【本日の戯言】東大四回生で満期退学した子について

最近、若くして研究実績により東京大学推薦入試で理科一類に合格し、『世界を変える30歳未満の日本人30人』として受賞まで成し遂げた22歳の東大生が満期退学とやらをしたことが話題になっていますね(以下、記事URL)。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5a70c9160e3326cd8438ec57e81a4a93fb4b2d16

本人の言い分としては

①地球温暖化のタイムリミットまで7年しかないから研究に集中したい

②研究室配属によって、さまざまな分析機器の使い方を覚えたため、もはや東大に来た意味は達されてしまった

などがあるようです。でも①については、個人的によくわかりません。そもそも地球温暖化って明確なタイムリミットがあるものなんですかね。また、地球温暖化のタイムリミットと聞くと、どうしても地球温暖化によってわれわれ現代人の生活が破綻を迎えるまでの猶予といったイメージを持ってしまいますが、本当に7年後なんですかね。その一方、昨今話題のSDGsでは、2030年を目途とした中長期的な(?)目標が多く打ち立てられています。そのなかには、当然持続可能な社会に関する言及もあります(Twitterで見たのを調べなおしただけですが)。

もし、そのことを指して「地球温暖化のタイムリミット」として銘打っているのであれば、かなり早合点ではないかと感じました。

また②についても、正直もったいないなと思いました。研究室で学ぶこととしては、もちろん機器の使い方というのもありますが、そのほかにも専門家との人脈や、異なる分野の人からの助言による視野の拡大、研究という営みそのものに対する慣れや論文執筆時の作法、研究費用の取り方やアピール方法など多岐にわたります。なにより、これから長くその分野に携わる予定の人ほど、この期間にこそ幅広い分野に手を付けて広い裾野を獲得いておきたいところではないかと感じてしまいます。もちろん、そのすべてが一年間ではできません。修士修了まで踏ん張る必要があるでしょう。しかし先のことを考えるほど、ショートカットしていい期間ではないと感じます。

まだ研究室配属先が決まったばかりのぺーぺーの戯言ですが、この記事の本人がこの先うまくいくことを願いつつ、僕は僕で春からの新生活(院試+卒研)を有意義に過ごせるよう頑張ろうと思う今日この頃なのでした。


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