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応用行動分析

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自分のための応用行動分析学辞典を作ろうと思って作成しました。 みなさまのご参考になるとよいかなと思っています。
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記事一覧

機能的アセスメント

機能的アセスメント

 機能的アセスメント(Functional Behavior Assessment: FBA)とは,
 アセスメントという言葉は,「評価」や「査定」という意味で用いられています。何かの対策を行うには,事前に評価や査定をすることで,より効果的な介入につながります。

 また,機能的という言葉は,すべての行動には,理由と目的(機能)があるということから,使用されています。

 支援者が人の行動を増やし

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タイムアウト

タイムアウト

 タイムアウト(time-out)とは,好きな活動や環境において,問題となる行動が生じた時に,その活動や環境から切り放す方法です。

 この方法では,問題となる行動をした対象を叩いたり,叱ったりすることなく,問題となる行動を減らすことができます。

 学校現場や家庭における体罰などを減らせる効果的な方法にもなると考えられます。学校現場でタイムアウトに関しては,学校長などの許可を得るなどして実施する

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分化強化

分化強化

 分化強化(Differential Reinforcement: DR)とは,望ましい行動や反応を増やして,望ましくない行動や反応を減らしたりすることです。

 分化強化には4つの方法があります。
①低頻度行動分化強化
②他行動分化強化
③対立行動分化強化
④代替行動分化強化

①低頻度行動分化強化(DRL: Differential Reinforcement of Lower rates o

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確立操作

確立操作

 確立操作(Establishing Operation : EO)とは,人が好む(拒む)物や事象の効力を強めたり,弱めたりすることで,行動を増やしたり,減らしたりする操作のことです。

2つの例をあげて説明します。

 前日に,学校の給食で大好きなハンバーグがでることがわかった男の子は,もっと美味しく食べるために,翌朝から何も食べずに登校しました。

 この例では,もともと大好きであるハンバーグ

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はじめはみんな話せない

はじめはみんな話せない

「はじめはみんな話せない−行動分析学と障がい児の言語指導(谷 晋二先生著)」を読んだ感想を書きたいと思います。

 本の表紙がとてもかわいくて,とても気になっていました。
 購入して読んでみると,本書にはっきりと言語指導の専門書ということが明記されていました。

 個人的な感想としては,応用行動分析学を知っており,実践している人にはとてもおすすめです。
 言語指導にあたりどうやって支援を考えていく

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関係フレーム理論

関係フレーム理論

関係フレーム理論(Relational Frame Theory : RFT)とは,複数の事柄の関係を一方向に学習した場合でも,それらを双方向的に繋ぎ合わせることができることを説明するものです。

2つの例をあげて説明したいと思います。

「同じ」という箱に10円玉の写真が入っており,そこに5円玉2枚の写真を入れれば,10円玉1枚と5円玉2枚は「同じ」と関係づけられることです(長谷川, 2015)

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ルール支配行動

ルール支配行動

ルール支配行動(rule-governed behavior)とは,人の言葉(ルール)によって制御(支配)されている行動のことです。

2つの例をあげて説明します。

A先生が生徒に「この本を勉強するとテストでいい点数が取れるよ。」といいました。するとその生徒は,先生に言われた言葉(ルール)の通り,本を読んで勉強しました(ルールに支配された行動)。

この例では,すぐにいい点数が取れるわけではない

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オーグメンティング(augmenting)

オーグメンティング(augmenting)

オーグメンティングとは,目標を達成するための動機づけのようなものです。例をあげて説明します。

ある男の子がボクシングの大会で勝つために筋トレをはじめたとします。筋トレには筋力を高める効果があります。また,筋力が高まると,①見た目がかっこよくなったり,②健康的な身体になったりといった効果も期待されます。

この例では,ボクシングの大会で勝つためには筋力が必要であることがわかった男の子が筋トレをはじ

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トラッキング(tracking)

トラッキング(tracking)

トラッキングとは、人や文字などが示す手順に従って行動することで、最終的な目標に到達できるといったことです。
2つの例をあげて説明します。

①先生が生徒に「テストでいい点をとりたかったら、このページを勉強するといいよ」と言うことで、その生徒がそのページを勉強していい点数(最終的な目標)をとることができたら、次から「先生」が示す手順に従って行動が増えていきます。

トラッキングは、目標に達成するため

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プライアンス

プライアンス

プライアンス(pliance)とは、人の「〇〇しなさい」と言った指示に従って行動することです。二つの例をあげて説明します。
①指示に従って行動すると「いいこと」がある。
②従わないと「いやなこと」がある。

①指示に従って行動すると「いいこと」がある。
→「いいこと」=ほめられたり、感謝されたりする。
そうすることで、人は「また指示に従って行動しよう!」と思うようになり、次から指示に従う行動が増え

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