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連載小説「オールド・クロック・カフェ」

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京町屋を改装したカフェは、一歩入ると時計の森。そこでは、時のはざまに置いてきた忘れ物を教えてくれる「時のコーヒー」があるという。
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#柱時計

小説『オールド・クロック・カフェ』 #1杯め「ピンクの空」(1)

 その店は、八坂の塔へと続く坂道の途中を右に折れた細い路地にある。古い民家を必要最低限だ…

deko
3年前
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小説『オールド・クロック・カフェ』 #1杯め「ピンクの空」(2)

前回のストーリーは、こちらから、どうぞ。  <あらすじ> 京の八坂の塔近くにある『オール…

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3年前
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小説『オールド・クロック・カフェ』 #1杯め「ピンクの空」(3)

前回までのストーリーは、こちらから、どうぞ。 はじめから、読む。 (2)から、読む。 <あ…

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3年前
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オールド・クロック・カフェ #1杯め「ピンクの空」(4)

前回までのストーリーは、こちらから、どうぞ。 (1)から読む。 (2)から読む。 (3)か…

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3年前
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『オールド・クロック・カフェ』1杯め「ピンクの空」 <全文>

 その店は東大路から八坂の塔へと続く坂道の途中を右に折れた細い路地にある。町家を必要最低…

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3年前
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小説『オールド・クロック・カフェ』 3杯め 「カマキリの夢」(2)

前回のストーリーは、こちらから、どうぞ。 <あらすじ> 『不器用たちのやさしい風』で明る…

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3年前
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『オールド・クロック・カフェ』5杯め「糺の天秤」(2)

前話(「糺の天秤」1)は、こちらから、どうぞ。  カラ、ガラガラ……ガラ。  格子戸の音がおかしい。建付けが悪くなったのだろうか。カウンターに腰かけ文庫本を読んでいた桂子は、訝しげに顔をあげる。のっぺりとした風が隙をついて滑り込み、カウンターの上にさげているガラスの風鈴が、ちりん、とひとつ声をたてた。近くの茶わん坂で工房をかまえる常連の泰郎さんの作品だ。もう暦の上では秋なのでしまわないといけないが、清澄な音色が気にいっていて、もう少しもう少しと架けたままにしている。  ぼー

『オールド・クロック・カフェ』一杯め「ピンクの空」【ノトコレ版】

 その店は東大路から八坂の塔へと続く坂道を右に折れた細い路地にある。板塀の足元は竹矢来で…

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1年前
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