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近藤康太郎さんの「問い」

朝日新聞 2023年9月9日(土)朝刊。

多事奏論に、私が勝手に師匠と呼ばせていただいている近藤康太郎さんの文章が載っていました。

 ほーっ!嬉しい。
「お久しぶりです」と紙面に向かって挨拶。
テンガロンハットとサングラスの師匠に。
だからこの写真いつまで使うのでしょうか。その両方を外したお顔が見たい。いやあ、これはアブナイですよ。想いが行き過ぎないようにしないと。

ま、それはいいのです。師匠の文章が出たからには、感想を書かねば。勝手弟子の義務。

間違って伝わらないように、紙面を貼り付けておきます。今回も素晴らしい。

①田んぼで独り、途方に暮れている

近藤さんは、天草で編集委員やライターをしながら、田んぼで稲を作り、鴨を撃っておられます。今年はこの炎天下、水が足りない。汗みどろで雑草を払い、あぜを掘り起こし、モグラたちのあけた穴をふさぐが、それでも水がたまらない。なぜなんだ。チャットGPTに質問しそうになる。

お疲れ様です。灼熱地獄の中、必死に作業されているのですね。この異常気象ですもの。何かがおかしいのでしょう。熱中症に気をつけてくださいね。
(すみません、ファンレターになっております)


②人工知能(AI)を結構な頻度で使っている。

 近藤さんは新しい言語を学ぶのが好きです。スペイン語、フランス語、ドイツ語。尊敬します。その時に、ノートに言語で書き写し、ほぼすべての単語を辞書で引いて構造を理解しようとする。
これ、読書ノートと同じ手法ですよね。その努力が素晴らしいです。
それでも腑に落ちない文章があるとチャットGPTに質問するのだそうです。

③高校数学やプログラミングも独習している。

ひゃあ、なんでそんなに向上心があるのですか。学ぶ意欲を見習いたいです。そこでもAIを使うそうです。例えば3次方程式の解法を質問すると、明らかな誤答を繰り返す。
そこで、近藤さんは「適当言うな!」と怒る。質問を変えると・・・。ここのAIの答が面白いので、引用します。

「すみません、数式の最後部分は間違っていました。ご指摘ありがとうございます。この誤りを訂正して、連立方程式の解き方を続けます」

コラムより

こんなふうに答えるのですね。面白い。めっちゃ低姿勢じゃないですか。私はまだ使ったことがないので分からないのですが。

④「AIに仕事を奪われる」という危機感

ここからが大事なところです。プロのライターには、その危機感が強いとのことです。簡単な記事はAIの方が早く安く書き上げる。でも、そんな仕事は機械に奪われてもいいんじゃないかと近藤さんは言います。

人間の皮を被って、人間の口まねして、うまい〝正解〟を垂れ流してよしとしている輩は、そもそもAI以下なんだ。自戒を込めて言っている。

コラムより

小手先で流そうとする人たちに、近藤さんは厳しいです。「自戒を込めて」と言うところは、おごらない近藤さんらしいところです。

⑤人間にしかできないこと


さて、コラムも佳境に入ってきました。私だけテンション上がっています。

人間の生きる場所はなくならない。人間にしかできないこと。
それは「問い」だと言っておられます。

問うということ。〝答え〟なんか重要じゃない。疑問をもつ。問題を発見する。問いかけこそが人間の人間たるゆえんだ。

コラムより

「問い」なんですね。
実は③にも、「問い」について書いてありました。
「本当はなにを知りたいか、自分で自分に明らかにすることだ」と。

答をすぐに求めるな。自分は何を知りたいのか。何が分かっていて何が分かっていないのか。いま、自分はどこにいて、どこに行こうとしているのか。

そんな問いを自分に向けてみろ!
そんなことを言われた気がしました。私はそう感じました。

いいのでしょうか。そんな勝手な感想で。
いいことにしよう。

コラムのしめ方、最後の一文がスキです。本文を読んでみてくださいね。

では近藤師匠。またお会いする日を楽しみにしています。
お身体を大切に・・・。
 
                   弟子より


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