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エンジニアの組織開発㉒ 感情

自分たちエンジニアにとって、事象を分析していくことは日常の業務でやっていることです。基本的にはデータに基づいて判断する。感情は入れないことが大切です。賭けの世界で、サイコロを振ったときに、偶数が出るか奇数が出るかの確率は、何回振っても50%なんです。でも、偶数が3回も続いたら次は奇数ではないかと思ってしまうのは感情というものが働くからです。このように感情というものは、事実を間違った方向へと進めてしまうことはよくあるので、エンジニアの世界では感情に左右されないことを優先しています。

しかし、1on1などの場面では、如何に自分の感情や相手の感情に気づくことができるのか、そこが重要となってきます。「面白そうですね。」という発言を聴いても、好奇心に満ち溢れた「面白そうですね。」なのか、上司の言ってることだから合わしておこうレベルなのか、その見極めは非常に大切です。

1on1を始めた頃、自分は全く感情に意識が向かなかったんです。それよりも、話をしっかり聴かなくては!が強くなって、話している言葉をなるべくそのまま記憶しようとしてました。むしろ、5Wのフレームで捉えようとして、追加の質問しましたね。。フレームを埋めたくなるのも、エンジニアの性です・・・

何より大切なのは、1on1をやってる相手(部下)の感情です。会社の会話では、なかなか「嬉しい」「寂しい」なんてワードは出てきません。それだけに、なるべく相手の話を聴きながら状況を浮かべて、その時、どんな気持ちなのかな?を自分に問いかけるんです。そして、自分が浮かんできた感情を伝えてみる。例えば、

部下 「実験が計画通りに進まないんです。」

上司 「そうか。実験が計画通りに進まないんだね。」

部下 「実験がうまくできないんですよね」

上司 「へ~、うまくって?」

ここで大切なのは、その時の感情になりきって聴く中で、出てくる言葉を簡単には理解しないことなんです。今回の場合、「うまくいく」は、部下が思っている「うまくいく」と上司が思っている「うまくいく」は違う可能性があるからです。すると、部下からは、「メンバーとの調整が・・・」なのか「計画が立てられない」なのか、何で悩んでいるのかが見えてきます。いずれにせよ、この問題を聴いていくと、感情の部分が出てくるんです。この部分にしっかり寄り添ってあげることができれば、きっと何かがおこることに繋がります。

自分の場合は、部下との1on1を継続的にやり続けるとともに、社外の方にコーチングを100人以上にやってきました。そのうちの何人かには、継続的にコーチを続けたりしながら、今に至っています。まだまだ十分ではないですが、少しずつ感情に寄り添えるようになってきています。継続は力なりですね。



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