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小林秀雄を読む日々

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『小林秀雄全作品』全32巻を、あきれるほど丁寧に読んでいきます。まず「『私の人生観』にたゆたう」を完結。新連載を準備中です。
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#考えるヒント

はじめての小林秀雄

「批評の神様」とよばれる小林秀雄を読んでみたい。しかし、レトロな表紙の文庫本『モオツァル…

既視の海
1年前
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細かな描写をすれば芸術的というわけではない

美は人を沈黙させる。その言うに言われぬ感動を、どのようにして言葉にするか。その感動を言葉…

既視の海
1年前
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「言絶えた実在の知覚」を「思い出す」

現代の文学は、沈黙を恐れている、その饒舌さは、この恐れを真の動機としている。俳句ぐらい寡…

既視の海
1年前
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我々が投げるべき砲丸は何か

1940(昭和15)年に発表された『オリムピア』(「小林秀雄全作品」第13集)で小林秀雄は、砲丸…

既視の海
1年前
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沈黙を言葉にする

経験を重んじよ。そのうえで自分の心に浮かぶ感覚を大切にせよ。信じるによせ、疑うにせよ、経…

既視の海
1年前
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すぐに分かるような経験は、大したことはない

まず経験を信じよ。信じるから疑うことができるのだ。その一方で、経験もせずに軽々しく信じる…

既視の海
1年前
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言葉のないところに歴史はない

アランの言葉を引いて小林秀雄はみずからの歴史「観」を語ったが、ここには二重の意図があるように思う。 一つめは、小林秀雄が歴史というものを、どのようにとらえているのか、その見方そのものだ。 いくつかあるドストエフスキー論であれ、『ゴッホの手紙』であれ、本居宣長論であれ、小林秀雄の方法論は一貫している。対象となる事柄を徹底的に調べ、文章を読み、その人物ならどう考えたか、どのような言葉を発したか、それが自分の内にありありと姿を現し、声が聞こえてくるまで、考える、想像する、思い出

『考えるヒント』が小林秀雄のプロポ(語録・哲学断章)だ

小林秀雄が生涯つうじて著書を愛読した二人の哲学者、ベルクソンとアランについて、未完ではあ…

既視の海
1年前
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なぜ「アラン論」を書かなかったのか?

長年読み継がれている『幸福論』の著者であるフランスの哲学者アランについて、小林秀雄が彼の…

既視の海
1年前
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身をもって相手と交わり、生まれるのが「言葉」だ

禅というのは考える、思惟する、という意味である。そして「考える」というのは、本居宣長によ…

既視の海
1年前
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