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ユーザーに支えられて5周年!メギド72が実践するコミュニティマーケティングとは?

こんにちは。DeNAのモリシーです。
先日、DeNAの「コミュニティマーケティング」に関する記事を公開させていただきました。とはいえ実際にどんなことをやっているのかもっと知りたい!
ということで今回は、ゲームタイトル『メギド72』で実践するコミュニティマーケティングを紹介していきます。

岡田 典子
ゲームサービス事業本部グローバリゼーションマーケティング部
マーケティング推進第一グループ

『メギド72』の魅力とは?

モリシー:早速ではありますが、『メギド72』はいったいどんなタイトルなんでしょうか?

岡田:『メギド72』は2017年にリリースされたDeNAオリジナルタイトルです。「絶望を希望に変えるRPG」を謳い、物語の深さや戦略性の高いゲームシステム、個性豊かなキャラクターが特徴のアプリゲームになっています。2019年には、アプリゲームでありながら日本ゲーム大賞も受賞しています。ゲーム好きな方にはぜひ遊んでいただきたいタイトルですね!

モリシー:リリースから2年で日本ゲーム大賞ですか!なんとも順風満帆そうですが・・・

岡田:実は全くそんなことはなくって・・・ストーリーや世界観に関しては評価されつつも、ゲーム性の複雑さや、遊ぶ上での体感の悪さといった課題もあり、リリースから1年でクローズの危機に瀕している時期もありました。

ユーザーさんの支えで、危機を脱したメギド72

モリシー:リリースから1年でそんな時期もあったんですね!どうやってその危機を脱したんですか?

岡田:そんな苦しい時を支えてくださったのが、ユーザーさんたちでした。
自身の周りにいる方にメギド72を紹介してくれたり、改善提案だけでなく、良い点や楽しめたポイントについてご連絡いただいたり・・・そんなユーザーさんたちのお声も取り入れながらアップデートを繰り返し、口コミを中心としてユーザー数を伸ばすことに成功しています。私は2020年から徐々にチームにジョインしたため、この時代のことはあまり詳しくないのですが、ユーザーさんの間では「マーケ費を開発費に使ってしまったゲーム」と言われていたようです。

モリシー:ユーザーさんの支えがあって、今もサービスが継続しているんですね。

岡田:そうですね。ユーザーさんがメギドの話をしやすくなるよう、ゲーム内の素材や譜面を公開したり、また、開発チームやデザイナーが考えていることを定期的に公開するようにしています。また、時には一緒にデジタル広告のクリエイティブをつくることもありました。苦しい時を支えてくれたユーザーさんに末永くゲームを楽しんでいただけるよう、メンバー一同、ゲーム内外での企画を展開していっています。

モリシー:昨年12月に迎えた5周年では、かなりTwitter上で話題になっていたとか・・・

岡田:5周年という節目の年だったこともあり、プロデューサーと何度も話し合い、戦略を立てていきました。
長期運営タイトルでは、ただ広告配信を行っただけでは新規ユーザーさんの獲得はかないません。
このため、SNS中をメギド72の話題で埋め尽くして認知度を高め、コミュニティの熱量も活かして、獲得した新規ユーザーのタイトル理解、定着を目指しました。
具体的には、5周年の直前には、既存のユーザーさんのワクワク感を高める施策を、5周年当日は、拡散性が高い施策や生放送、デジタル広告の配信を、そして、周年後はしっかりゲームで遊んでもらえるように、ゲーム内と連携したキャンペーンを実施していきました。

モリシー:なるほど、コミュニティの力も活用して、「メギドを知る」だけではなく、「メギドを理解し、遊び続けてもらう」といった状況を目指したんですね。
その中でも、特にTwitterのアイコンジャックが話題になっていましたね!

Twitterのアイコンジャックで話題沸騰!チーム全体でのチャレンジ精神

岡田:ありがとうございます!ずっとマーケチームで”いつかやりたい企画”として温めていた施策だったのですが、想定以上の反響にチーム一同驚きました。ユーザーさんがキャンペーンに参加すると、周年当日、参加者のTwitterアイコンが一斉に号泣するソロモンに変わるという企画でした。最終的に7,000人近い方が参加してくださり、ねとらぼさんはじめ、ネットメディアにも多数取り上げていただきました。どんなアイコンになるかは事前告知はせず、キャンペーン当日、突如として大量発生した号泣するソロモンのアイコンに、みなさんとても驚かれたようです。

モリシー:かなりチャレンジングな内容で、よく承認が下りたなあと思ったのですが・・・

岡田:最初プロデューサーに提案した際は、「実施する意味」についてはつっこみが入りました。しかし、コミュニティ全体でどういった空気をつくりたいのか、どんな体験を提供したいのか、を伝えたら、すんなりと受け入れてもらえました。タイトルとしてやるべきかどうか、といった判断や議論は都度発生しますが、チーム全体でチャレンジを後押ししたり協力する姿勢があるのは、このタイトルのいいところかなと思います。

モリシー:チャレンジをさせてもらえる環境があるのはいいですね!ほかにもなにか事例はあったりするんでしょうか?

岡田:チャレンジという観点だと、企画チームのメンバーが「もっとモーションやストーリーを映像で届けたい」といってTikTokYoutubeにショート動画を投稿したり、アートチームのメンバーが、もっとユーザーさんと距離感近くコミュニケーションをとりたい、といってInstagramのアカウントを立ち上げたり、とマーケにとどまらず、みんなチャレンジができているように思います。

コミュニケーションを生む施策とは?会話の広がりを生む施策の成功例

モリシー:なるほど。様々なメンバーがユーザーさんに何かを届けようと奮闘されているんですね。コミュニティに向けた施策を検討するうえで大切にしていることはありますか?

岡田:キャラクターや世界観を大切にする、といった当たり前のことはもちろんですが、大切にしていることは、「余白を設けること」です。
今回の施策では、アイコンにあえてタイトル名を入れませんでした。その代わり「号泣5周年」というテキストを入れています。タイトル名を入れるよりも、入れないパターンの方が、会話としての広がりがあると考えたからです。

モリシー:会話の広がり、ですか・・・!

岡田:あえて名前を入れないことで「この少年は誰なのか?」「なぜ泣いているのか?」「なんでこんな企画が行われているのか?」といった疑問や会話が生まれます。また、既存ユーザーさんが面白がってくれることはもちろん、説明や会話をしてくれることで、コミュニケーションが生まれます。今回はこの会話や投稿をきっかけに新たにゲームを始めてくださるかたがたくさんいらっしゃいました。つっこみどころを用意しておくことで、会話のきっかけを生むという感じですね。
ストーリーや、キャラクターのモーション、イラスト1枚をとっても、ユーザーさんが想像して楽しむ余地や、会話を楽しむ余白を残すことは、チーム全体で意識しているように思います。

▲「メギド72」の5周年時、Twitter上で多くの方が号泣アイコンになっている様子

メギド72の将来展望、これからもユーザーコミュニティと共に

モリシー:なるほど。受け取り手によって様々な解釈を残しているんですね。最後に、今後のマーケとしての目指すところを教えてください!

岡田:メギド72は、ストーリーもキャラクターも、たくさんのコダワリが詰まっていて、幅広い層の方が楽しめるタイトルです。また、そんな作品をつくりあげる開発や企画メンバー、アート&音楽チーム、映像やグッズの制作会社さん、コラボ先の担当者さん・・・と、挙げだしたらキリがありませんが、タイトルに関わるすべての方が本当に熱い想いを持ってメギド72にを作り出してくれています。
1人でも多くの方にその想いや作品そのものが届くよう、これからもそのきっかけづくりに力を入れていきたいです。

また、たくさんの温かいユーザーコミュニティによってもメギド72はつくられてきました。何十年後の未来も、ゲーム内外の施策や体験を通してできた想い出が、ユーザーさんの間でふと思い出されるようなタイトルにしていきたいと思います。

まずはそろそろやってくる6周年(72か月記念日)に、どんな体験が提供できるのか、考えていけたらと思っています。

モリシー:6周年も楽しみにしています!本日は、ありがとうございました!

インタビューは以上となります。
岡田さんの「メギド72」に対するコダワリや熱い想いが伝わってきました!チーム全体でのチャレンジ精神も素敵ですね。6周年も何が起こるか今から楽しみです!
次回以降も引き続きDeNAのマーケティングのあれこれを紹介していきます!
お楽しみに!


▼メギド72 公式サイト

出典:ねとらぼ「Twitterに突如“号泣アイコン”大量発生で地獄のような光景に → ゲームのトンチキキャンペーンによるもので参加者も「われわれは被害者」」(2022年12月07日)

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