20.人類にラッコの本能を
俺は時々、突然何かに興味を持ったりする。そのことについて、調べるか、調べないかは気分次第。
そんな感じで、あるとき興味を持ったことの1つ、
ラッコ。
以前、ジュゴンについて書いた。[8.もしも俺が魚だったら 参照]
ラッコに興味を持って調べるようになったのは、ジュゴンよりもっと前。22〜23歳のとき、水族館でラッコを見たときだった。
なぜラッコに興味を持ったかというと、ひとつは「かわいい」「愛くるしい」それもある。
最大の理由は、
「こんな毛むくじゃらで、めちゃめちゃ陸で生きてそうな獣なのに、なんでこいつら海で生活してんの……わざわざ過酷な海で……」
「めちゃめちゃ獣なのに、どうやって浮いてんの?」
そう思ったから。
ここで1つ問題です。
ラッコは何科の動物でしょうか?
正解は、イタチ科です。
「えっ、イタチ科なん!?」俺もそう思った。
イタチ科には、陸で生活するイタチ、川で生活するカワウソ、海で生活するラッコがいる。同じイタチ科なのに不思議。イタチ科およびラッコ、もうおもろいでしょ?
動物の進化の理由って大きく2つあって『敵から身を守るため』と『エサを確保するため』だ。
イタチの祖先が、豊富にエサがある海に進出したのがラッコらしい。ほんまかいな。エサを求めて海までってだいぶ攻めたなラッコちゃん。ご苦労ちゃん。
ジュゴン同様、ラッコも絶滅危惧種です。
みんなラッコの未来を、ラッコに限らず動物たちの未来を祈ってください。
ラッコが絶滅危惧種になった原因はいくつかあるんやけど、どれも結局は人間が原因。そのひとつがこれまた残酷で。人間の強欲でね、ラッコの毛皮が高価な物として売買され、ラッコが乱獲され、ラッコを乱獲するための会社までできた時代があった。
人間の勝手な基準で動物に価値をつける世の中。ヒトを含め動物界は弱肉強食。きっともう、これらは仕方ない。仕方ない?
俺も動物の肉を食べる。世の中には動物の一部で作られた物が溢れてる。ラッコと、それらと何が違うって言われると口を濁す。大昔のどっかの誰かが発案し、作り出さなければ存在すらしなかった物物だろうけど、すでに存在してるし、存在してるから使うし、それらを普通として生きた側は、それらは普通でしかない。その中に本当に必要な物ってどのくらいあるんだろう。世の中がそうなっている以上、それらをゼロにすることは不可能。んんーまぁ、なにごとも適度だな、適度……。共存共栄というか……。んんーー、俺は正解分かりません……。
ただ、守れるものは守っていきたいね。俺は自然も動物も好きです。
あ、そうそう。ラッコの愛くるしい情報をひとつ。知ってる人もおるかもやけど。
ラッコは寝るときも海の上で寝ることが多い。野生のラッコは寝てる間に流されないように、海藻を体に巻き付けて流されないようにする。もうひとつ方法があって、水族館とか海藻がない場所では、流されてはぐれないように、ラッコ同士手を繋ぐ。ラッコが手を繋ぐ………
「ひゃーーーー!!」よね。想像しただけで「ひゃーーーー!!」よね。
YouTubeにも動画あるから『ラッコ 手を繋ぐ』で検索して見てください。めっちゃ愛くるしいから。手を繋ぎにいく瞬間「ひゃーーーー!!」ってなるよ「ひゃーーーー!!」って。30代男性の私「ひゃーーーー!!」なるよ。
ラッコは流されてはぐれないために手を繋ぐ……。それはつまり本能として、合法的に手を繋いでいいんだ、ラッコは……。
おいおいおいおいおい! いいな、おい! ラッコいいな、いいな!
俺も人間界の社会という荒波に流されそう、さらに時の流れがはやすぎて流されそう、誰か、誰か俺の手を、女の人限定で、誰か俺の手をにぎってーー、流されるぅぅぅぅ、あ! そこのお姉さぁん、はやくおれの手を、はやくはやく、やばいやばいやばい、ながされるって、あーやばーーいながされるぅぅぅぅうう、あぁーーーーーーーーーーーー
はい、きもい。
――あぁ神様。人類の脳に、ラッコの本能の一部を分けて下さい。本能で手を繋いでもいいという部分だけ分けて下さい。人類は海で生活してません。陸です。陸すなわち社会。社会の波。社会の波はラッコでいうところ海の波。ですから、要は、社会の波に流されそうになったら、本能ってことで、女の人の手を………
はい、きしょい。
もういい、寝る
あ、ラッコがどうやって浮いてるか書くの忘れてた、もういいや
みんな
大切な人の手は握ってあげてね、ラッコみたいに
助け合うために手を繋ごう、ラッコみたいに
そしたらもっとお互いを慈しみ合える世の中に
そんな夢を見たい
おやすみ
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