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『ストーリー・セラー』

この作品は私が一番大好きな作品だ。
おすすめの小説は?と聞かれた際に必ず最初に答える作品である。
すでに4回ぐらい読み返しているが、毎回心を動かされる。
心を動かされる小説に出会えた時、忘れていた探し物が見つかったような気持ちになる。何か迷った時、本は道標になってくれる。
だから、小説を読むことをやめられない。

久しぶりにこの小説を貸し出すことになった。
その人とこの小説について語りたいなと思って再度読み直した。
また、新しい発見があったし貸し出した人に最適な小説だったかもしれない。

何回も読んでいるし、何度もネットなどで解説を読んでいるが未だにどこまでが小説の中の創作物か、現実かがわからない。
今回もそれだけはわからなかった。リアルな部分もあり、小説の中のノンフィクションではなく、有川浩さん自身のノンフィクションなのではないかとも思った。


「猫はげかけ」と言った絶妙な言葉の表現。
「エンゲル係数」という少し理屈っぽい言葉の表現。
言葉の表現技法がとても好き。稚拙な言葉しか出てこないが。
小説家は言葉の引き出しが多いなと思った。そして、そう言う人の方が個人的には魅力を感じる。凡人よりも少し尖っているぐらいの人間になりたい私は特にそう思う。書ける側の人間は言葉の表現方法が多彩なんだと思った。
いつしか私も書ける側の人間になりたい。
言葉で誰かを動かすことのできる人間になりたい。
そう思って、このnoteも書き続けている。

もう一つこの作品の好きなところがある。
夫の妻に対する姿勢だ。
「彼女を甘やかすことが人生の目標」
これって夫がそうしたいのであって、妻がそれを望んでいなけれな成立しない関係だと思う。
けど、そんな問題をも凌駕するほど絶妙な引き合いで言動、行動をする。
おそらく、相手のことを思って自然に気を遣えるそんな人なんだろうなと思った。
でも、全員にはできない。その人だからこそできるんだろうなとも思った。

構成も順序もバラバラで辻褄が合わない文章となってしまった。
言葉を上手く扱えるようになったら再度、この小説の感想は書きたいと思う。

最後に最近私の胸に響いた言葉を紹介する。
告白の定義というものだ。


「我々は言葉で伝えることでしが、相手のことを知ることができません。でも基本的に胸の内に秘めることは言いたくないことばかり。それを打ち明けること、それが告白です。」



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