。

画像1

『迷惑をかけずに生きられる人は一人もいないのです』

私がこのとき思ったのは、「世の中の人は皆、誰かに迷惑をかけて生きている。一見誰にも迷惑をかけていないように見える人は、迷惑をかける先が多岐にわたって分散しているので、迷惑が細分化されて、そのひとつひとつが大した重さにならないために、迷惑をかけられた側はそれを『迷惑』と認識しないのではないか」ということである。

要は色んな人に依存する(依存先をたくさんにする)というのが大事なのである。一人の人に重荷を背負わせてはいけない。そうしないと、相手は嫌がって人はますます離れていき、孤独な状態に陥ってしまう。そうなると、依存先が減り、一人あたりにかける迷惑の重さがより重くなり、もっと人から敬遠されるようになり…という悪循環に陥って、最終的には誰も助けてくれる人がいないという最悪の状態に陥ってしまう。私が見る限り、精神的に健康な人は適度に友人(そうでなくても頼れる存在)がおり、その人たちに適度に依存している。皆、誰かに迷惑をかけているのだから、迷惑をかけることを怖がってはいけない。そうすることで、結果的に人様にかける迷惑も少なくて済むといった寸法だ。「なるほど、これは至言だな」と思ったので、思わずカメラを手に写真をパシャリと撮った次第である。

さて、内心の話はこの辺にして、この東本願寺あたりから見える綺麗な景色の写真でも貼っておこう。

画像2

葉っぱが所々紅葉し始めている。今年も最近はかなり寒くなり、そろそろ紅葉シーズンに入るころである。紅葉の期間もそう長くはない。この紅葉シーズンが過ぎれば、今度は肌寒さが身を刺すような痛い冷たさに変わる。いよいよ、冬の到来だ。紅葉の話に戻すが、京都は言わずもがな、神社仏閣が多く、紅葉スポットも非常に多いので、例年この時期は観光客が爆発的に増える。今シーズンはコロナの影響でどうなるか未知数だが、今日の京都駅の人出を観察すると、ここ2週間くらいの間に明らかに人が増えている。今年も例年通りとまでは行かないかもしれないが、かなりの数の観光客が訪れることが予想される。私もせっかく京都に住んでいるので、東福寺あたりにでも紅葉を観に行こうか検討しているところであるが、いかんせんお財布事情がかなりヤバいので、外出を控えようとの思いもあり、両者の間で葛藤している。なお、最近聞いたことだが、東福寺には生木を焚く講堂があるらしく、実際に訪れた人から話を聞くと、「途轍もなく良い香りがして、その場から離れられない」そうだ。最近、お香にも興味を持ち始めた私にとっては大変関心を刺激される話である。いずれにしても、この並木の写真、大したことのないよくある風景の一部を切り取ったものに過ぎないが、実際に目を通して見るのと、写真を見るのとでは当然だが感じ方がまったく違う。その場の秋の気配や澄んだ空気を感じながら、周りの景色との連続の中で景色を見るのと、紅葉だけを切り取った(気配や空気、周りの景色といった情報を捨象した)景色を見るのとではまったく違うのだ。気になる方はぜひ一度現地を訪れてほしい。場所は京都駅を京都タワー側に出て少し歩いた所にある。写真で見るのとはまた違った景色が目に映ってくるはずだ。

そのまま烏丸通りを北上すると、五条烏丸を過ぎたあたり、丁度コメダ珈琲の隣にこの紅茶専門店『GRACE』が見つかった。結構小さい店なので、烏丸通りの東側の道を歩きつつ、右側を注視しながら歩かないと見落としてしまうかもしれない。

紅茶を飲みたい気持ちがはやり、肝心な外観の写真を撮るのは忘れてしまった…。店内に入ると入り口付近の空いた席を用意してくれた。客層は妙齢のマダムが多い。皆お金持ってそう…。「我に似つかわしくない店に来てしまった…」という思いと、それによるわずかな居心地の悪さみたいなものを入った瞬間に感じてしまったが、「ええい、ままよ!」の気持ちで開き直って店に入ることにした。小さな店だが、席の間隔は(コロナの影響もあるのかもしれないが)広めにとってあり、決して窮屈さを感じない。白いソファの上に腰かけてメニューに目を通していると、私の席からこんなものが目に入った。

画像3

日本紅茶協会が認定する『おいしい紅茶の店』認定証だ。日本紅茶協会というのが、どの程度紅茶界で権威をもつ団体なのかは知らないが、これは期待大だ。ちなみに受賞したのは2008/11/01となっており、かなり古くから評価を確立しているお店のようだ。これは楽しみになってきた。

メニューはこんな感じ。メニューの冊子からしてまず洒落ている。上品な濃いめの茶色とザラザラした手触りで少し高級感がある。(まあ、メニューの外観なんてどうでもいいか…(笑))

画像4

メニューの中を見ると、こんな感じになっている。

画像5

画像6

画像7

画像8

画像9

このお店では、スリランカの紅茶(セイロン)とインドの紅茶(ダージリンやアッサム)がメインというか、売りになっているっぽい。私は現在胃袋の調子がそんなによくない。なので、最初はセイロンのウバを頼もうとしたが、メニューによると渋味が強めとのことだったので、渋味によって胃が刺激されないように、今回は比較的マイルドなセイロンのキャンディを選択した。あと、一枚目の写真にある『アールグレイのシフォンケーキ』が非常に美味しそうだったので、それも併せて頼むことにした。

10~15分ほど待って到着したのがこちら。

画像10

画像11

画像12

とりあえず、アールグレイのシフォンケーキがめちゃくちゃ美味かった。決して甘ったるくなく、紅茶の風味が結構強く漂ってくる。しかし、キツい渋さはない。甘味と渋味と香りのバランスが取れた完成された一品だと感じた。シフォンケーキは固めではなく、柔らかめで、まったく重たくなく、胃にスルスルと入ってきた。甘さが足りないという方は、付け合わせのクリームをつけて食べるとより美味しく食べられると思う。私的には、クリームなしで丁度良い甘さだった。

紅茶の方は、メニューに書いてあったとおり、渋味はかなり控えめであった。だからといって、香りが弱いかというとそんなことはなく、味もしっかりとコクがあり、柔らかい渋味の中に微かに甘味を感じる。私は紅茶に関してはまったくの素人なので、詳しいところはわからないが、さすが専門店だけあって、しっかりしたものを出してくるなという印象だった。

紅茶とケーキを楽しみながら、本を読んだり、Twitterをしながら、40~50分は滞在したように思う。大変優雅な一時を過ごせた。会計は1330円だった。チェーンのお店よりはもちろんお高めだが、それに見合った体験ができる良い店だと思った。たぶん再訪する。

このまま、烏丸通りを北上して四条烏丸に着いた後は、大垣書店の本店に行って漫画を数冊購入して、帰路についた。実は今日書店を3件回ったのだが、そこで驚いたことがある。私は週間少年ジャンプで連載されている『呪術廻戦』という漫画が欲しかったのだが、どこの書店に行っても見当たらない。「呪術廻戦、売れすぎ…」「下手をすると、今世間を席巻している『鬼滅の刃』より売れているのではないか…?」鬼滅の刃は映画化にあわせて大量に入荷したはずなので、そもそも在庫が多いというのが正確なところなのであろうが、それでも異常な売れ行きである。最近アニメ化された影響も大きいのだと思うが、他の作品よりもはるかに売れ行きがすごい。これは第二の『鬼滅の刃』になるかもしれないと思った。

この後、そのまま来た道を南下して、京都駅まで戻って、家路についた。今回の散歩の記録は以上である。最後に帰り道で見えた綺麗な景色の写真でも貼って終わりにしよう。

東本願寺

画像13

烏丸通り北側からのぞく京都タワー夕景

画像14

京都駅側から見た京都タワー夕景(夜になるとライトアップされて綺麗だが、薄暗い雲にタワーの光が映える、これもまた一興)

画像15

最後に皆さんお馴染み、JR京都駅

画像16


以上!ここまでお付き合いいただきどうもありがとう!またよろしく!


ご支援ありがとうございます。また見にきてくださるとうれしいです。頂戴したお金は大切に使わせていただきます。