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エンジニアの組織開発⑰ 目的論

目的論は、「どうなっていたらいいか?」です。将来的にどうなりたいか?ってことです。自分が学んだコーチングでは非常に大切にしていることで、自分も経験すればするほど、目的の重要さを実感してます。特に、部下のこれからのキャリアや、チームメンバーとの人間関係を構築するときには、「どうなっていたいか?」≒目的志向での解決は非常に有効です。

前回取り上げた「チームで取り組んでいるロケット発射の実験が、途中で燃料漏れが発生して延期になった。」という事象を例にとると、何故有効かが分かります。燃料漏れに繋がる可能性のある要因を複数上げる中に、

「設計者間の連携ミス」

があったとします。こんな時は、「何故、設計者間の連携ミスがあったのか?」よりも、「どうなってたらよい?」です。

「どうなってたらよい?」の場合は、ポジティブアプローチになることが多く、チームや場の雰囲気が前向きになります。一方で、原因を探ると・・・暗い雰囲気に包まれますよね。と、ここまでは基本的な知識です。

これを実際の現場でやるときには、特に理系のエンジニアだからかもしれませんが、そうそう簡単にはいかないこともあります。例えば、「量産開始時にトラブルが発生したとき」は、時間との闘いなので、担当者の意思を尊重しながら推定原因を1つ1つ潰していく必要があるときもあります。また、「分析が大好きな部下」などからは、「どうなっていたらよいか、を知るためには、分析しないと・・・」と強く思っている場合もあります。その時は、どう分析してるのかを傾聴することが大事です。

自分の場合、コーチングスクールで、この概念を知ったとき、やたらめったら「どうなってたらよい?どうなってたい?」を質問し続けて、逆に信頼関係を損なうこともありました。特に、自分に対して正直でない時、心から「どうなってたい?」と自分自身が思ってないときに使ったときは悲惨でした。部下から

「本当にどうなってたら良いか?なんて思ってますか?」

と聞かれたんです・・・。当時でも、ショックを受けました。今、振り返ると、自分の「在り方」が全面に出てたってことだと思います。当時の自分は、部下をコントロールするためにコーチングを使ってたわけですから。そりゃ、そんな気持ちは伝わりますよね。本当に、心の底から部下のキャリアを考え、本当にチームの人間関係を向上させたいと思ってる時、自分自身に正直になってそう思える時に、この言葉は非常に有効です!「在り方」そのもの。非常に重要です。

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