脳の記憶保管庫に溜め込んでいる性質を自認してみる

 冬の乾燥した時期に、冷たいドアノブを触るとビリッと静電気が起こることがありますね。一度や二度ならすぐに忘れてしまいますが、続けて何度も経験したり、それがあまりにも痛かった記憶があると、次にドアノブを触るときにためらいがあります。それが別の場所のドアノブであろうと、痛かった記憶を思い出して恐怖感が湧くのですよね。

 貴方が今、目の前にある景色を見て、例えば花を生けた花瓶を見ているとします。人によっては、1時間後に「花瓶の色や形はどんなでしたか?」と聞いても、「花の色や種類は何でしたか?」と聞いても全く覚えていないことがあります。そして、「花の他には何がありましたか?」と聞けば、ほとんど覚えていないものです。
 しかし、脳というのはとても高性能で、皆さんが覚えていないような細かい色、形、景色から感じた感情を記憶の倉庫に驚くほどたくさん保管しています。

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