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炎天、炎上、神宮球場。

神宮球場に今季初参戦。ノミの心臓となった身には、その日をいつに定めるかある程度の考慮をしなくてはならない。ということで雨のリスクは高いものの、まだ真夏には遠く帰途の心配も不要ということで、6月下旬の交流戦、対オリックスのデーゲームが設定された。

梅雨の中休みということで雨の心配もない日曜日、気温は高くなるそうだが雲は多め。いつものように信濃町から球場へ向かう。緑の中を時折流れる風が心地よいいつもの道。水分と昼飯を買って早めのスタンド入り。

さっきの風はどこへやら、風はほとんど止まっている。暑い。ほんの10数分で体がじりじりと灼けるようだ。コットンを通して腿が瞬く間に熱くなる。帽子をかぶり、通気性のいいメッシュの「オスナ」に着替えて水分だけを頼りに観戦する。試合はオリックス宮城と小沢(ちなみに野球に関心のない人のために蛇足ながら付け足すとオザワではなくコザワであります。低迷スワローズにあって今最も安定感のある投手といっていいでしょう)の投げ合い。今日もまたあと一歩で崩せそうな宮城を攻略できない。

どうも変だなと思ったのは4回に入ったあたり。体がどうも「シャン」としない。じっとしているのが苦痛になってきた。首のうしろあたりがどよーんと重い。これはまずいぞと妻に断って席を離れる。とにかく日の当たらないところへと青息吐息で通路の方へ行き、年代物の壁掛け扇風機の下でしばし時間をすごす。見渡すといつにもましてこの狭い通路に人があふれている。みんなしばしの「避難」をしているのだ。休みながらこれも長蛇の列になっている売店に並ぶ。遅々として進まない列にも今日ばかりは行列嫌いを返上し「どうぞごゆっくり」なのだ。それにしても、プロ野球球団のホームグラウンドとしての神宮球場はもう限界なのだろうなと、この混雑をみて思う。ドーム球場は全く歓迎しないが、およそ快適性とはほど遠いこの施設を、ノスタルジーだけで語ってはいけない。(当たり前だが神宮外苑の「再開発」とやらはまったく別の話)。

しばしの休息で生き返り、ドリンクとアイスを買って席にもどる。試合の経過はモニターで確認していた。小沢が好投を続けている。成長著しいとはこのことだが、打線は相変わらずそれに応えない。小沢は6回を97球3被安打、失点は0という素晴らしさ。その裏の攻撃は9番小沢に回ることなく8番で終わった。中継ぎの疲弊も言われる中、ここはぜひ100球を超えてもあと1イニング小沢で行ってほしいと思っていると、7回はあっさり星にスイッチ。「今日こそ続投でしょ」と思うそばから頓宮にホームランを喰らう。あげくの果ては代わった丸山が塁を埋めてしまいとどめのゴンザレスの満塁ホームラン。その後は反撃の気配もなく、水分を採っていなければ間違いなく倒れるような展開で初参戦は終わった。

試合後の高津監督「小沢は最初は60,70のめどだった」97球まで投げたのはそれでも好投したからだといいたげだが、ほんとうか。「何度も言うように先発がしっかりしないと。もうちょっと先発ピッチャーがイニングを稼いでほしい」というならこの日はチャンスだったと思うのだが。

采配にはあまり偉そうなことを言いたくないのだが、どうも今年は苦しい台所事情の中の日替わりオーダーに深慮をくみ取ることがほとんどできない。そして何より高津監督の発言に昨年までチームを引っ張った「言霊」が感じられない。体裁を取り繕うだけで一言一言に血肉が通っていないと思うのは気のせいか。どこかの都知事(一人しかいませんて)やあちらやそちらのセンセイ方のようにはなって欲しくないのだ(本当はどこかの監督というのも入れたい)。

それにしても熱中症対策にはとにかく水分、その一口一匙があなたを救うというを実感した神宮球場。炎天下で頭がやられた年寄りの独り言であります。

見出しの画像は「もげら」さんの作品をお借りしました。ありがとうございます。

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