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「インストア・マーチャンダイジング」のススメ~売場づくりの原理・原則をマスターしよう~

こんにちは。「衝動買い」を促す売場づくりの条件には、どのようなものがあるのでしょうか。今回は、インストア・マーチャンダイジングについて解説します。

主任研究員 鈴木雄高

顧客体験を強化するためには

 先日開催した流通ビジョンセミナー「流通大会2023」において、弊所理事で中央大学大学院戦略経営研究科 教授の中村博が、「小売ビジネスモデルの変化とメーカー・マーケティングの対応」と題して講演しました。

 この講演の中で、特に以下の箇所は、個人的に印象に残りました。

 ラッセルの感情円環モデルを踏まえつつ、脳波測定データを示しながら、顧客体験を強化するには、楽しさを高め、ストレスを低下させることが重要であると解説しました。楽しさを演出することで促進が期待できる「非計画購買」を、新たな見方で分類する必要性にも言及されました。

図:ラッセルの感情円環モデル

「計画購買」と「非計画購買」

 スーパーマーケットなどの店舗において、お客様(ショッパー)に優れた顧客体験を提供することが重要ということなのですが、ショッパーのストレスをなるべく低くすることと、楽しさを高めることは、購買の計画性と密接に関係しているのです。
 
 来店前から決めている商品を買う「計画購買」においては、売場や商品を探す手間をなるべく省き、低ストレスな買い物ができるようにすることが重要です。小売業や、棚割提案をするメーカー、卸売業は、そのための売場の要件を知っておく必要があります。
 
 一方で、予定していなかった商品を買う「非計画購買」を促すには、売場を演出することでショッパーに楽しい気持ちになってもらうことなどが有効です。スーパーマーケットにおいて購入される商品の8割弱が「非計画購買」だった、という店舗での調査結果からも、ショッパーに対してインストアプロモーション等を通じて働きかけることがいかに重要かわかると思います。
 
ショッパーにより良い顧客体験を提供するためには、ショッパーの購買行動の特徴を理解した上で、売場づくり、MD提案、棚割提案、販促提案を行う必要があります。これらの業務に携わる方は、売場づくりの原理・原則である「インストア・マーチャンダイジング」の基礎をマスターしておくことが必須なのです。
 
ところで、売場づくり、MD提案、棚割提案、販促提案に携わっている方は、以下の問いに対して、ご自身なりの答えをお持ちでしょうか。少し考えてみてください。
 
「買いやすい」売場とは、どのような売場でしょうか?
「気付きを与える」売場とは、どのような売場でしょうか?
「買う気を刺激する」売場とは、どのような売場でしょうか?
 
いかがですか?

 「買いやすい売場」、「気付きを与える売場」、「買う気を刺激する売場」とは、それぞれ、どのような条件を満たす売場だと思いますか?これらについて、自己流の考え方や、断片的な知識ではなく、体系的に考え方を学びたいという方もいらっしゃると思います。
 
 そのような方には、流通経済研究所が主催する「インストア・マーチャンダイジング基礎講座」の受講をお勧めします。 

<「インストア・マーチャンダイジング基礎講座」について> 

■講座の目的

 小売、メーカー、卸で売場づくり、MD提案、棚割提案、販促提案に関わる全ての方々にマスターしていただきたい、売場づくりの原理・原則であるインストア・マーチャンダイジングの基礎の短時間での習得を目的としています。

■調査・実験に基づく科学的なアプローチ

 流通経済研究所では30年以上にわたり、小売・卸・メーカー数十社の協力のもと、店内での買物行動調査や消費者調査、それらに基づく店頭実験などを通して、売場づくりの研究を科学的に行い、売れる売場づくりの原理・原則である「インストア・マーチャンダイジング」を体系化してまいりました。

■講座の概要

開催形式:オンデマンド(録画コンテンツのオンライン視聴)
配信期間:2023年 2月6日 ~ 3月17日(お申込み締切 3月3日)
所要時間:約3.5時間(3チャプター合計)
受講料:1名につき 24,000円(消費税込み26,400円)
※参加ご希望人数により、個別企業向けの講座開催も承ります

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