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青年H君vol.1-出会い-

仕事終わりにたまに行く先輩のお店の中華屋がある。
コロナ禍とゆうこともあり、中華屋はお昼はラーメン・つけめん、ウーバー用のテイクアウト商品の提供を行っていた。

商店街の中の駅に向かう途中にあるお店なので、お店を通るたびに挨拶をしたりしなかったり。
挨拶ついでに昼から一杯飲んだり飲まなかったり。

そんなある日のお昼時。
仕事もしないでお店にお邪魔して一杯ひっかけていると、カウンターでつけ麺特盛(1kg)を食べている青年H君(以下、青年)に出会う。

その日、カウンターにいる僕は携帯をいじりながら、忙しそうな先輩とたまーに話して飲んでいた。
隣をちらっとみてみると、僕の二つ隣の席に座っている青年はつけ麺特盛を楽しみに待っている様子。

しばらくして。

先輩「お待たせしましたー。つけめん特盛です!」
青年「いつもありがとうございます!」

青年の見た目は痩せ型。

よくこの量を食べれるなと思って見ていると、麺を半分食べたくらいから、青年がなにやらぶつぶつ言いだした。

青年「(小声)やっぱりきついかぁ…」

するとお店の先輩が、

先輩「なにまた残すの?!」
青年「やっぱり特盛は多いですねぇ…」
先輩「毎回特盛頼んで残すんだから、大盛にした方が得だって!」
青年「特盛頼まないともったいない気がして…」

まったく理解できない(恐らく毎回同じはなしをしている)トークラリーを私は隣で聞かされている。

私もついつい間に入り。

私「やっぱり1kgは多いですよね!」
青年「あっあっ、そうなんです。いいつも食べてるんですけどどどうしても食べられなくて…」
私「よくお店来るんですね?先輩と仲良さそうにはなしているから!」
青年「ははい。たたたまに飲みにも連れて行ってもらっています」
私「そうなんですね!お仕事とか平気なら一杯ご馳走しますよ!」
青年「そそそれじゃあいただきます」


私は、ん?少し変わった人間だな、と直感センサーが働いた。
私はどんな人間か仮設を立てて、その仮説が当てはまることが多い。
私は自分自身のことをヒューマンウォッチャーのプロだと自負している。

今回の仮設は、童貞、彼女無、デリバリー配達員、年齢25才。

お酒の力も借りながら、相手に失礼のないように、探り探り聞いてみると、年齢は26才、近くに一人暮らしをしていて、仕事はウーバー配達員、デリケートな仮説を寧ろ青年の口から話してくれた結果…

BINGO!!!

またプロの成績を書き換えなければ。

そして2時間くらい一緒にお酒を飲み、面白かった束の間の時間はお開きとなる。

興味深い青年だった。


これが青年との初めての出会い。




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