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【ゲームだけにゲームチェンジャー】Animoca Brands:Yat Siu氏に習うweb3ゲーム最新トレンド

香港のweb3大手企業Animoca Brandsは、先月9月に2,000万ドル(約30億円)を調達したと発表。
調達した資金は、エコシステム内での活動によってロイヤリティポイントが貯まり、さまざまな報酬および特典と交換することができるようになるweb3プラットフォーム、Mocaverseプロジェクトの推進に使用されるそうです。

Mocaverseプロジェクトは近日中に、作成したデジタルアイデンティティでMocaverseのエコシステムに参加できるよう設計された譲渡不可のソウルバウンドトークン(SBT)コレクション「Moca ID」をローンチ予定。Web3.0時代におけるデジタルIDとしての機能を目指す様ですが、その裏側にはどのような背景があるのでしょうか。
Animoca Brands共同創業者兼会長のSiu氏が緊急来日されたので、その真相をお伺いしました。

共同創業者兼会長 Yat Siu氏

Lives on blockchain lives forever

「ブロックチェーン上にあるものは永遠の命を手にする」と語るSui氏。
まずゲームの論点に入る前に、ブロックチェーン技術が社会に与える潜在的な影響について問います。
ブロックチェーンの利点として、
1.ユーザー間で権力やコンセンサスを分散させること
2.より公平な資産や富の分配につながる可能性があること
の2点を強調しています。ブロックチェーンが銀行や著作権などの業界に革命をもたらす可能性についても語り、価値を創造し、それをコミュニティと共有することもweb3ならではの特徴です。ブロックチェーンは社会に大きな価値を生み出す可能性を秘めており、その発展の原動力となるインセンティブやビジネスモデルを理解することがファーストステップだと述べています。

web3とゲームの狭間に大きな機会が存在

現在、web2のSNSプラットフォームから得られるロイヤリティは、web3のNFT等のクリエイターやオーナーが得られるロイヤリティの90%以下という統計が出ており、web3の資産の分配による収益モデルのパラダイムシフトが起きているのが明白です。
web3でデータがパブリックに公開されれば、ユーザーは「所有」の権限により、より大きな力を持ちます。デジタル資産には数兆ドルが存在し、アクティブなウォレットアドレスは増え続けています。web3は、今後もネットワーク参加者が共通の目標である「ネットワークの成長」に向かってより協力的な力が働くことになるでしょう。

このような背景から、”Mocaverse”はweb3カルチャーのL1となる如く、web2にはなかった証明可能なデジタルIDを付与したプラットフォームを設立した、とSiu氏は仰っています。

何故マスアダプションの媒介として「ゲーム」なのか

世代的理由(Generational)と歴史的理由(Rhytorical)の2つがゲームの潜在的媒介に起因するそうです。

Generational
いつの時代もITを牽引する若い世代はゲームとの親和性も高く、またデジタルネイティブのGenZ、GenXは特にクリプトにも慣れている。この世代をキャプチャするために、ゲームが欠かせない。

Rhytorical
インターネットの2/3はゲームから生まれている、またはゲームそのものだと言われており、ゲームの価値が分かるユーザーはインターネットの価値や将来的なビジョンにも共感しやすく、そのカルチャーこそがムーブメントになる。(かくいうSiu氏もゲーム業界のパイオニア、アタリ社出身なので、ゲームとインターネットの革新を間近で見てきた人物ともいえる)

どんなゲームがマスアダプションに寄与するの?

ポピュラーで有名なゲーム

既にユーザーを虜にしている有名で原動力のあるゲームがマスアダプションしやすいとのことです。有名IPがweb3化している現象はまさにトレンドに乗っていると言えますね。ゲームの工程が分かりやすく、奥が深いが操作が簡単、といったゲームもマス受けしやすそうです。

カルチャーを創造するナラティブ

ストーリーテリングの力によってカルチャーを作り、価値を創造することがユーティリティのみに依存する無機質なweb3からの脱却だとも考えられており、この辺りはゲームの創造性のみならず、ウォレットなどのファンクションなどにも活用すべきと語るSiu氏。確かに、財布も財布のみの機能性の文脈で使うというよりは、このブランドがいい、この皮質がいい、これは誰々がくれたから特別と、裏側のストーリーやお気に入りポイントを見出すことによってより愛着がわきますね。

トレジャリー運用はマスト

ゲームプロデューサーは総じてマクロ経済の知識が乏しく、トレジャリー運用などをしていない、必要性を感じていないことにSiu氏は警告を鳴らしており、web3の発展とweb3ゲームを推進する一方で、トークンを運用する必要のないゲームはわざわざweb3化する必要はないとも仰っていました。うう、耳が痛いです。トレジャリー運用の専任や、経済学者を入れるプロジェクトもあるくらい。日本は特にマスアダプションを意識するならばこの観点を持ってほしいそう。
フルオンチェーンゲームはその先、とも述べており、まずはユーザーもweb3に慣れ、消費者としての義務が果たされてからで良いのではとアドバイスされていました。

以上、勉強になりましたでしょうか?
素晴らしい機会にご招待下さったAnimoca Brands日本法人の皆様、ありがとうございました!

DeFimansはweb3ゲームの戦略、トレジャリー運営アドバイザリー、国内外のゲームマーケティング支援もしております。
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(文:ちゃんぺっつ)



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