Xジェンダー不定性 性別を聞かれたら

不定性に限らず、Xジェンダーあるあるかなと思うんですが、性別を聞かれたら割りと結構困ります

困るだけでなく、不快な気持ちになります

性別を問われる場面といえば、たとえば病院
たとえば役所などの公的な書類
たとえば何かのアンケート 
たとえば何かを申し込む時の記入欄
 
数えあげればキリがありません

僕の場合は、さらに、配信サイトで初見で枠に入った場合というのも挙げられます

これらに対して、聞かれなければならないものは百歩譲って仕方ないと割り切れます

たとえば病院のカルテ

心の性別はコロコロ変わったとしても、残念ながら生まれ持った染色体はXYのままなので、それに見合った処方をして頂かないと生命に関わるおそれもあるのかもしれません(医療のことは詳しくないので、違ったら申し訳ないですが)

まあ、割り切るしかないと思っています

つぎに、役所などの公的な書類も、まあまあ割り切ろうと思えば割り切れます
戸籍が女である以上(認めたくない日も多々あるけど)、受けられる制度と受けられない制度などが変わってくるでしょうから、そこは甘んじて割り切ることができます

問題は、その他の場面で性別を記入する場合です
最近では、男女の選択肢の他に「その他」という項目も設けてもらえるものも出てきたため、「その他」がある場合は「その他」を選んでいます

「お前は男なのか？ 」と聞かれたとして、「そうだ」と答えたい日もあるけれど、もし心が男では無い時に、「男」と答えたことを思い返したら、それはそれで何か不都合が起こるかもしれないし、そもそも心が「女」になった日に「男」を選択してしまったら、後悔してしまいそうな気もします

逆も然りです

目を瞑って、世を忍ぶ仮の姿としての「女」を選択することもできなくはないのですが、本心では「やっぱり俺は女ではないのだが……」 と思ってしまうため、自分に素直になって、結局「その他」を選びます

でも、本当のところは「その他」というのも、あまり好きでは無かったりします

SDGsに加えて、LGBTQとか多様性とか、そういったワードが流行語のように企業やらメディアやらで声高に叫ばれるようになり、「性の多様性を認めようじゃないか」という機運も高まってきたようにも感じられます(かといって、何でもかんでも多様性という便利な言葉で「片付けられる」のもあまり好きではありません 本来の言葉としては好きなのですが)

そのため、肌感覚として増えたように感じる「その他」という記入欄も、「結局、俺は『その他』なんだよなあ……」という気持ちになってしまう部分もなくはありません

なんというか、「その他」を選ぶことで、少数派であることを(充分知ってはいても)やはりつきつけられるというか……

あるいは、顔が見えなければ幾分マシですが、「その他」と書いたものを対面で手渡しで提出しなければならない時、自然とカミングアウトすることになってしまうのも、少しだけ心が痛かったりします
(2回目以降顔を合わせないのであれば、まだマシです)

「その他」ということは、この人は何かしらの性的マイノリティなんだな、と暗に伝わってしまう恐怖
相手の顔色がほんの一瞬だけ「あれ、この人『その他』に〇するんだ」と変わる恐怖
毎回、ああいった瞬間は嫌なのですが、それでも僕はあえて「その他」を選びたいです

現在の学校教育では、LGBTQについて教えるようになったとも聞きますので、今の20歳くらいまでの方は粗方の知識は持っていらっしゃるのでしょうが、その他大半の大人達は、「その他」がどのようなセクシュアリティを指すのか、その選択肢もおそらく分かっていない方々もまだまだ多いのではないのでしょうか

(ちなみに、LGBTはほとんどの学校で教わるとして、僕たちのようなQカテゴリーまで教える学校がどれだけあるのかも、ちょっと気になるところではあります)

本音を言えば、「その他」まで設けるなら、いっそ初めから性別記入欄なんてなくせばいいのに、とも思ってしまいます

企業などの方針でマーケティング戦略の一環として消費者のステータスを知る必要があるのかもしれませんけど……

さて、話が少し脱線してしまいましたが、さいごに配信サイトでの初見で枠に入った時に性別を聞かれることも、僕はかなり嫌いです

配信者によっては、セクハラになるといけないので、ということで最初に相手の性別を聞くという方もいらっしゃるようですが、それは百歩譲って受け入れるとします

僕が不快だと感じるのは、簡単に性別を聞いてくる配信者です

せっかくお互いに顔が見えないからこそ、こちらは心の性別に合わせた名前やアイコンで視聴しているのに、なぜわざわざ現実を突きつけてくるのか

上記にも書いたように、メディアや企業が以前に比べてLGBTQに配慮するようになった令和の時代において、簡単に性別を聞かれるのは、少し胸が痛みます

はっきりいって、基本的には匿名性の高いネットの世界では性別や年齢というものはかなりどうでもいいものだと思っています

このような質問に対して、結局僕は「両方」と答えるしかなく、「男でもあるし女でもあるし、それ以外でもある 日によって変わるんだよ」と答えることが多いです

というか、そこにたどり着くまでに結構時間を要します

それくらい、性別に関する質問は苦手です

性別を聞くのって、そんなにどんな場面でも重要ですか？