マガジンのカバー画像

くらしのともしび

112
病とともに生きること
運営しているクリエイター

2023年4月の記事一覧

未来を信じる自由

未来を信じる自由

病のあるからだと
暗くなるこころの
不自由はわたしに
なにをなすだろう

いかなることをも
想いえがいていい
ひとに与えられた
えらぶことの自由

未知なるものから
明かされる調べが
信じるものにのみ
ささやく音なき音

からだとこころは
みずからを用いて
開かれた入り口を
わたしに指し示す

***

病に導かれた命へ

病に導かれた命へ

病があるからこうだという
わたしの思いを離れたとき

そう在るわたしそのものが
命のあらわれとして在った

足かせをはずせないという
わたしの思いこみを捨てて

わたしそのものを見たとき
病をこえた命が生きていた



なにもさえぎる柵はないと
わたしが気づいてはじめて

命はどこまでもつづく地を
みずからの足で踏みしめる

病にみちびかれたわたしの
命がようやく歩きだしたら

いつか自由に駆け

もっとみる
きずは光の通り道

きずは光の通り道

からだにある手術のきずが

やまいの癒やしだけでなく

かかわる多くのひとたちの

やさしさも含みもつように

きずはいたみに終わらずに

さきの希望をうちにひめて

いたみから光をそそがれる

あたたかさを伝えるために

***

こころが粉々になったとき

あらゆる傷の一つひとつに

神さまの光が振りまかれる

ことを思い出せますように

(わたしの訳)