高額療養費制度があるので「がん保険」は不要？
がん保険の必要性についてはファイナンシャルプランナーによって考え方が違う。最近はNISAのブームにより保険よりも投資や貯金を優先する考え方が優勢のようだ。
がん保険は不要と唱えているファイナンシャルプランナーの裏付けになっているのが、高額療養費制度の存在だ。
所得によって負担額が異なるが、毎月一定額以上の医療が免除される制度で、この制度を利用すれば、いざ癌になっても貯金さえあれば、支払えるとの理由からがん保険は不要という考え方だ。
すでに貯金がある人は良いとして、貯金のない人が病気になったらどうなるのだろうか。
高額療養費制度で1ヶ月約９万円の支払いで済んだとしても、月を跨れば約1８万円。１年間治療が続けば、約１０８万円が必要になる。
また、高額療養費制度には、対象とならない支出がある。差額ベッド代・入院中の食事代・先進医療費・自由診療費差額などだ。
差額ベッド代は病院によって金額が違うが1日1万円以上の病院が多い。食事代は１食460円。1日1,380円、１ヶ月41,400円。
先進医療や自由診療は、数百万円かかる治療が多い。
経済アナリストの森永卓郎さんが膵臓がんのステージ4であることを公表されているが、1か月の治療費が自由診療などで300万円を超えたと明かさている。
あってはならないことであるが、先進医療や自由診療を受けることができるかどうかで命が助かるかどうかが決まってしまう世の中だ。
がんは、日本人の2人に1人がかかる病気と言われているが、自分が癌になると考えている人は少ない。 人間は都合の良い生き物だ。
では、ここで想像して欲しい。もしあなたが癌になって、１ヶ月30万円の支払いが1年間続いたらあなたの生活はどうなりますか？
お金がないので治療を諦めますか？
私にお金の相談をされる方の中には、「癌になったら諦めますよ。」という方もいるが、本当にそうだろうか？家族もそう思うだろうか？助かる可能性があるのなら、お金を借りてでも助けようとするのではないだろうか。
がん保険は、長期の治療を助けるもの。そして、今まで貯金してきたお金を減らさないために加入するものと考えてほしい。
私も義父や友人を癌で亡くしたが、お金の問題以上に大切なのが、心の問題だ。
癌を告知された本人はもちろん、その家族も精神的に追い詰められる。癌についてインターネットで調べまくり、何が本当かわからないまま、癌に効くというものは、なんでも試したくなる。
アフラックのがん保険には、「よりそうがん相談サポート」というサービスがある。治療の相談・生活の相談・こころの相談・お金の相談ができるサービスだ。
癌という病気は、お金の問題だけでなく、こころのサポートが必要な病気だと考えている。
高額療養費制度があれば「がん保険」は不要という議論には、こころの問題や家族の思いが抜け落ちているように感じている。
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