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環境に優しい店舗のサービス:イオンモールの容器シェアリングサービスとは?

こんにちは。日常生活や経済社会活動において、環境に配慮したエコな取り組みが浸透してきました。今回は、イオンモールがはじめた容器ごみ削減の取り組みをご紹介します。

主任研究員 鈴木雄高

テイクアウト容器のシェアリングサービス「Re&Go」

 イオンモール株式会社が、2023年3月1日より、イオンモール Nagoya Noritake Gardenで、NISSHA株式会社とNECソリューションイノベータ株式会社が共同で開発・実証実験を進めているテイクアウト容器のシェアリングサービス「Re&Go」の実証実験を開始することを発表しました。
 「Re&Go」は、テイクアウト容器を利用者が店舗に返却し、洗浄して再利用することにより、容器ごみを削減する取り組みで、2023年2月20日現在、東京都内のスターバックスやローソンなど38店舗で実証実験を実施しているそうです。

図1 テイクアウト容器のシェアリングサービス「Re&Go」の実施イメージ

出典:イオンモール株式会社、NISSHA株式会社、NECソリューションイノベータ株式会社のプレスリリース「イオンモール Nagoya Noritake Gardenにおいてテイクアウト容器のシェアリングサービス『Re&Go』の実証実験を開始」(2023年2月20日)に掲載されている図を参考に作成
https://www.aeonmall.com/wp/wp-content/uploads/2023/02/50ee187aab1e8aaa4abd1dd759b3d4d9.pdf

「Re&Go」導入のメリットとは

 店舗が「Re&Go」を導入することによるメリットを挙げてみます。

  • 使い捨て容器を削減することで、環境負荷を低減できる

  • 環境問題に対する関心が高いユーザーの利用を促進できる

  • 容器の利用と返却のサイクル(図1の1と2)が生まれ、ユーザーのリピーター化、ヘビーユーザー化を図れる

  • 環境に配慮していることをステークホルダーに対して示せる

 容器の洗浄を、店舗(または店舗のある商業施設内)でおこなえば、容器の回収と納品(図1の3と5)の必要がなくなります。配送に伴う二酸化炭素排出がなくなるので(図2参照)、更に環境負荷を低減することができます。

図2 テイクアウト容器のシェアリングサービス「Re&Go」の洗浄を店舗または商業施設内で行う場合のイメージ 
出典:イオンモール株式会社、NISSHA株式会社、NECソリューションイノベータ株式会社のプレスリリース「イオンモール Nagoya Noritake Gardenにおいてテイクアウト容器のシェアリングサービス『Re&Go』の実証実験を開始」(2023年2月20日)に掲載されている図を参考に作成、https://www.aeonmall.com/wp/wp-content/uploads/2023/02/50ee187aab1e8aaa4abd1dd759b3d4d9.pdf

 洗浄が必要な容器の数が多くなれば、洗浄を外部で行う方が効率的だと思うので、ユーザー数に応じて、店舗で洗浄する方法と外部で洗浄する方法を使い分けてもよいかもしれません。

未来につながる取り組みは浸透する?

 今では少なくなりましたが、豆腐屋さんの店舗や、販売車で豆腐を買う場合は、持参したボウルに購入した豆腐を入れてもらいます。カフェでも、マイカップを持参して、購入した飲み物をそれに入れてもらう人がいますよね。テイクアウト容器のシェアリングサービスは、使い捨て容器を削減することには貢献しますが、環境負荷低減への効果を考えると、ユーザーにマイカップの利用を促す方が良いのではないでしょうか。マイカップを使うことで、環境問題を、より自分ごととして考えるのではないか、とも思います。

脱炭素・持続可能な社会に向けた、流通のリーダーシップ

 流通経済研究所では、先月(2023年2月)に3日間にわたるセミナー「流通大会2023」を開催しましたが、3日目のテーマは、「脱炭素・持続可能な社会に向けた流通のリーダーシップ」でした。脱炭素への取り組みなど、持続可能な社会をつくるための活動を推進する、以下の方々をお招きし、ご講演いただきました。

  • 環境省 地球環境局 地球温暖化対策課長 井上 和也氏

  • 花王株式会社 SCM部門ロジスティクスセンター センター長 山下 太氏

  • ワタミ株式会社 執行役員 SDGs推進本部長 百瀬 則子氏

  • イオン株式会社 環境・社会貢献部 部長 鈴木 隆博氏

 このnoteにも、4名の講演を聴講した私が講演概要をまとめた記事を掲載しているので、興味のある方は是非読んでみてください。

 また、流通経済研究所のYouTubeチャンネルには、「流通大会2023」の概要を話した配信のアーカイブ動画があるので、是非視聴してみてください。
※開始23分あたりから、3日目「脱炭素・持続可能な社会に向けた流通のリーダーシップ」について話しています


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