PMの育成には、配置・アサインが重要である話
こんにちは。SmartHRでPMしています松栄(@dekawanwan)です。この記事は「SmartHRのプロダクトマネージャー全員でブログ書く2024」への参加記事です。25人が持ち回りで毎週記事を投稿します。ぜひご覧ください!
さて、PMの育成って難しいですよね。PM関連の悩みごととして、とてもよく出てくる話題だなと感じています。
私も今、PMメンバーの育成に携わっていますが、PMの育成で特に重要なのが配置・アサインだと思っています。
まだまだ手探りでトライしている最中ですが、配置・アサインについて、どんなことを考えて、どんなステップでやっているのかを書いてみます。
3年後くらいまでの組織図を考える
育成でまず大事なことは、未来を見据えることです。育成には時間がかかります。
私は1年後、2年後、3年後それぞれの組織図を描いてみています。もちろんSmartHRはスケールアップ企業なので、いったん描いても3か月後には変わっていることもしばしばです。
でも描いてみることで、いつ、どのポジションが、何人必要になりそうかのイメージを持てます。3年後に追加で必要なPMマネージャー数が3人なのか10人なのかでは考えることが大きく変わるので、まずはイメージを持つことが重要です。
もうちょっと具体的に説明してみます。弊社は急成長中なので、基本的にどんどん部署が増えていきます。一つの部署の配下に部署を足して大きくしていくのか、部署を分割して並列にし、部署のサイズを抑えるのかを考えます。これで、どのレイヤーのマネージャーが何人必要なのかが変わってきます。(弊社で言うと、マネジメントの役職として、上からダイレクター、マネージャー、チーフの3階層あります。)
そして次に、PMたちを組織図の上に置いていき、マネージャー希望のあり/なしを添えます。一人ひとりのポテンシャル、つまり何年後にどのレイヤーのマネージャーになれそうかも考えていきます。
1年後、2年後、3年後それぞれについて、誰をどこの、どの階層のマネージャーにするかをいったん置いていきます。そうすると「思ったよりも数が足りないな」「このレイヤーの層が薄い」「数は足りそうだけれど、Aの領域を任せられる人がいないな...」などに気づきます。
プレイヤーのことも全体ケイパビリティも考える
また、マネージャーだけでなくプレイヤーの不足も見えてきます。弊社のPMのキャリアパスは、マネジメント方面とスペシャリスト方面の両方があります。「この等級のプレイヤーがここにほしい」「この複雑性を扱えるプレイヤーがほしい」なども見えてきます。
ここまででだいぶ煮詰まってきたので、今度は落ち着いて目線を変えて、会社として持っていきたいケイパビリティを考えます。
現在のPM組織のケイパビリティを思い浮かべます。そして今後の経営戦略や事業戦略にのっとり、どんなケイパビリティを強化していく必要があるかを考えます。
たとえば、基盤を強化する必要があれば、Techに強いPMを増やしたほうがいいかもしれません。新規事業の立ち上げが多ければ、0-1に強いPMを増やしたほうがいいかもしれません。ここで、今のPM組織の強みと弱みを再認識できます。
この一連の作業が終わると、育成:採用 = 何:何 で注力していくのか、どんなタイムラインでどんな人を育てる、または採用する必要があるかがクリアになっていきます。会社視点で考えるのはここでいったん終わりです。
メンバー一人ひとりの育成計画を考える
会社の視点から大枠の育成の方針が固まったので、次はメンバーごとの育成計画を考えていきます。私がマネジメントしているメンバー全員分を作ります。
まずは一人ひとりについて以下を整理します。
これまでの経験
もっているスキルセット
キャラクター(粘り強く地道にやれる、リーダーシップがあるなど)
強み、弱み
本人のWill(今後どうなりたい、どの領域に興味があるなど)
そして、これまでの評価も見ながら、一人ひとりについて今後を考えます。考える項目は以下のようなものです。
伸びしろがどこにあるか
成長スピード(何ヶ月、何年でどこまで)
ピッタリはまるアサインはあるか
滞留年数
滞留年数とはなんぞや、と思った人もいるかもしれないので少し解説を入れます。ここで言っているのは、現在のプロダクトを担当し続けている年数のことです。よいPMでも、3年同じような環境であまり変わらないミッションでやり続けていると、成長は鈍化する、というのが私の感覚です。ちなみに3年というのはだいたいで、個々人の成長スピードがあり、1年ごとに変えた方が伸びる人もいます。
基本的な育成方針は、強みを伸ばす・活かすことです。本人が得意なこと、好きなことの方がやはり伸びますし、成果も出るからです。ただPMの場合、どこかが明確に0点である状態も厳しいと考えています。ある程度まんべんなく各業務で100点満点中40点は取れるようにも育てていきます。40点取れているなら強みにフォーカスしていきます。
このように、一人ひとりのPMについて、どんな環境で何を経験してどこを目指すとよさそうか、どのくらいのタイムラインで伸ばせそうか、どんなステップにするかなどを書いていきます。
期待値をすり合わせながら目標設定に活かす
育成計画が決まったら、まずは目標設定に活かします。マネージャーになっていってほしい人にはその期待値を伝えてみます。もともとマネージャー希望があったとしても、希望は変わりうるものなので、本人と改めてすり合わせします。合意が取れれば、マネージャーにつながるようにミッションを渡して目標設定をしていきます。
もちろん、プレイヤー希望の人にはそのコミュニケーションをします。ちなみに、どちらかというとマネージャーよりプレイヤーのほうが目標や配置に気をつけます。担当分野が変わってもマネジメントは学べますが、プレイヤーはやっている業務と成長がリンクしやすいためです。
マネージャー希望、プレイヤー希望どちらにも言えることですが、基本的に目標は毎回「以前より高い目標」にしてもらっています。去年と同じ難易度や、ほぼ変わらないような目標を設定すると、その人に成長を促せないためです(前期の目標をリベンジするときは別です)。一人ひとり、何かしら新しいチャレンジがあるように気をつけています。
配置・アサインをする
ここまでの日頃の準備があって、配置があります。実際には、以下のタイミングで配置(異動や兼務)が起きます。
新規プロダクトを作る
新しい取り組みを始める
既存プロダクトの注力度合いが変わる
他の異動が発生して連動して異動が発生する
会社、個人、両方の側面から考えた育成の方針と、配置との整合性をとります。本人の希望や育成ステップを加味しながら、必要なスキルや経験を持つ人数が、必要なタイミングで揃っているように知恵を絞ります。毎回悩んで行っています。まぁだいたい難しくてすぐに答えは出ませんし、CPOのadachiをはじめとする他の人にも相談します。
以上、私がやっているPMの育成と配置・アサインのお話でした。ちなみに、これがいわゆるタレントマネジメントというもので、SmartHRではこのためのプロダクトを作っています。
ざっと書きましたが、正直まだまだ手探りでやっている部分が多くあります。育成やってるよ!とかこのあたりに興味があるよ!という方はぜひディスカッションしましょう!
また「なぜPMが25人も必要なのか」であったように、今SmartHRでは兼務が多く、人が足りません。興味のある方はぜひお気軽に声をかけてください!we are hiring!
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