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いわき市でオクラとネギを栽培!助川さん−「新規就農者が農業をどこでどう学ぶか」#10

「就農したいけど農業大学とか、農業研修とか、正直どこで学ぶのがベストなのかわからない」って人もいらっしゃるのではないでしょうか?

前回記事に掲載した白石ファームで研修を積み、現在は独立をしてオクラとネギを栽培している助川さんにお話をお聞きしました。
「なぜ原発の風評被害のあったいわき市に就農したのか」、そして「栽培のこだわり」についてお話をお聞きしました。

そのお話を元に、「農業を勉強するにはどのような方法があるか」「良い研修先の選び方」について私なりに考えてみました。

どのような経緯で農業をはじめられたのでしょうか?

親戚が農業をやっていたこともあり興味があって、一番最初は親戚の農地で農業をやらせてもらいました。

でも、その時は1人で農業やっていても上手くいきませんでした。
だから、大きな農家さんのところで勉強してから独立しようと決意しました。

関東の研修先へ行く前に地元の農家さんからも勉強しようと思い、白石さんを紹介してもらって1週間くらい研修に行きました。

ただ、その時は原発の風評被害もあって、わざわざいわきで農業をしようとは思っていませんでした。というのも、元々いわきに農地があったわけではなかったので。

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では、なぜ地元いわきに残ることになったのでしょうか?

白石さんの野菜がおいしかったからです。
もっと言うと、白石さんのところでつくっている里芋がおいしくて、いわきを出ることができなくなりました。

煮物とかグラタン、ピザ、プリンにもして食べれるんですけど、とにかくおいしかったんです。
やはり、おいしさをつくっているのは土の状態が良いからだと思います。
化成肥料をまかないので、土地が痩せないんです。

➖白石ファームではどのような研修をされていましたか?

白石さんの日常にずっと一緒にいました。
2年間の研修で技術を学ぶ以上に、新規就農は人脈ができることがとても重要だと思っています。

売り先って年月かければ増えるものではなくて、自分できっかけをつくるのが難しいと思っています。「信用」が大切です。
もちろん、その前提としては、おいしいものを提供したいと思っています。

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➖白石ファームの研修を経て、独立してからは何を育てているのでしょうか?

今期はオクラとネギを栽培しています。
ただ、まだ土の力だけだとおいしく育つことが難しいので、自然農法では栽培できていないのが現状です。
自然農法はいろんな条件が重ならないとできないと思っていて、1年や2年ではできないと思っています。化成肥料を入れない分、何かで補わないといけないので、自然農法に切り替えるかどうかは難しい判断です。

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助川さんのオクラのこだわりってなんでしょうか?

俺のオクラは筋が張っていなく柔らかいのが特徴です。

そうするために、オクラを植えるときは、ポットにタネを3つ入れているんです。密植すると上に伸びる力を抑えることができて、実が硬くなることを防いでくれます。

また、鮮度も大切にしています。
収穫したものはすべて次の日にはお客様の手元に届くようにしているので、一番おいしい新鮮なタイミングで食べられる努力をしています。

ここらへんは魚がおいしいのですが「野菜もおいしいね」って地元の人たちに言ってもらいたいです。
なので、なるべく地元の人に喜ばれるようなものを作っていきたいと思っています。

助川さんのオクラとネギ、食べてみたいです!

ぜひ!いわきへ遊びに来てくださいね。

購入できる場所

助川さんのお野菜はどこで買えるのでしょうか?

スーパーマルトの地場野菜コーナー、直売所、パン屋さんに出荷しています。



就農希望者が農業をどこでどう学ぶか

今回助川さんから新規就農の際にどこでどう学ぶかについてお話がありました。そもそも、農業を勉強するには、どのような方法があるのか調べてみました。

農業を学ぶ種類は主に2つに分類することができます。(独学で参考書やインターネット等から学ぶ人もいらっしゃるようですがここでは割愛。)

①学費や参加費用を運営元に支払って勉強する方法
座学として知識を得たいという人に向いています。

農業大学:生物学や遺伝子学などといった人間生活と関係する食についての学問を学びます。(主に4年制)
農業大学校:農業大学より実践的な農業に関する知識を勉強します。(主に2年制)
就農準備校
セミナー

②プロ農家の元で働きながら学ぶ方法
学校での勉強よりも実践的な知識を学ぶことができます。

農業研修:受け入れ農家もしくは法人の元で日常の農作業をはじめ、農村での生活、地域社会の参加を学びます。研修先から研修手当をいただく場合と農業次世代人材投資資金の準備型等の農林水産相や各自治体が出している支援資金を活用できる場合があるようです。
農業法人で勤務:実際に農業法人で働きながら学びます。

助川さんは「農業研修」という形で就農されました。私が訪問している農家さんたちも同様のケースが多く見られました。

「農業研修」を選ぶ理由には、独立して就農を目的としているため、教える側も教わる側も期間内に何を学ぶべきか(教えるか)考え、独立に向けてモチベーション高く活動することができること。
また、座学では学べない、その地域独自の「雹害(ひょうがい)」「台風」等があったときに、どう対処すべきかも含めて実践的に学ぶことができるため、「農業研修」を選ぶ人が多いようです。

良い研修先の選び方

では、研修生として農業を学ぶ時の研修先はどのように選べば良いのでしょうか?

農業研修は一般的に1年以上2年未満が一般的です。
まずは研修先を探す前に、良い研修先の基準を自分で決めることが重要です。

基準の例は以下の通りです。

・研修後もその地域の土地で就農したいか?
就農時には「農地探し」「農機具」「販路確保」が必要です。助川さんのように研修の段階で人脈をつくったり地域に認めてもらえると、就農しやすくなります。また、困った時に気軽にプロ農家さんへ相談することもできるため、就農希望地と近い研修先を選ぶことも重要です。

・しっかりとした知識や技術が得られるか?
作物を生産する際には栽培の基礎知識、病害虫対策、機械の知識、経営計画書の作成方法、簿記の知識が必要です。
ただし、将来的に規模を拡大して人材雇用も可能なので、自分の目指す将来像をイメージし、研修プログラムに含まれているか確認しましょう。

・自分自身のやりがいやモチベーションにつながるか?
例えば、将来的に自然農法で少量多品目を育てたいと思っているのに、慣行農法の大規模に果樹を生産している農家へ研修に行っても、目指す先が異なるため学ぶ意欲が減退するってこともありますよね。
何を目的にどういうこだわりでどんな作物を育てたいのかを明確にした上で、研修先を選んで研修先へ予め伝えておくとやりがいやモチベーションにつながります。

他にも、農業に必要な資金の準備等ありますが、就農に必要な資金はその土地、作物、等によって異なります。

まずは上記の基準を明確にした上で、いくつか該当する研修先を挙げ、受け入れ農家や法人へお話を伺ってみることをお勧めします。

各都道府県や地方自治体で新規就農に向けた勤務先研修先の紹介をしていますので、詳しくは農林水産省のHPをご覧ください。
また、就農希望地の都道府県等でも就農に向けた相談窓口を設けているので、ぜひHPを検索してみてください。(例:埼玉県の就農支援


ちなみに、

白石ファームでは、現在若い研修生達が就農に向けて頑張っています!

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ラーメン二郎が大好きすぎてあだ名が「二郎」の芳賀さんは果樹農家になるため研修を直向きに頑張っています。
また、「食べる人を笑顔にしたい」と思い農業研修しつつ料理も学んでいるあやかさん、等、みなさんエネルギッシュに活動しています。

また実際に就農して農家になった際には記事でご紹介できれば嬉しいです!

【参考URL】
アグリナビ「目指せ新規就農!成功するための研修先の選び方とは?


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新規就農者がどの農地で農業を始めるか」も以前記事にしているので、よろしければご覧ください。

「なぜnoteをはじめたのか?」はこちらをご覧ください。

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今日も皆さまにとって笑顔あふれる1日となりますように。


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