大河ファンタジー小説『月獅』62 第3幕:第15章「流転」(5)
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第3幕「迷宮」第15章「流転」(5)
王統の純血を主張するカイル派も、それが本懐ではないという。
「どういうことだ。そちの話は混沌としてわからぬ」
「カムラ王が戦地にてお斃れになった折、王の遺志を実行して条約締結を成し遂げ、戦の処理にあたられたのがウロボス元帥です。これによって、一介の陸軍大将でしかなかったウロボス元帥が絶大な権力を手にされました。幼かったウル王は、まさに飾り