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#2 正月休み、どうせ暇なら映画でも

映画とフットボール by たけお


叫ぶ長友

『ブラボー!!』
長友佑都、なんだかんだでキャッチーな存在であり、上記発言は恐らく流行語として、ネットミームとして、お笑い芸人のつかみのネタとして・・etc、しばらくは各所でヘビロテされていくだろう(今日は12/4。現時点ではクロアチア戦も終わっていない)。
それにしても本田圭佑はじめブラジルW杯世代のエセ・ビジネスパーソン的強度はいつまで続くのだろうか(槙野があからさまに影響を受けている姿は滑稽だ)。
ハイパー・メディア・フットボーラー本田がスペイン戦後に「結果ほど日本サッカー界の未来は楽観視できない」とツイートしていたが、個人的には、「あなたが今のポジションにいる事こそがサッカー界にとって不安なのですが」と、それこそ(心の中で)呟いている(ビジネスに肩入れするフットボーラーへの危惧は別の機会に・・)。

さて、映画だ。
映画とフットボールの親和性は高い。
W杯直後の記事で『映画とフットボール』と題して筆を進めるのも悪くない。正月休み、W杯の余韻に浸りながら観てほしい。

『自転車泥棒』ヴィットリオ・デ・シーカ(1948年)

『自転車泥棒』より

「おい、W杯の余韻に浸るって言っておいてそれか」と声が聞こえてきそうなチョイスだが、決してお祭り気分に水を差したいわけではない。「映画とフットボール」と言う切り口は一筋縄では行かないのである。
ネオリアリズモを代表する傑作にもフットボールは象徴的に登場する(カタールW杯にイタリアが不出場なのは意図するところではない・・)。

映画のクライマックス、1934年W杯決勝やASローマ、ラツィオのホームスタジアムとして1953年までローマの人々の喜怒哀楽を請け負った「スタディオ・ナツィオナーレPNF」が象徴的にフィルムに収められている。

戦後の貧しいイタリアにおいてもカルチョ(フットボール)は大衆の娯楽として機能していた。しかし、映画で描かれる親子はそのカルチョにさえ手が届かない。
スタジアムの前の通りに座り込む親子とスタジアムの中の歓喜。その対比は残酷ではあるが、映画的文法におけるフットボールを最大級に利用出来ていると言っていい。

『トムボーイ』セリーヌ・シアマ(2011年)

『トムボーイ』

『燃ゆる女の肖像』で一躍、最重要作家の位置まで登り詰めたセリーヌ・シアマ監督の長編2作目にもフットボールは登場する。
セリーヌ監督の作家性の特色である”揺れ動くセクシャリティと世界”をイノセントな10代の目線を通すことでより真っ直ぐに問いかけてくる傑作だ。
本作におけるフットボールを端的に言えば「コミュニケーションとしてフットボール」だ。
新しい街に引っ越してきたばかりの主人公ミカエルが近所の子供達と公園でフットボールをして遊ぶ姿。何気ないシーンだが、ミカエルの心情と周りの子供達との絶妙な距離感を描くのに的確な演出ではないだろうか。

世界中の路地で子供たちはボールを追いかける。時に衝突し、時に喜びを分かち合って。かつて男の子のものであり、「男達の」のものであったフットボールは今となっては性別、セクシャリティに関係なく愛されるスポーツへと進化を遂げた(もちろん、様々な問題は今でも抱えてはいるが)事を思うと、この映画もさらに味わい深い物となっている。

『ウィル〜夢を叶える旅〜』エレン・ベリー(2011年)

『ウィル〜夢を叶える旅〜』より

最後に紹介するのは、正真正銘のフットボールムービーだ。
僕の世代にとって「イスタンブールの奇跡」と言われる2004−05シーズンのCL決勝は特別だ。
リヴァプールとミランによる激闘についての詳細は割愛するが、本作は、一人の少年がその伝説の試合に辿り着くまでのロードムービーとなっている。
映画そのものの出来に関しては幾らでもツッコミが入る余地はあるが、『フットボールの持つ物語性』だけを推進力にする本作は、そのフットボールを愛する僕にとっては完璧だった。
これこそ、W杯の余韻に浸って観る最適な映画かもしれない。

「映画とフットボール」、まだまだ深掘りできる気もするが、この辺で。
ブラボーな年末年始を過ごして頂けたら幸いです。

(たけお)


真冬の盆踊り by skitkr

秋から冬にかけて早まる逢魔時。
暗闇から起こる事故に警戒し、「雪」の呪縛に戦々恐々、覗き見する妖怪たち。
そんな季節にある楽しみがクリスマス、そしてお正月。
今回のお題に反して仕事柄正月休みが「ない」自分にとって、年を跨いだことすら感覚がないのに、お祝いの空間と映画を結びつけるのは至難の業でございまして、、、

クリスマスからずっとホームアローン観ればええやんけ

これがせっせと働く自分を尻目に、ビール、つまみ、美味しいご飯、テレビをだらだらと満喫する方々に対する精一杯の送り言葉なのですが。(すいません。。。)

ただ、ただ、もし、自分に長い、長い、正月休みがあったとしたら、、、

正月休みの間に観とくべき映画を考えた際に、正月設定の映画を漁って観ることはないし、クリスマス系も観ない。。
難解な映画に手を付けるほどしゃっきりした状態でもない。

昔は、ばぁちゃん家で夜テレビから流れるマッドマックスを観ていた記憶があるような、ないような。。

やはり、正月はお盆よりも「英気を養う」的なニュアンスを含む期間だと思っているので、考えるより、ただ「観る」ということに重きを置いた作品がいいのかなぁと。

そこでまっっっっっっ先に思いつく映画がありました。

死霊の盆踊り

Orgy of the Dead 1965年 監督 A. C. スティーヴン 脚本 エド・ウッド

まずなにより、この秀逸な邦題を思いついた江戸木純(エド=江戸、ウッド=木)さん凄まじい。。

何も考えずに観ることが苦痛になる作品を拝めたあの日は生涯忘れられません。
「史上最低の映画監督」なる称号を持つエド・ウッドが脚本した本作。
つまる、つまらないという話はもはや論点ではなく、鑑賞するために費やした約90分間を無駄にした時に言う名台詞「時間を返せ」すら愛おしく超越できる一品。


正直、このジャケは良いと思います笑

妖艶な女性が多数出演する一大スペクタクル映画ですが、エド・ウッドが産みだした「史上最低の映画」として君臨している「プラン9・フロム・アウタースペース」も今ブログを書く際に鑑賞しました。

結果的には「死霊の盆踊りの何倍も良い作品」と感じました。

作り方としては諸所?問題はあるかもしれませんが、作品から発せられたメッセージは、もろ昨今の世界問題にも関係しているし、雑な演出が訴えをより際立たせてくれている感じがして、定義が曖昧なクソ映画でも「プラン9~」は愛すべき真摯なクソ映画として語られているんでしょうね。

そしてこちら「死霊の盆踊り」といえば

まごうことなきクソ映画

です笑

簡単な映画説明でも作品の大部分を語ってしまうので、とてもデリケートな物語なのですが、故にぺらいと言われればそれまでなわけで(内容を言ったところでというのもありますが。。だって上の動画が全てだし。。)。

誰かと会話しながらのお供に今作が映し出されていればエド・ウッドも喜ぶんじゃないでしょうか。。

そんなエド・ウッド自体の映画もこれから観るとしましょうか。。。。。

skitkr


廃墟LOVE by 竹田

多くの人がそうだと思うのですが、年末年始ってなんだか気持ちがフワフワしますよね。
いつもは賑やかな町並みがシン…としている感じだとか、テレビをつけて特に面白くもない、だからといって別につまらないわけでもない特番をダラダラ見ちゃう感じだとか。
そんな年末年始特有のフワフワしたバイブスが僕は大好きなんですが、この映画を観たらフワフワした気持ちにより追い打ちをかけることが出来るんじゃないかと思います。

それがこれです。

『人類遺産』という映画です。

先に言っちゃうと、この映画にストーリーはありません。
人も出てきません。
音楽もありません。
ただ、世界各国の遺産(正確には廃墟)の映像が次々と定点で映し出されるだけです。

「え?それって面白いの?」と思われるかもしれませんが…

面白くはないです!
バック・トゥ・ザ・フューチャー的なエンタメ要素はこの映画に全くありません。
「面白い映画があるよ」と言って、友だちにこの映画を薦めるのはなかなかの嫌がらせになると思います。

ただちょっと待ってください。「面白くはない」とうっかり言ってしまいましたが、個人的にこの映画、凄く好きなんです。これを読んでいる人にもぜひ観てほしいんです。
というわけで、「こんな人はこの映画を楽しめると思うよ!」というのを考えてみました。

①映画は好きだけど、映画を観るのが体力的にしんどい時がある。
②情報過多の現代にちょっと疲れている。
③「廃墟っていいよね」とぼんやり思っている。
④旅行が好き。
⑤ヒロシのキャンプ動画が好き。

(ヒロシキャンプ、めっちゃ癒されるのでオススメです)

このどれかに当てはまるのならば、この映画を楽しめるはずです。
あ!あともう一つ付け加えるのならば「音響が好き」っていう人にもオススメです。廃墟から聞こえる音や、雨や風の音がめちゃくちゃ良く録れています。やっぱり映画って音が良いと大分印象変わりますよね。
最近、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の後半のアクションシーンだけをなんとなく見返したのですが、打撃音や血の出る音がめちゃくちゃ気持ちよかったんです。それだけで、アクションの迫力が何倍にも増して見えました。

(あとブラピがカッコいい)

話がちょっと逸れてしまいましたが、上に挙げたどれかに当てはまるのならば、この映画が刺さる可能性大です。
もし当てはまらなくても、ちょっと気になるなぁって方はぜひ観てみてください。

映し出される廃墟の数々は、儚くもあり、美しくもあり、刺激的でもあり、退屈でもあります。

夢の残骸に思いを馳せるもよし。
何も考えずにボケーっと見るのもまたよし。

着地点のないこの映画を観終わったあとは、きっと気持ちがフワフワになっていることでしょう。

そして、『人類遺産』を観た後は、ぜひコテコテのエンタメ映画を観てみてください。
サウナから水風呂に入って整うみたいに、エンタメ映画もいつもと違った感覚で観れるかもしれません。

※『人類遺産』は2022年12月現在、Amazonプライム、U-NEXT、FODで観れます。

竹田




おすすめ映画3選…? by マツハシ


学生の頃、年末年始前後といえば夜更かしをし、真剣10代しゃべり場や深夜にやってるミスタービーンシリーズや映画を見てたあの頃。

特にその時放送してた深夜映画でスタンドバイミーを見てえらく感動した記憶がまだ残ってる。
それに影響を受けて線路を歩いたり冒険したくなったりという事はないが、あの時の感情が今も思い出せるくらい残ってるので映画の影響力はすごいなと思う。

年末年始、時間が取れる方も取れない方も、僕が何かしら感情が動いた映画を紹介するのでもし見てもらえたら幸いだ!
あまりマイナーな映画を僕はあまり知らないので割と有名所ではあるが。。


まずはスタンドバイミーと僕は同じ感動作、グッド・ウィル・ハンティング


有名な映画ではあるが見た事ない方は是非に!
天才的な頭脳を持つ青年と心理学者の先生との交流を描いた作品なんですが、これは最後の終わりに向かう前の二人のやり取りが大好きで、本当に大事なものは何かというのを再認識させてくれる映画です!
新しい年を迎えるにはぴったりの爽やかな気分になれる映画です!

次はこちら、4分間のピアニスト


こちらも主人公のピアノの才能に気付いた教師との心を通わせていくストーリーなのですが…
グッド・ウィル・ハンティングとは違って少し(いや、大分?)暗めです…!笑
暗めですが、絶望的な感じはあまり僕はありませんでした!
最後のピアノ演奏のシーンは賛否があってもおかしくはありませんが、僕は好きです…!
特にグッときたのは女性教師が最後あたりで飲んだお酒のシーンです!
とりあえず見てください!見ればきっとわかります…!笑



最後に紹介するのはメメントです!



クリストファー・ノーラン監督の作品ですね!

妻を殺した犯人を追うストーリーなのですが…
時系列が逆になっているので、大分頭が混乱します!
僕は20分まで見て最初まで巻き戻しました…!
僕はこういう時系列が入れ替わってる映画が好きなので(パルプ・フィクションとか)とても面白かったです!
月末にいくにつれてだんだん暗くなってきます!笑
正直言って年明けに見る映画ではないかもしれませんが、ハマる人にはハマると思うので見た事ない人は是非に…!


以上になります!


えっ…、今までのどれもピンとこなかった…!?


仕方ない、これは最終手段です…。。


これを見とけば間違いないです!



もう、あれしかありません…!
























!??

















…アルマゲドン!!!!!




これでもう間違いないです!
もう、とりあえず間違いないです!

これで、もうオールOKです!!


皆さま、良い年末年始を!!!

                マツハシ

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