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【Tsugumi×deko 鳥の刺繍Collection Op.3】「チョウゲンボウの刺繍バッグ」できあがりました。

超人的なスピードですばらしい鳥の絵と
「物語の欠片」という長編ファンタジーを
創り続けている橘鶫さん
鶫さんの鳥の原画を使わせていただいて、
刺繍作品に仕立てる「Tsugumi×deko Collection」の
3作めがようやく仕上がりました。

鶫さんといえば、猛禽類!
なかでもイヌワシを
さまざまなシチュエーションやスタイルで
多彩に、表情豊かに描かれていて。
イヌワシ愛が、あふれて、こぼれて、羽ばたいています。
そんな鶫さんの、カッコいい猛禽類を刺繍してみたい!
けど、いきなりイヌワシは無理かも。
ということで
とりあえずは、小さな挑戦から。
小型の猛禽類の「チョウゲンボウ」にトライしてみました。

その原画が、こちらです。

作品タイトル「過去との決別」

原画は、こちらに掲載されています。
「鳥の絵を載せるだけの日」シリーズでは、
たっぷりと鶫さんの鳥の絵を鑑賞できます。

尖ったくちばしに、意志のあるまなざし。
瞳に映されている輝き。
鶫さんの描く猛禽類には、さまざまな魅力がありますが。
なかでも私が惹かれるのは、
最後の一枚まで手を抜かずに描かれている
翼の羽の重なりです。
一枚一枚、丁寧に折り重なるように描かれた羽を
刺繍で表現してみたい。
できるだろうか。
気の遠くなるような作業であることは
容易に想像がつきました。

そうして、できあがったのが、こちら。

チョウゲンボウの刺繍(あいかわらず写真が下手!)

それを、バッグに仕立てたのが、こちらです。
今作はバイカラーで仕あげました。

バッグはバイカラーでシックに。

<刺繍バッグ仕様>
サイズ:30(縦)×28(横)㎝
素 材:表地・裏地とも‥‥リネン100%
    持ち手‥‥本革
仕 様:内ポケット付き(14×18㎝)

鶫さんのチョウゲンボウに比べると、
羽の重なりぐあいが……重たいですね。
あのフワッと空気を抱き込むような
しぜんな翼が表現できるよう
まだまだ努力が必要ですが。
初トライとしては、これが限界でしょうか。

今回、最終段階で大きな罠にはまりました。

老眼の罠です。

「やったぁ。できあがった!」とよろこんで
写真に撮っても、通常の目線で観察しても
気づかなかった刺し残しのすきまが、
眼鏡をはずして顔を近づけると
あちらにちらほら、そちらにも、ここにも
あるではありませんか。
しかたがないので、
裸眼で至近距離に近づけて
チクチクとすきまを埋める作業を
延々と続けるはめに。

でも、おかげで良いこともありました。
私が使っている糸は
ごくふつうに手に入る綿の刺繍糸。
探せば絹の糸もありますが、
カラーバリエーションと値段を考えると
こちらになります。
ですから、糸そのものに光沢はありません。
ところが、いつも不思議に思うのですが。
糸を重ねて、重ねて、重ねていくにつれ、
いつしかシルクのような光沢が宿ります。
平面的にただ埋めただけでは生まれない輝きが、
重ねて厚みができることで、
光の乱反射を誘うのでしょうか、
つややかに、またたきはじめます。
その瞬間を手に入れることができて、
肩をパンパンに凝らせ
目がショボショボになったかいがありました。

刺繍は、まったくの独学です。
フランス刺繍、スウェーデン刺繍、日本刺繍、中国刺繍と、
世界にはさまざまな刺繍の技法があります。
私の刺繍がもっとも近いのは、フランス刺繍でしょうか。

ですが、その基本を不遜にも
故意に逸脱しています。
刺繍をはじめたのは、6年前。
はじめるにあたって、もちろん
基本ステッチの載った本を求め、
いちおう練習もしてみました。
ただ、基本のステッチでは
私が表現したいものができませんでした。
(そのあたりについては、またの機会にきちんと語りたいと思います。)

たどりついたのが、
① 刺繍枠を使わない
② 糸は1本どり(通常は2本どり以上です。)
③ 表現したいものによっては、糸を浮かす。
  (つまり、きちんと引っ張らない。)
おおむね、この3点です。

たとえば、今回の作品も
くちばしの下の顎の毛は、
ふんわりとさせるために、
微妙な力かげんで浮かせて刺しています。

そして、私の刺繍で大活躍してくれるのが
左手の親指。

糸は、あたりまえですが、
引っ張ると直線にしかなりません。
ですから、カーブを表現するのが
とてもやっかいです。
アウトラインステッチを使って
少しずつ曲げるという方法もありますが。
鳥や犬などの毛並みでは、
1本の毛が刷毛ではいたように
さっと曲がっている、
その勢いも表現したい。
そうなると、細切れの技法ではムリ。
1本の糸をカーブさせねばなりません。
そんなときは、左手親指で
糸をコントロールして曲げています。
と、これも我流の技法です。

次は、いよいよ
イヌワシに挑戦します!
今からワクワクがとまりません。


【Tsugumi×deko Collection】のその他の作品も、ご覧ください。


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